January 23, 2012
[オフィスデポ] ホームデポに次いでPaypal決済の実験を開始
先々週にホームデポがPaypal決済の実験を始めたことをエントリーしましたが、オフィスデポも開始しました。正確な店舗数は不明、資料では数店舗となっています。
ホームデポも数店舗から開始したのですが現在は51店舗まで増えているようです。
Paypalは現在大手20社近くと導入について協議中だそうで、これから増えるであろうことを示唆しています。
すでに書きましたが、このシステムは財布も、カードも、お財布ケータイも必要ないんですね。携帯の番号とPINだけで支払いが済んでしまう。
非常に便利そうです。それとリスクも低そうなのですが、それでもなんとなくセキュリティが心配ですよね。
このあたりは普及して使用数が増えてみないと何とも言いようがないところがあるのですが。
Paypalとしてはネット決済からリアルへと進出することで市場を広げたい。
小売企業としては旧来のクレジットカード業界に支配されてしまっている現状をなんとかしたい。
Paypalはおそらく安い手数料をオファーしているんだと思います。
この決済、これから広がっていく可能性が高くなってきたように感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:06 PM |
January 6, 2012
[バーンズ&ノーブル] 電子ブック事業のスピンオフを検討
バーンズ&ノーブルが歳末商戦の結果をリリースしたのですが、電子ブック事業の売却を検討していることを明らかにして話題になっています。
切り離して本体と別々に運営した方が、企業価値向上につながるだろう、ということですね。
リリースを読むに、ヌックはかなり売れているのですが、売るためにヘビーは広告や販促を展開していてこれが本体の赤字の原因になっている。
このあたりがスピンオフを検討する理由の一つにもなっているようです。
このスピンオフは諸刃の剣です。
アマゾンやアップルのように一体である方が統合システムとして全体を強化しやすい。
しかし餅は餅屋で、電子ブックのようなデジタルデバイスはリテーラーの手から切り離して企業として専門特化して行った方がいいかもしれない。
まあ、私は切り離さない方がいいと思いますけどね。
今後に注目です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:53 PM |
December 30, 2011
[ロウズ] ネット専業のリテーラーを買収
ロウズがネット専業のホームインプルーブメントリテーラーを買収します。企業名はAGTストアズ、買収総額などの詳細は公開していません。
目的はシンプルにネットの売上増、AGTはロウズの傘下企業となり独立運営を継続するそうなので、ロウズのサイトとの相乗効果を求めるとか、組織統合して効率化を図るといったことは今のところ考えていないようです。
このAGT、運営しているウェッブサイトは500以上、取引メーカーは3,300社、取り扱い品目数は350万で家具やライトからフィットネス器具やアパレルまで販売しているそう。
ホームページにざっと目を通してみましたが、つまりカテゴリーや品種別に大量にサイトを開設し、しかし裏側のシステムは一つという手法なんでしょうね。
こういうビジネスモデルが存在するということをはじめて知りました。
<追記>
12月31~1月2日に三日間のお休みをいただきます。1月3日には通常営業に戻ります。
この1年間、ご愛読ありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい。
それと、年末年始のかき入れ時に忙しく働いていらっしゃる皆さん、最後のひと踏ん張りです、頑張って下さい!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:59 PM |
December 23, 2011
[ベストバイ] ネット販売、欠品で一部顧客の注文をキャンセル
ベストバイがネット販売で欠品を起こして一部の注文をキャンセルせざるを得なくなったことを明らかにしました。
注文は11月と12月に注文された商品だそうです。
何が欠品したのか、何人なのか、いつまでに届ける商品なのかについては説明が無いので詳細は分からないのですが、発表する以上かなりの顧客に影響が出るのでしょう。
クリスマスプレゼントの到着を待っていたかもしれないお客にとっては腹の立つミスですよね。もうすでに23日ですから、これから買おうとしても間に合わないかもしれない。
たぶん返金とエキストラの商品券などで対処するのでしょうが、それで解決する話ではない人が結構いそうが気がします。
ターゲットがアクセス数の急増に耐えきれずにフリーズしてしまったこと記憶に新しいですが、アメリカの大手リテーラーもけっこう試行錯誤しているんですね。
そう考えると、当たり前なことなので目立ちませんが、例えばアマゾンのようにつつがなく営業している企業は実はすごいノウハウを持っているのだということが分かるように思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:24 PM |
November 9, 2011
[コストコ] ワシントン州の酒規制の変更、住民投票で可決
ワシントン州で酒規制に変更を加える条例が住民投票で可決されました。
これ、コストコが2200万ドルの支援金をコミットしてまして、言ってみればコストコ規制なんですね。コストコは規制を変えるため州を相手取って訴訟を起こしたこともあって、長いこと変えようと努力してきた経緯があります。
あまり詳しくは知らないのですが、ワシントン州では10,000sqf(281坪)超の店でお酒を売ることができず、またハードリカーは州運営のリカーストアでしか売ることができませんでした。
これが、いかなる店舗でも売ることができるようになりました。
また卸を通さないと仕入れられなかった規制もなくなったようです。
ただし販売時に厳格なルールが課されるのと、州への税収を確保する条件が付けられている模様。
実は昨年も法案が住民投票で否決されていて、こういった条件を新たに付することで可決に持ち込むことができたということです。
反対していたのがもちろん卸業界、それと州知事を含む民主党も反対派だそう。
この規制、アル・カポネの時代の禁酒法の名残です。アメリカにはこの規制を維持している地方自治体が結構ありまして、もちろん表向きはお酒はコントロールしなければ大変なことになるという理由なのですが、本質的にはそれによって守られている業界があるから(具体的には卸業界など)ということになります。
しかしコストコ、2,200万ドルのコミットはすごいですよね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:26 PM |
November 8, 2011
[ベストバイ] イギリスから撤退、今後はモバイル専門店で開発途上国へ参入
ベストバイが海外戦略を大きくシフトしました。
・イギリスで不採算が続いていた11店舗を年末までに閉鎖、進出時にパートナーとして組んだカーフォン・ウェアハウスとの合弁は解消する。
・カーフォン・ウェアハウスが所有している米モバイル専門店、ベストバイモバイルの資本をベストバイがすべて買収する。
・カーフォン・ウェアハウスとは発展途上国でのモバイル専門店の展開で新たにパートナーを組む。名称はグローバル・コネクト、手始めは中国で、ブラジルやインドを視野に入れて行く。
イギリスでの失敗は経済環境と競合のようですね。
ベストバイという知名度がなかったとも書いてあります。
まあ当たり前ですが最初は知名度なんて無いわけで、どこまで腰を据えて我慢できるかが勝負というところがあります。
ベストバイがイギリスへの進出決めたのは2008年、まだわずか3年ですから。
ただモバイルへフォーカスをシフトするというのは時代の流れでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:36 PM |
