2010年2月24日
[ウォルマート] Vudu買収にみる戦略性

ウォルマートがVuduを買収するそうです。買収額などは不明、両社ともに多くを語っていません。

この買収、実に興味深い。

Vuduは創業3年目の若い企業です。
テレビにつなぐと映画が見れるというデバイスを開発して売っていたのですがまったく売れず、ネットのストリーミングに方針転換、映画1万6000本のライセンスを取得する一方、サムスンやシャープといった家電メーカーとも契約して彼らの商品にサービスを提供するビジネスを開始して、俄然注目を浴び始めた。

ウォルマートによる買収は先月から業界では話題になっていたようです。


ウォルマートは世界で最大のDVD販売ボリュームを持つ企業です。
ただここ数年売上が落ち続けている。理由は映画を"買う"から"借りる"にシフトしてしていることにあるわけなのですが、この借りるに自動販売機(キオスク)のような格安タイプが生まれたり、ケーブルオンデマンドやデジタルオンデマンドといったより便利なタイプが伸びてきていて、どんどん変化している。
同社はこのうちのデジタルオンデマンドを押さえようと数年前かえら実はいろいろトライアルしてきているんだけど、うまくいかなかった。

そして、自前ではうまくいかかないので、この分野で成功への道筋を付け始めた企業を買収してしまった、というわけです。


テレビを買ってネットにつなぐ。
Vuduがプレインストールしてあって、オンデマンドでストリーミングして映画が見れる。
これをウォルマート傘下の企業が取り扱う。

店頭の売上はこれから減るけれど、ネットで補ってしまう。
これがウォルマートの長期戦略と言うことになります。
日本の大手小売企業とはまったく異質の発想じゃないでしょうか。


今朝のWSJ誌は、ビデオレンタルのブロックバスターの苦戦をトップに持ってきていたのですが、ウォルマートのこの動きと見比べるとと非常におもしろい。
本来ならばならばこの買収、ブロックバスターがやらなければならない案件というような気がしますね。

鈴木敏仁 (03:34)
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