Updated: 2005/12/15
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新フォーマット名はシアーズ・エッセンシャルズ
合併発表以来沈黙を守っていたシアーズホールディング(以降SH)が次なる戦略を明らかにした。2月8日に発表された新プログラムによると、シアーズエッセンシャルズというモール外の新フォーマットを今春中に25店舗オープンするのだという。
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シアーズは、モールの外に出て行こうというオフモール戦略実現のために、昨年6月にKマートから50店舗、ウォルマートから6店舗の購入を決めている。つまり今回の新フォーマットの開発は、Kマートとの合併以前にすでに戦略として持っていた規定路線であって、合併の結果というわけではない。
シアーズ会長兼CEOのアラン・レイシーは、このプログラムは長い社史上最もアグレッシブな成長イニシアチブへとつながって行くだろうとコメントしていて、ここからは、新フォーマットへの転換が今後も継続するであろうことをうかがうことができる。
要するに、やはりKマート名が消滅する可能性は非常に高いということだ。少なくとも、かなり減るであろうことは確実だろう。
エッセンシャルズのコンセプトは文脈から理解するに、シアーズグランドの小型版ということのようだ。シアーズグランドとは、03年末に開発された5000坪強のフリースタンディング型の大型店舗で、MD上は、アプライアンス、ハードウェア、オート用品、アパレルといったシアーズ従来の部門群に加えて、グローサリーやHBCを加えているところに特徴があリ、また集中レジやレーストラック型主通路などいわゆるディスカウントストア型の作り方を導入するなど旧来のスタイルとは異なる売場作りに挑んでいる。
現在4店舗で、年内にもう1店舗オープンする。またKマートから入手した店舗のうちの3店舗をシアーズグランドにすることを明らかにしていて、さらにウォルマートから手に入れた店舗2つをシアーズグランドに改装中という情報がある。
レイシーはこのグランドからのフィードバックを参考にして、エッセンシャルズを作るとしている。また現在のグランドには設置されていない、ファーマシーが併設されるという(Kマートにあったものをそのまま残すということのようだ)。このあたりからは、グローサリーやHBCを強化したい意図が見えてくる。KマートのPB(例えばマーサスチュワート)がエッセンシャルズに導入されるかどうかは今のところ不明だが、高い確率でありえるだろう。
ついでながら、旧ウォルマート店舗のうち2つはシアーズにするのだという。この意図はよく分からない。
その成否は不透明
シアーズグランドが儲かっているのかどうかは不明だ。同社はグレートインドアというホームニーズの巨大店舗も持っているのだが、こちらも利益性は不透明だと思っている。その昔ホームライフという家具チェーンを持っていて、売却のときに一度も黒字を出したことが無いことが判明するなど、シアーズの別業態は注意して見る必要がある。
ウォルマートとターゲットに対する有効な競合策を模索しているKマートにとって、シアーズが持つハード系のパワフルなPBを主体とすることは、1つの方策だろう。Kマート名を消滅させてしまう大胆さも必要かもしれない。ただシアーズを2店舗作るなど、戦略の統合性にあいまいさが見え隠れしているようにも思う。
やはり最も懸念されている、エクセキューションレベルが成否を握っていると考えている。企業変革は簡単ではない。机上のプランをきっちり店舗で具現化できるか、さらには現場の意見をこまめに吸い取ってフォーマットに反映させることができるのか、この企業のハードルは高い。
家電ディスカウンターと保証ビジネス
電化製品には通常一定期間のメーカー保証がくっついてくるものである。商品特性によって異なるが、短いもので半年くらい、長いものでも1年間くらいといったところだ。これに加えて、店員による追加の保証サービスの推奨販売は、誰でも経験したことがあるだろう。
アメリカのリテーラーも例外ではなく、特に大手のベストバイとサーキットシティはこのサービス販売にかなり力を入れている。
このサービスビジネスは利益のかなりの部分を占めていると思われる一方で、2社ともにその詳細を明らかにしていないのだが、これに対して企業会計の透明性確保の視点から批判の声が上がっている。
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手元の過去の資料を調べて見たところ、ベストバイが保証サービスを導入したのは96年のことなのでほぼ10年間の歴史を持っている。名称はPerformance Service Plans(PSP)、97年のアニュアルレポートでこの新イニシアチブに今後注力すると書かれていて、その言葉どおりにその後、総売上高対比で、96年に1%、97年に1.7%、98年に3%、99年に3.7%と、売上高を年々伸ばした。
このサービスの売上高はヤその他ユという部門に含まれていて、この4年間はその他とPSP販売の売上高に対する比率が併記されていたのだが、しかし00年のアニュアルレポートから明示されるのはその他の比率のみとなってしまい、PSPの具体的数値は出てこなくなってしまった。さらに04年度からは、部門別の売上高比率の掲載をやめてしまったため、PSPだけではなくその他部門の比率も公表しなくなってしまっている。
一方の競合するサーキットシティは数値を公表していて、04年度に売上高対比で3.3%である。
ただし両社ともに、その利益率についてはずっと口を閉ざしたままだ。ベストバイは、いかなる特定商品やサービスも利益率については公表していない、としている。確かに、個々の商品や部門についての利益率をわざわざ公表する小売企業は存在しないだろう。
ただし、その利益が全体のかなりの部分を占めているとしたら、話は別となる。上場企業の場合でそれが株価に影響するレベルであるとしたならば、ある程度の数値を公表するのは公開企業としての開示責任である。
実はこの保証サービスは利益率が50〜60%と非常に高く、営業利益に対する貢献度も非常に高いと見積もられているのである。リサーチ企業の予測によると、ベストバイのサービス販売の売上高に対する比率は4%、しかし営業利益の45%も占めている可能性があるという。サーキットシティはそれ以上で、売上高対比3.3%に対して営業利益の100%、つまりこのサービス販売が無かったら営業利益が出ていないだろうと見られている。
利益に対して占める比率がこれだけ高いと、その動向が株価を左右することは明白なわけで、だとすると例えば証券アナリストは物品販売業者として両社を分析する他に、サービス販売業者としても査定する必要が出てくるわけだ。だから批判の声があがっているのである。
口を閉ざしている理由の1つは、儲けすぎていることが消費者に知られてしまうことを恐れている可能性もあるだろう。
現段階でこの保証サービスが売れている最大の要因は、プラズマなどの高価な商品が動いているからだと言う。保証サービスを買うか、壊れたら買い換えて済ますか、お客は天秤にかけて判断する。売価がどんどん下落している現状で、保証サービス販売も落ちてゆく可能性が高く、とすると両社ともに今後利益が急速に悪化する可能性があるわけだ。
ウォルマート参入の可能性も
たぶん保証サービス販売は、店員へのコミッションがインセンティブとなっていると私は考えている。
ベストバイが成し遂げた革新は、それまでの家電リテール業界で常識だった店員のコミッション販売をやめて、完全セルフにしたことにあったのだが、こういう手法で推奨販売を復活させていたとすると、実に皮肉な話ではある。
ちなみに家電市場の20%を占めるウォルマートは保証サービスを提供してない(ベストバイのシェアは31%、サーキットシティ14%)。理由はプッシュする店員が十分にいないからだが、検討しているという噂もあるようで、もし仮にウォルマートが導入するとここでも価格戦争が起こるだろうと見られている。