November 4, 2011
[シムズ] 連邦破産法11条を申請し破綻、清算へ
シムズが連邦破産法11条を申請したのですが、再建せずに企業清算の道を選択しました。1月末までに在庫を一掃するとのこと。清算されるのは傘下のファイリーンズも含まれます。
シムズは25店舗、ファイリーンズは21店舗。
双方ともにディスカウント型のアパレル専門店チェーン、業界で使用される業態名はオフプライスストア(OPS)です。
ファイリーンズは1908年創業で最古のOPS企業です。
ただかなり初期段階にフェデレイテッド傘下となって、そこから資本がうつろってあちこちにビジネスが移っています。
1998年に破綻して連邦破産法11条を申請、すぐに復活したのですが、2009年に再び破綻、シムズに買収されました。
シムズは1959年創業、上場企業でしたが業績悪化で2007年に非上場になっています。2009年に投資企業と共同でファイリーンズを買収、規模を大きくして立て直そうとしたのですが失敗し、今回の企業清算の決断に至りました。
つまりトータルで3回破綻、そして3度目の正直というわけにはいかなかった、というわけです。
日本ではもはやあまり知られていない企業ですが、アメリカの業界では老舗として著名で、しかしいつ破綻してもおかしくない状況でしたので、"とうとうその時が来たか"という印象をみな持っているのではないでしょうかね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:43 PM |
October 21, 2011
[バーンズ&ノーブル] マーケットプレイスで非書籍カテゴリーを拡大
バーンズ&ノーブルはすでにサイトで書籍以外のカテゴリーを販売しているのですが、これを拡大する予定であることが分かりました。
ホームプロダクツ、家電、アート&クラフト、玩具&ゲーム、ベビーの5つを新たなカテゴリーとして新設、100万アイテム以上を追加します。
ただし直営ではなくて実際には別企業が販売するマーケットプレイス形式となります。
目的は書籍のみに依存するいまのビジネスモデルを変えることにあるようですね。
とりあえずやってみるということなんでしょうが、しかし時すでに遅しかという印象が強いですね。おそらくリスクをあまり取らない形式だろうと思うのですが、ローリスク・ローリターンですしね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:11 PM |
October 7, 2011
[ベストバイ] ナプスターを売却へ
ベストバイがナプスターを競合のラプソディに売却することを発表しました。売却額は明らかになっていません。
ベストバイは2008年に1億2100万ドルでナプスターを買収、音楽のデジタルサービスを自ら強化しようとしたのですが、リアル店舗やネット販売サイトとの相乗効果を上げることができませんでした。
推定では現在の登録者数は20~30万人で、買収時の70万人から大きくお客を減らしてしまったようです。
なぜ伸ばせなかったのかという点について説明した資料がないのですが、買収した時点がピークだった、ベストバイにマネジメント能力がなかった、ラプソディやSpotifyといった競合が増えてしまった、といった理由が考えられます。
とくに広告収入を土台とした無料サービスを提供しているSpotifyなど新たなビジネスモデルの台頭が、かなり影響を及ぼしているような印象です。
エンターテイメントカテゴリー(音楽、映画、ゲーム、書籍)は今激動のまっただ中にあるということを実感するニュースです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:38 PM |
October 6, 2011
[コストコ] 年会費を値上げ、サムズとの競合の行方は?
8月末期末のコストコが決算を発表、同時に年間の会員費を値上げすることを明らかにしました。
値上げは11月1日から、値上げ幅は10%(50ドル会員が55ドル、100ドル会員が110ドル)です。
値上げする理由は、原価が上昇している環境で、商品売価を値上げせず現状を維持するためには会員費を値上げせざるを得ない、とのこと。
コストコの値上げは5年ぶりだそうです。
競合のBJ'sは年初に45ドルから50ドルへ値上げしているのですが、一方サムズは40ドルを5年以上維持しています。
このコストコの値上げがどう影響を及ぼすのか、実に興味深いです。
コストコはサムズに比べて一店舗当たりおおよそ1.5倍ほど売上高が高い。マーチャンダイジングがそれだけ魅力的なわけです。
しかしお客はこれからその魅力と15ドルの差をてんびんにかけて行くことになりますよね。
10%程度なら乗り換えは起きないと踏んでいるコストコの読みがあたるのか否か。
今後の推移を見守りましょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |
September 23, 2011
[ステープルズ] 文具にマーサ・スチュワートの新ラインを投入
オフィス用品ディスカウンターのステープルズが、ホームオフィス分野にマーサ・スチュワートを冠したPBを投入します。
アイテム数は300、OEMはエイブリー・デニソン、ターゲットは女性だそうです。
競合企業との差別化が主目的と言っていますが、オフィス需要が打撃を受けて売上を落とす中、一般市場としての女性を狙うことで売上をヘッジする意味もあるのでしょうね。
しかしマーサ・スチュワート、こんな分野に進出とは思いもよりせんでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:33 PM |
September 6, 2011
[ロウズ] オーストラリアで1号店をオープン
ロウズがオーストラリアで店舗をオープンさせました。同社にとっては北米以外では初の店舗となります。ただしオーストラリア最大の小売企業ウールワーストとのジョイントベンチャーで、単独進出ではありません。
店舗名はマスターズ、1万3,500㎡、2,300万オーストラリアドルの年商を見込んでいるとのこと。
このニュース、あまり報じられていないのですが、自分としてはおもしろいなあと思ってます。
日本でもあり得る話ですからね。
<追記>
現在日本に滞在中、本日は某大手メーカーさんでセミナーです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:15 PM |
September 2, 2011
[シアーズ] クラフツマンをコストコで販売
シアーズが所有するハードウェアのPB、クラフツマンをコストコで販売開始することが発表されました。早ければこの土曜日にも店頭への投入を開始するそう。
シアーズはPBをすでにエースハードウェアで売っています。昨年から並び初めて現在は900店舗、今月中には1000店舗になるとのことです。
シアーズはPBを他の流通チャネルで販売する戦略を進めていて、ネット強化とPBが今この企業の中心戦略となってます。
エースに加えてコストコで販売し始めるとなると、チャネルの拡大はそこそこ成功しているとみていいのでしょうね。
でもこれでシアーズ本体の集客力は確実に落ちるでしょう。
いいのか悪いのか、判断が難しい戦略だと思ってます。
<追記>
来週一週間東京へ出張です。エントリーが少なくなると思いますがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:40 PM |
September 1, 2011
[コストコ] 創業経営者ジム・シネガルが引退表明
コストコの創業経営者ジム・シネガルが来年の1月1日をもってCEOのポジションを辞することを表明しました。
昇格するのはCOOのクレイグ・ジェリネクです。
昨年の2月にこういうニュースがありました。
[コストコ] COOにジェリネックが昇格、後継人事か?
まさにその通りだったわけですね。
シネガルはいま74歳、店舗訪問を繰り返して現場で考える経営者なのですが、体力に限界が見えてきたんでしょうね。本人はまだまだハードワークを続けるというようなことを言っているんですが。
シネガルはおそらくサム・ウォルトンに匹敵する創業経営者ではないかと思うんですね。
アメリカの流通業界に大きな影響を与えた経営者の引退です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:19 PM |
August 31, 2011
[バーンズ&ノーブル] 電子ブック好調で赤字縮小
バーンズ&ノーブルが第1四半期の決算を発表しました。売上高は14億2,000万ドルで2%増、最終利益高は5,660万ドルの赤字だったのですが、昨年同時期の赤字が6,250万ドルだったので数値は少し改善されています。
この理由として挙げられているのが電子書籍リーダーと電子書籍の好調で、つまり紙書籍のマイナスを電子書籍がカバーしているというわけなんですね。
ボーダーズが破綻し在庫一掃セールをやってまして、競合他社の売上に少なからぬ影響を及ぼすだろうと言われている中なので、挙げられているこの理由は興味を引きますね。
また電子書籍に対して投じている投資が実を結んでいるようだとアナリストがコメントしてまして、投資家サイドの評価も悪くない。
アメリカの書籍市場が大きく変わりつつあるのを実感します。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:48 PM |
August 26, 2011
[ターゲット] 2017年までに年商1,000億を目指す
ターゲットが投資家に語った中期計画によると、2017年までに年商1,000億ドルを目標としているそうです。
昨年度末の売上高が657億8,900万ドルなので成長率は52%、年率にすると毎年7%近い売上高成長を見込んでいることになりまして、かなり強気というか、明るい目標を持っていることになります。
リモデル店舗と自社クレジットカードによる5%リワードプログラムの好調を引き合いに出して、経済環境は予断を許さないがそれを乗り越えて成長できる、というような内容のコメントをCEOのグレッグ・スタインハフェルがしているのですが・・・
ほんとうに可能なんでしょうかね。
ただなにかと批判が多いウォルマートと比較して、ターゲットは好調なんだということは事実として分かると思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:13 PM |
August 24, 2011
[ロウズ] iPhone4万2,000台を導入
先週の決算発表時のCEOロバート・ニブロックによるコメントです。店頭在庫のチェック、ハウツービデオの紹介、ネット販売サイトの利用、といった目的ため、店員向けに4万2,000台を年末までに導入するそう。
例えばお客に商品の有無を聞かれたときにその場で確認し、なければ他店舗の在庫を探して確保する、またはネット販売へ誘導する。
また使い方が分からないという人にハウツービデオを見せる。
非常に優れたツールですよね。
先週はもう一つ、アーバンアウトフィッターズが同じく決算発表で、モバイルPOS導入店舗数を107店舗から全176店舗に導入すると言っています。
こちらはiPodのTouchを使っているようですね。
今のところノードストロムとJCペニーがiPadを使用したモバイルPOSを実験中、ホームデポはファーストフォンと呼ぶモトローラベースの携帯端末を今年の3月の時点で3万台導入しています。
店員にスマホ(またはタブレット)を持たせるという動きなのですが、確実に広がっていくのではないかと思ってます。
これにモバイルPOS機能をつけるのかどうか、例えばディスカウントストア業界ならホームデポやロウズに続くのはどこか、などなど、興味は尽きません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:35 PM |
August 19, 2011
[バーンズ&ノーブル] リバティメディアが2億400万ドルを出資
バーンズ&ノーブルがリバティメディアから買収提案を受けたのが5月のことでした。
リバティによる提案額は10億ドル、しかし資金調達と株式市場への懸念が大きくなって買収を断念、優先株による投資に切り替えたようです。
1株当たり17ドルで普通株式への転換が可能で、すべて転換すると全株式の16.6%にあたるそう。
またリバティは取締役2人の席を獲得しています。
この投資、リバティの興味は電子書籍リーダーのヌックにあるそうで、店舗とか書籍とか、一切指摘がない点がおもしろいです。
バーンズ&ノーブルも今回調達した資金をヌックへの投資に利用すると言っていまして、他は言及していません。
リバティはヌックを通じて何かを配信するようなことを考えているんでしょうかね。
現状の電子書籍を読むデバイスだと、リバティにどういうシナジーがあるのかよく分かりません。
これから何を仕掛けてくるのか楽しみなところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:28 PM |
August 15, 2011
[ターゲット] プレタマンジェがシティターゲット内に出店
ターゲットが開発する予定の小型フォーマット、シティターゲット内にプレタマンジェが出店することが発表されました。
シティターゲットの一号店は来年の7月にシカゴのダウンタウンにオープン予定で、ここにテナントとして入るようです。
英プレタマンジェはアメリカでの知名度はいまひとつで、調べてみたら33店舗しかないんですね。2000年の進出なので外食業界の成長度としてはかなり遅いほうです。
店舗はほとんどマンハッタンに集中しています。
プレタマンジェとしてはターゲットの知名度に乗っかって他都市に進出していけるメリットがありますね。
ターゲットとしてはおそらくプレタマンジェがもたらしてくれるかもしれないフレッシュなイメージの向上でしょう。食品を強化はしていますが、ターゲットのイメージの中にファッションはあっても総菜を中心としたフレッシュな食品の商品群はほとんど存在しませんからね。
結果が楽しみな取り組みじゃないでしょうか。
ただ一年先というのがどうもしっくりこない。
随分のんびりした新店開発だなと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:46 PM |
August 9, 2011
[ベストバイ] 自動販売機の展開を強化、250ヶ所へ
ベストバイは家電商品の自動販売機(アメリカではキオスクと呼ぶ)を150ヶ所展開しています。空港を中心とした人の交通量の多い場所に設置しているのですが、新たな設置場所を開拓して来年中に100ヶ所さらに増やす計画であることを明らかにしました。
資料では、空港、駅、カジノ、ハイウェイのレストエリア等に設定していて、現在はディズニー、大学のキャンパス、フェリーの駅などに新たに設置中と資料にあります。
名称はベストバイ・エクスプレス、販売している商品はPCアクセサリー、デジカメ、ストレージ器機、ヘッドフォンなどです。
これ、売れるのかどうかよく分からなかったんですが、拡大すると言うことは売れているんですね。
家電商品の購買行動とは通常はプランを立てて買う、いわゆる目的買いです。目の前に自動販売機があるからいきなり衝動買いするようなものではない。
それでもいきなり買うチュエーションってあるんだろうなということと、そのシチュエーションが起こる場所ならば売れるのでしょうね。
3年ほど前にこれを増やし始めたときは結構懐疑的に見ていたので、今回の拡大発表はけっこう意外でした。
ちなみに、これ、ベンダーがいると思います。
ただの憶測ですが、ベストバイはリスクをあまり取っていないような気がしています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:33 PM |
August 1, 2011
[ボーダーズ] ネット販売サイトを含む知的財産を競争入札へ
ボーダーズが知的財産をオークションにかけることを発表しました。
含まれるのは、会社名、ロゴ、トレードマーク、ネット販売サイト、顧客リスト、等々。
裁判所から8月10日に正式認可をもらい、実施するのは9月14日、数百万ドル程度の金額になるだろうとしています。
これら一連の清算プロセスを請け負っているのが以前も書いたヒルコとゴードンブラザーズで、このオークションも彼らが仕切っています。
11月13日までに在庫や什器など店頭のすべてを流動化するという契約なんだそうです。
ちなみにこのオークション、買う会社がネット販売を復活させるのかどうか興味津々ですね。サーキットシティやリネンズンシングスなど、一度破綻した会社名を他社がネットで復活させたケースはアメリカでは多いのですが、今回はカテゴリーが書籍ですから。
ボーダーズの知名度は非常に高いですから、復活する確率は低くないだろうとは思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:02 PM |
July 26, 2011
[ブックスアミリオン] ボーダーズ30店舗の買収を断念
すでに企業清算のプロセスを開始しているボーダーズに対してブックスアミリオンが30店舗の買収をオファーしていたのですが破談、この結果ボーダーズは全399店舗をクローズすることとなりました。
ブックスアミリオンは231店舗の書籍チェーンストアで、ボーダーズなきあと業界2位となった企業です。売上高は5億ドルですからアメリカの小売業界では小粒なのですが、この規模だからこそ生き残っていけるのかもしれませんね。
買収オファーを断ったのはヒルコとゴードンブラーズ、企業清算請け負い専門企業です。ブックスアミリオンはリースと在庫を合わせて買い取るオファーをしたようですが、単純に経済合理性で計算数値が合わなかったのでしょうね。
これから399店舗が一気に消えて無くなります。
アメリカの小売業界のこれがダイナミズムです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:55 PM |
July 19, 2011
[ボーダーズ] 売却成立せず清算へ
2月に破綻し裁判所の管理下にあったボーダーズですが、ホワイトナイトによる買収提案を債権者グループが嫌い、清算の道を選択することが決まったようです。木曜日に裁判所に対して決定を通知して認可をもらい、早いと金曜日には在庫処分のセールを開始するそうです。
投資企業が先週、2億1,500万ドルで買収提案をしたのですが、いまただちに清算し資産を流動化したほうが良いと債券グループが主張、この提案額をを超えるホワイトナイトが現れませんでした。
清算を請け負うのはいつものヒルコとゴードンブラザーズ、この二社の提案額の方が高かったということなんでしょうね。金額は明らかになっていません。
清算される店舗数は399店舗、1万700人が解雇されるとのこと。
雇用状況がなかなか改善しない中、このレイオフの影響は小さいものではないでしょう。
また書籍店舗が減ると言うことは、本好きな消費者にとっても頭が痛いところでしょう。アマゾンだけですべてが済むというわけじゃありませんし、かといって残っているリアルなチェーンストアのバーンズ&ノーブルだけでは選択肢が少なすぎる。
この企業清算、いろいろな影響をあちこちに与えそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:26 PM |
July 2, 2011
投資企業による買収2つ
出張中に投資企業による小売企業の買収が2つ決まりました。
1つ目はBJ'sホールセールクラブ、買収企業は小売企業の買収で知られたレオナルドグリーンとCVCキャピタル、買収総額は28億ドルです。
BJ'sには数ヶ月前から噂が流れていて、どこが買うのかという状況でした。東海岸に商圏を持つ企業で、コストコとサムズの二大企業に対抗して唯一生き残ってきたのですが、経済の悪化と、ミスマネジメントなどが重なって業績を落としていました。
非上場となって投資企業の力を借りながら再建をはかるということですね。
もう一つは破綻して裁判所の管理下にある書籍のボーダーズ、これも投資企業による買収に合意しています。総額は435万ドル、ただし合意はまだ最終決定ではなく提案されている総額を超えるオファーが他からあればこの合意はなしとなります。
また7月21日に裁判所で公聴会が開かれる予定で、裁判所が買収を認めなかった場合に備えてボーダーズは清算プランも提出しているそうです。
両社ともに時代の荒波にもまれて苦戦する企業の典型例という気がしますね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:31 PM |
June 24, 2011
[ステープルズ] 小型のプロトタイプを開発
ステープルズがプロトタイプを小型化することを明らかにしました。現行の18,000sqf(507坪)から15,500~16,000sqf(437~450坪)へ縮小します。
2000年のプロトタイプが24,000sqf(676坪)だそうなので、単純計算ですが10年間で25%減らしたことになります。
オフィス用品のディスカウンターは、オフィスデポ、オフィスマックスともに調子が良くありません。景気の悪化が直撃、オフィス用品の節約、失業者の増加でそもそも使う人が減ってしまった、ネット販売の成長、などなどで業績がふるいません。
それとやはり、ウォルマートやターゲットがきっちり売ってますからね。
競合は同業内だけではありません。
業績の良くない他の二社、オフィスデポとオフィスマックスは合併すべきだという主張がウォール街にあるのですが、間違っていないように思います。
三社ももはや必要ないというわけです。
10年以上前でしたか、ステープルズがオフィスデポを買収しようとしてFTCに差し止め食らったことがあるのですが、経済環境が変わりましたので、今回はたぶんスムーズにいくことでしょう。
アメリカは、大型化の時代は明らかに終わりましたね。
これからはしばらく小型店の開発が主流になりそうに感じてます。
<追記>
本日より某大手メーカーさんの研修で出張です。ボストン→トロント→ニューヨーク。ニュースのエントリーが減るかもしれませんがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:57 AM |
June 20, 2011
[ターゲット] ニューヨーク店舗で組合化投票が否決、高まる軋轢
ニューヨークのターゲットの店員が組合加入の投票を実施、137vs85で非加入が決まったというニュースがありました。
組合はUnited Food and Commercial Workers Union、ターゲットが不法に店員を脅したとして再投票を実施するよう当局に要求するとしています。
もちろんターゲットは否定。
組合問題はウォルマートが俎上に上がることが日本では多いと思うのですが、ターゲットも組合結成を許しておらず、けっこうあちこちで火花を散らしています。
ここ数ヶ月、食品労働組合の動きが活発でして、組合が補助してできた組織がウォルマート本社前でデモやったり、メイシーズではストライキ寸前までいったり、ロサンゼルスでも大手スーパーマーケット企業と組合の軋轢がかなり高まったりしています。
組合幹部がけっこういいサラリーを稼いでいるという話を聞いたときに、ああ組合もビジネスなんだなと理解し納得したことがあります。
なんでも組合員数が最盛期の120万人(1983)から70万人に減っているそうで、おそらく組合員を増やさないと組織が維持できないのでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:20 PM |
June 13, 2011
[ベストバイ] ヨーロッパでの出店プランを延期か
ヨーロッパのローカル紙が報じたようで、イギリスだけで80店舗を開店させるとしていたのですが、拡大を延期する模様。ベストバイはノーコメントです。
イギリスでの1号店のオープンは昨年4月のことなのですが、昨年末の時点で6店舗までしか増えていません。
明言はないのですが、うまく行っていないようですすね。
ホールフーズもイギリスに出ているのですが、あまりうまくいっていないと聞いています。
イギリスからはテスコがアメリカに出ていますが、まだ黒字化するには至っていません。
アメリカとイギリスは同じ英語圏なので我々からすると簡単なんじゃないかと思うのですが、実は文化が結構違うので、簡単ではないようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:49 PM |
May 26, 2011
[コストコ] 食品原価の上昇が荒利益を圧迫、インフレ懸念が浮上
コストコが第3四半期の業績を発表しました。売上高16%増、最終利益高6%増の増収増益なのですが、利益予測を下回り、原因として食品原価の高騰を挙げています。
会員数の増加が売上が押し上げたが、荒利益が圧迫されて利益が下がってしまった。
「食品の原料インフレは全体に影響を及ぼしている。しばらく続くだろう」(リチャード・ガランティCFO)
スターバックスが袋入りのコーヒーの価格を17%値上げすると発表しているのですが、これも原料の高騰が原因です。
ガソリン価格も上がってます。
一方失業率は大きく改善していない。
アメリカ経済に不安材料が急浮上してきましたね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:57 AM |
May 20, 2011
[バーンズ&ノーブル] リバティメディアから買収提案
バーンズ&ノーブルがリバティメディアから買収を提案されました。総額はおよそ10億ドル。
リバティメディアはケーブルTVビジネスからスタートして、現在はいろいろな企業の資本を所有する、いわゆるコングロマリットです。
主要な企業名を挙げると、QVC、エクスペディア、アトランタ・ブレーブス、シリウスXMラジオ、などなど。また傘下の投資企業を通してタイムワーナーに投資するなど、資本関係のある企業はかなりある模様です。
経営破綻して分割されてしまいそうなボーダーズと対照的ですね。
もし買収されると、株式市場にリアルな店舗を持つ書店チェーンがいなくなるんじゃないでしょうか。
ちなみにこのオファー、裏にいるのは創業者のリッジオなんでしょうねえ。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:22 PM |
May 18, 2011
[ボーダーズ] 複数の企業が買収で交渉開始か
破綻して裁判所の管理下にあるボーダーズですが、丸ごと買収するという企業が現れず、複数の企業と交渉を開始したという情報が紙面に載りました。
情報筋の話として、バーンズ&ノーブルが10店舗とネット販売の買収で交渉しているとのこと。また交渉している会社の中にはアマゾンもいるのではないかとみている人もいます。
バーンズ&ノーブルが10店舗だけにしか興味を持っていないことと、ネット販売を買いたがっているというのは、おもしろいですよね。それだけボーダーズの店舗ロケーションは魅力がないということだし、一方ネット販売だけは価値があるとみているわけです。
アマゾンによるボーダーズ買収は以前から噂されていることなのですが、そうなったらおもしろいな程度の話で信憑性は薄いです。
またサプライヤーがボーダーズを生かそうとしているそう。ここで実店舗が大量になくなると流通販路が減って売上に影響を被る、まだまだ実店舗で買いたい人はたくさんいるという理由です。
ボーダーズがこれからどうなるのかは、書籍店舗というビジネスがこれからどうなるのかを考える良い材料となりそうで、結果が楽しみです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:07 PM |
May 10, 2011
[ベストバイ] 電気自動車の販売を検討中
ベストバイが電気自動車の販売を検討しているそうですね。
複数の製造企業と話し合いの席を持っているが、良い方向に進んでいるとしています。
自動車の流通ってある意味完全に固定化しているのが現状だと思うのですが、家電小売企業が車を売り出すとなると、この流通ネットワークが揺らぐことになるのかもしれません。
「電気自動車を買いにベストバイに行ってくるよ!」
そんな時代が来るのかもしれません。
<追記>
今週いっぱい東京に出張中です。
エントリーができない日があるかもしれませんがご容赦ください。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:42 PM |
April 18, 2011
[ベストバイ] 4つの中期戦略を発表、主軸はネット販売
ベストバイが証券アナリストと機関投資家向けのカンファレンスを開催、今後の中期戦略を明らかにしました。
○ネット販売の拡大:目標は今後5年間で現在の20億ドルから40億ドルへ
○ベストバイモバイルの店舗増:今後5年間で600~800店舗とする
○中国のファイブスターへの投資強化:売上高を2倍の40億ドルとする
○店舗レベルでの生産性の向上:今後3~5年間で店舗面積を10%削減、7000~8000万ドルの節約を目指す
ネット販売の強化について、執行副社長の表現がおもしろいので引用します。
"There's new difinition of conbenience: the ability to interact with a company on your terms"
最初の一文は、コンビニエンスという考え方に新たな概念が存在するようになってきた、という意味です。
次の一文がおもしろい。
直訳すると、"それぞれの消費者の好きなやり方で企業と情報交換する能力"という意味ですが、つまりお客と企業の接点が一つではなくいろいろあって、それを消費者が好みによって選択することができ、これが新たなコンビニエンス性というものなのだ、ということを言おうとしているわけです。
スマートフォンのアプリを駆使して情報を収集したり、タブレットPCを使って買い物をしたりといった、アクセス手段の多様化が前提になっていると思います。
小売業界におけるコンビニエンス=利便性とは、今までは店舗へのアクセスの容易さや、小型フォーマットによる買いやすさというリアルなものに主眼が置かれて来ましたが、ここにネットというバーチャルな手段が含まれ始めているということを前提にして企業が戦略を組む時代というわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:28 PM |
March 7, 2011
[コストコ] ウェディングドレスの販売を開始
コストコがデザイナーブランドのウェディングドレスの販売を開始したというニュースが流れたのが先週のこと。
いちおうマークしたものの数あるニュースの一つとして埋没しかかっていたのですが、週末にコストコに行って売場を実際に見て、なるほどこれかと感心したのでエントリーしています。
デザイナー名はKirstie Kelly、よく知らないのですが有名なブランドのようです。
それと調べてみたところコストコは数年前からウェディングドレスを売っていたようなのですが、今回はデザイナーブランドと契約し、改めてプロモーションをかけプッシュしはじめたということのようです。
写真を見てわかるとおり、四方を囲み、中で試着できるようになっています。
専門の販売員が何人もいるのは、ウェディングドレスがコモディティのように置くだけで売れるものではないからですね。
成否はよく分かりません。
受け入れられるのかどうか、すごく興味がありますよね。
これを見て思ったことは、コストコのビジネスモデルをよく表現しているなあということ。ニーズであるコモディティを徹底的にディスカウント販売しつつ、ウォンツとしての高額品を上手に売ってしまうのがコストコです。
それと、トイレットペーパーは1セントでも惜しむが、一方でポンとドンペリを買ってしまうという、いわゆるトレーディングアップ的な消費パターンにマッチしたのがコストコと言うこともできる。
ここにウェディングドレスがうまくはまり込むのか。
ちなみに"アメリカ人は合理的だから"と簡単に済ませてしまう日本人が多そうですが、表層的な見方に過ぎません。
トレーディングアップ的な買い方は日本の方が表面化するのが早かったですからね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:58 PM |
March 3, 2011
ウォルマートとターゲットのバスケット価格調査
両社のバスケット価格の調査結果を業界誌が報じているのですが、プロモーション価格でターゲットの方が安く、定番価格ではほぼ同じという結果で、なかなかおもしろいので取り上げておきます。
・対象店舗はマサチューセッツ州北東部にある、8キロ離れている店舗
・対象は39アイテム(内訳は食品グローサリー13、非食品グローサリー12、HBC14)
結果は以下の通り。
・ターゲットのバスケット価格はウォルマートよりも2.8%安かった
・今回の調査は5回目で、ターゲットの方が安いのは3回目
・ただし、食品グローサリーはウォルマートの方が1%安く、非食品グロサーリーもウォルマートが3.4%安かった
・ターゲットはHBCが7.3%安く、これがトータル価格を押し下げた
・定番価格で比較すると、ターゲットの方が50セント安く、ほぼ同じだった。
(ただし局所の調査結果なので全米の傾向を表しているものではないという注釈付き)
まだ他にも結果があるのですがここでは省略。
EDLPプライスというものは、全商品のそれぞれの価格がすべて競合企業の下をくぐるものではないけれど、バスケットにすると安くなるというのが売りですよね。ただEDLP価格がいつも競合企業の販促価格を下回るというわけでもないので、こういうことはありえる。
ただ問題は、定番価格でターゲットに勝てていないという点にあります。ウォルマートの価格競争力が若干落ちていると理解する人が多そう。
ただしターゲットはこういう価格戦略を持っていまして、珍しいことでは決してないです。
ターゲットの価格戦略がどういうものなのかという点については、どこかかで私の記事を読むか、私のセミナーでも聞いてみて下さい。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:49 PM |
February 22, 2011
[ボーダーズ] 大手書籍チェーンストアの倒産
本日はウォルマートの決算発表日なのですが、情報が出揃う明日エントリーとするとして、今日は出張していて書くことのできなかったボーダーズの倒産ニュースをまとめておくこととします。
・資産総額12億8,000万ドルに対して負債の総額は12億9,000万ドル
・642店舗中の200店舗を閉鎖する
・5億500万ドルのDIPファイナンスを調達しており倒産中も通常通り営業する
結局のところ、不採算店舗を大量に抱えていて、しかしリース契約があって撤退できなかったことが資金繰りを悪化させた要因なのでしょうね。
サブリースでもすれば良かったんだろうけど、それもできない理由があったんでしょうか。
売上悪化の理由は競合の激化です。
図式は以下の通り。
書籍専門業態 vs 総合業態(ウォルマート、ターゲット、コストコ、サムズ)
リアル店舗 vs ネット販売
この環境で、市場の変化に乗れなかったことが敗因です。
これからどうなるのかについては予断を許しません。
債権者グループの考えによっては廃業もあり得るかもしれないと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:06 PM |
February 15, 2011
[コストコ] コカコーラを店頭から撤去
取引価格で軋轢が生じたようで、コストコが店頭からコカコーラを撤去したことが報じられています。
消費を刺激するためにもっと下げたい小売企業と、売価を維持したいメーカーの軋轢は、日本でもよくあることなのですが、コストコはけっこうこれを頻繁に発生させます。
頻繁に生じさせるだけではなく、メーカーが規定している販路以外から安く仕入れてきて提訴されたり、保守的な酒流通を変えるために州を相手取って訴訟を起こしたりと、裁判も辞さない企業です。
現CEOジム・シネガルの師匠だったソル・プライスは、常識はまず疑ってかかり壊すことを厭わない、シネガルの言葉を借りると偶像破壊主義者だったそう。
その薫陶を受けてますから。
おそらくコストコは、価格を下げるということについては手段を選ばない企業文化を持っているのだろうと思ってます。
今回のコカコーラの事例はまさにその象徴でしょう。
コカコーラと戦う小売企業は、アメリカではたぶんコストコだけじゃないでしょうかね。
ちなみにコカコーラとは、確か以前にも軋轢起こしていたような記憶がありまして、これが最初ではないと思います。
<追記>
本日より一週間ほど研修のコーディネートが入るため、エントリーが不規則になりますが、ご容赦の程お願い申し上げます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:43 AM |
February 14, 2011
[ターゲット] 廃棄物の不法投棄で2,250万ドルの罰金
ターゲットがカリフォルニア州から訴えられていた廃棄物の不当投棄で和解し、2,250万ドルをペナルティとして支払うことに先週合意しました。
和解金は支払うが自己の過ちは公的には認めないという条件です。
不当廃棄の内容は、複数の店舗で、ブリーチ、ペンキ、農薬、乾電池、管球、処方薬を含むその他の危険物を、決められた基準通りに処理していなかったとなっています。
下水に流したり、普通のゴミと一緒に捨てたり、といったことをしていて、その理由は廃棄コストの節約にあったと説明されてます。
昨年の5月にこういうニュースをエントリーしています。
[ウォルマート] 廃棄物の不法投棄で和解、2,760万ドルの支払いへ
これを読むと、ウォルマートに対する調査がターゲットにも波及したというような印象があります。
財政危機のカリフォルニアは、こういう重箱の隅をつつくような行政指導をせざるをえないのだと見るのは皮相的過ぎますかね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:28 PM |
February 10, 2011
[ベストバイ] EDLPへ価格政策を転換か
ベストバイが価格政策をEDLPへ転換することを検討していることが分かりました。ブルームバーグ誌が本社役員への取材記事とて報じています。
なぜかというと、いまやスマートフォンでいくらでも店頭で価格比較できる時代で、プライシングの透明性というものもがますます重要になってくるから、と説明している。
大手メーカーと協議中と書いてあるので、メーカーにも要請しているようです。つまり取引条件から取り組んでおり、単に店頭価格をどうこうするだけというわけではないという点で、よくある表面的なEDLPとは違うようです。
価格販促が常態化していて、たぶんもっともハイローが激しい業界が家電じゃないでしょうか。
そういう意味で、このベストバイの動きは極めて画期的と言うことができます。
まあ、FSPやってますし、100%EDLPにすることは不可能だと思うので、一部をEDLPにする、または逆に一部をハイローするだけにする、と言うことになるんでしょうねえ。
店頭での価格ネゴが可能という、前近代的な価格政策を引きずっている日本の家電リテールと、ベストバイはやはり根本的に違うかなと。業態論という本質的なところから違うんじゃないか、とまで考えてしまいます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:14 PM |
January 28, 2011
[ウォルマート] 今年のカナダへの設備投資は5億ドル
昨日のWSJ誌がウォルマートのカナダでの新店予定や他企業の計画をひいて、アメリカの小売企業がカナダを強化しているという記事を掲載していました。
ウォルマートの今年度の予定設備投資額は5億ドルで、スーパーセンターの新店数は40店舗、ただしそのうちの32店舗は既存店の改装かリロケーションとなる。
タンガー・ファクトリーアウトレットが今後5~7年間で10億ドルを投じてアウトレットを15ヶ所建設する。
また先日エントリーしたターゲットの進出や、その他、TJマックスやJクルーもカナダ進出を検討している。
とったことから、米国小売企業にとってカナダはいま熱い、という論旨を展開していました。
ただ、ウォルマートは昨年もスーパーセンターを40店舗開店させていますし(同じくほとんどが改装かリロケーション)、米国企業が急にカナダに興味を持ち始めたと言うわけでもありません。
多くの米国小売企業がすでにカナダで店舗を展開していますしね。
カナダの国民一人当たりショッピングセンターの面積はアメリカの3分の2程度に過ぎなくて、ポテンシャルは大きい。土地コストも安いし、なんといってもアメリカや日本のような経済が悪化していなくて比較的安定している。
でも人口密度が希薄で、総人口も少ないですし、美味しいばかりというわけでもないんです。
実はアメリカの小売業界にどっぷり浸かっている私のような人間からすると、カナダは実におもしろい。店舗環境が、微妙に違い、微妙に似ている。この差異が新鮮なんですね。
一度行かれることをお勧めします。
私も今年は何回か行くことになりそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:44 AM |
January 27, 2011
[ロウズ] 1,700人の中間管理層をレイオフ
ロウズが1,700人のレイオフを発表しました。
店舗の組織構造を見直し、中間管理層を減らすため、としています。
また週末にパートタイマーの雇用を増やすとも書いてあり、これはおそらくピーク時もフルタイマーでまかなっていたものをパートタイマーで補うことを目的としているのでしょう。
アメリカの住宅環境はいまだ回復の二文字からほど遠く、ホームセンターはそのあおりをまともに受けて業績もなかなか良くなりません。
この状況に対処するためにロウズはいま経費構造の見直しを実施していまして、その一貫としてこのレイオフが実施されたというわけです。
こういう組織変更とレイオフは、アメリカの小売業界では今や日常茶飯事なので珍しいことではありません。幸か不幸か人材の横のフローが硬直化している日本のレイバー環境と比較すると対照的だなといつも思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:24 PM |
January 10, 2011
[ファイブビロウ] シカゴへ進出、中西部進出の足がかりへ
ファイブビロウがシカゴへ進出します。1店舗目のオープンは今春で、その後20店舗まで増やして市場の受け入れ状況をモニターする。今後3~5年で60店舗体制に持って行くことが目標だそうです。
ついでに今年の出店予定は60店舗です。
この企業については一昨年にエントリーしてます。
成長に拍車がかかった新フォーマット
この企業、成長し始めたばかりの非上場企業で情報があまりないのですが、サイト情報では店舗数は140店舗以上となっていて、2年で約40店舗が増えてます。今年は60店舗ですから、少しずつ新規出店数が増えているんじゃないでしょうかね。
非常にユニークなフォーマットでして、あまり知られてませんが私は注目しています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:43 PM |
January 6, 2011
[BJ'sホールセールクラブ] 5店舗の閉鎖と500人の解雇
BJ'sは東海岸に展開しているホールセールクラブで、コストコ、サムズに次いで業界3位に位置する企業です。
まあ、MWC業態にはこの3社しかいないんですけどね。
この企業、久しく業績が良くないのですが、投資企業が買収に興味を持っていると言われていて、今回の店舗閉鎖と解雇も売却に備えてのことではないかと云うのがもっぱらの見方です。
ちなみに経営幹部も二人辞めて、マネジメント層も入れ替わりました。
同じような動きがスーパーバリュにもあります。
東海岸のショーズ5店舗と、南カリフォルニアのアルバートソンズ4店舗の売却。
こちらはショーズを売却したいようなのですが、相手が見つからないという悩みがあるようで、負債採算店舗を整理することで売りやすくしようとしているのではないかという見方ができます。
この二社、とくに前者は近いうちに大きな動きがあるんじゃないかと思います。
今日は大手小売企業各社の12月の決算が出ました。
数値を整理して明日エントリーします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:20 PM |
January 4, 2011
[ボーダーズ] 取引先への支払い遅延と上級幹部2人の辞任
年末の31日、書籍チェーン2位のボーダーズが一部の取引先への支払いを遅延したことが報道されました。同日に株価は20%下落、4日現在は84セントでして、ほぼ死に体の株価となっています。
今日は法務責任者(general counsel)とCIOが辞任。
現在資金繰りに苦闘しているようで、週内にサプライヤーグループと話し合うようです。
同社が12月に発表した4半期決算では、赤字が二倍の7440万ドルに膨れあがり、既存店も12.6%ダウンで、業績はかなり痛んできています。
さて、どうなるんでしょうね。
以前書いたかも知れませんが、大株主は投資家のビル・アックマン、同じぐらいのシェアをビリオネアが一人で持っていて、この二人がカギを握っているようです。
いちど倒産して負債を整理して、バーンズ&ノーブルにくっつけてしまう。
またはアマゾンに買ってもらう。
または、サーキットシティのように精算してしまう。
倒産し、整理し、復活して自ら再建するというストーリーはないような気がしてます。
ちなみに上記二人の辞任ですが、理由として書いてある英語表現が面白い。
「the departures were part of its previously disclosed efforts to improve liquidity.」
"すでに開示済みの流動性を改善するため努力の一貫だ"
まあ要するに経費削減のためなんですが、"流動性改善のため"という表現は日本語ではなかなか出てきませんよね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:46 PM |
November 15, 2010
[バーンズ&ノーブル] 玩具売場の実験を開始
バーンズ&ノーブルが玩具売場の実験を始めました。
同社は店舗面積が大きめの店の書籍売り場の一部にCDやDVDを売るミュージック売場を設置していたのですが、これをやめて、子供用の玩具売場にする試みです。
売場はただ玩具を揃えるだけではなく、電子ブックのヌックを用意したテーブルやレゴなどのブロックを使って遊べるエリアを作り、子供が商品に触れることのできる機会を提供するそう。
実験店舗数は5店舗です。
ミュージックCDも、書籍も、これからデジタル化が進んでいくわけで、とくに前者の方の進行が早く、あの売場をどうするのだろうと思っていました。これを玩具売場にするというのは、とりあえずの実験としては正しいのでしょうね。
が、インパクトはちょっと薄いかな。
起爆剤にはならないように感じます。
とりあえず、バーンズ&ノーブルがようやく店舗の改変に手を付け始めた、という点は評価できるでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:55 PM |
November 8, 2010
歳末玩具バトルの行方
本日のWSJ誌が、ウォルマート、ターゲット、トイザラス、アマゾンの玩具バトルについての記事を掲載していました。
要約すると、ハロウィーンが終わって歳末商戦の前哨戦が始まり各社玩具の値下げを始めたのだが、ウォルマートの価格が総体として他者を圧倒するような安さを実現していない、という内容です。
ターゲットは昨年の歳末商戦が今ひとつだったため、その反省から今年は早い時期から大幅な値下げをしているのですが、一方のウォルマートは今年初頭の大きな値下げプロモーションの失敗から少々慎重になっているような印象があります。
ウォルマートのロールバックの期間は3ヶ月間なので、本当は10月初頭には値下げを始めなければならず、実際のところ例年10月から値下げが始まっていたんですね。ところが先月の視察研修であちこちのウォルマートを見て回ったのですが、ロールバックのPOPを玩具売場でほとんど見ることができなかった。
記事の内容と店頭の印象はほぼシンクしてます。
歳末商戦はどの企業にとっても極めて重要で、とりわけウォルマートはここで負けるということを許さず、過去は猛烈な戦いを仕掛けています。
これが今年どうなるのか、巻き返すのかどうか、とても興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:22 PM |
November 2, 2010
[ベストバイ] マグノリア・デザイン・センターを拡大、4ヶ所をオープン
ベストバイが店舗内店舗として展開しているマグノリアのバージョンアップ版を拡大しました。
まずマグノリアについてはこちらをご参照ください。
ベストバイ、マグノリアを拡大
マグノリアは10年前に買収したローカルチェーンで買収当時は13店舗でしたがいまは6店舗、知名度を利用して店舗内店舗として拡大していまは383店舗の中にマグノリアという名称の売場が383ヶ所あります。
マグノリアという売場を理解するカギは、単純に単品を販売するビジネスモデルから、トータルコーディネートされた使い方を提案して複数の商品とサービスを販売するモデルへの転換にあります。
まあ、かっこいい言葉を使うとソリューションということになるんでしょう。
つまらない価格競争からの脱却を目指しています。
このマグノリアのバージョンアップ版をマグノリア・デザイン・センターという名称で2店舗すでに実験していて、今回拡大して4店舗を追加することとなりました。
高級ブランドのショールーム形式である点には変わりないのですが、プレミアムブランドを揃えていること、もともとはリビングルームのホームシアターコンセプトだったものを、ベッドルームやアウトドアでの家電の使い方の提案など範囲を拡大しているようです。
ベストバイと日本の家電チェーンは、とにかくいろんな意味で異なる道を歩んでいるなと、こういうニュースに接するたびに感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:55 PM |
September 28, 2010
[バーンズ&ノーブル] 委任状争奪戦に決着
創業経営者レオナルド・リッジオと、投資家ロン・バークルの間で争われていた委任状ですが、本日株主総会が開催されてリッジオ側(つまり会社側)が議決権行使の委任を受けたことが分かりました。
情報によると、リッジオ側が44%、バークル側が39%で、けっこう接戦だった模様。
これでポイゾンピルが維持されることになるので、バークルは20%を超えて株式を買い増すことが難しくなりました。
ちなみに現在のバークルの持ち株比率は18.8%だそうです。
この結果、今後はリッジオが以前コメントしていたバイアウトへ進む可能性が高くなってきました。たぶん投資グループを組んで、ここにリッジオが参加して、資本を買い取るということになるのでしょう。
実は私はバークルがバーンズ&ノーブルの株を買い始めたときに、おもしろそうなのでわずかながら尻馬に乗って株を買ってまして、この二週間ぐらい、バーンズ&ノーブル側と、バークルの投資企業ユカイパ側と、双方から株主としての私に連日手紙が届き、電話攻勢までかけれられて、委任状争奪戦とうものを目の当たりにしてました。
書面の内容もけっこう激しくて、第三者として野次馬的におもしろかった。
個人的には、バーンズ&ノーブルはこの10年ぐらい経営を完全に誤ってきてまして、つまりすべてにおいてアマゾンの後塵を拝していて、そろそろリッジオは退くべきだと思ってるんですね。
でないと、バーンズ&ノーブルは相変わらず古いリッジオの経営スタイルの影響を受け続けて、変わることができなくなってしまうような気がする。
ですからバークル側に委任してました。
次の興味はバークルがどう動くかです。
株価は落ちていて売りづらい。このまま大株主としてしばらく残って文句を言い続けるのか。リッジオによるバイアウトで高値がつけば、それで出口、ということになるのかもしれませんね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:36 PM |
September 22, 2010
[トイザラス] FAOシュワルツのポップアップもオープン
先日、トイザラスが歳末だけ営業する短期間の臨時店舗(ポップアップストア)を今年は600店舗オープンさせるとエントリーしましたが、加えてFAOシュワルツ10店舗もオープンさせるそうです。
バージニアのタイソン・ギャラリアにすでに1店舗オープンさせていて、これからオープンさせる予定のショッピングセンターのリストを見ると、プレミアム型のセンターに投入するようですね。
年末まであと3ヶ月ちょっと、もうすでに歳末商戦がスタートしました。
<追記>
現在、毎日店舗を見て回っていて、ブログに時間があてられない状況です。おとといはウィンコの副店長に店内を案内してもらい、今日はフレッシュ&イージーの店長と会ってきます。
明日あたりからまた定期的なエントリーサイクルに戻れると思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:25 AM |
September 17, 2010
[ターゲット] Pフレッシュをさらに拡大
ターゲットが証券会社のカンファレンスでスピーチ、生鮮を導入したプロトタイプのPフレッシュをさらに増やす予定であることを明らかにしました。
今年の末までに450店舗となって、来年中に400店舗以上に導入する。つまり来年中に850店舗を越えるというわけです。
売上が伸び、荒利も現状維持かまたは改善される場合もある。
今年の下半期に既存店の売上高増に少なくとも1%は貢献し、来年は1%以上の貢献を期待している。
ということです。
このPフレッシュ、売場を見る限り魅力があるとは思えないんですけどね。
それがどうして良いのか私なりの仮説はあるのですが、検証しているわけではないのでここではおきます。
<追記>
来週一週間、研修のコーディネートで出張となります。
更新頻度が減ると思いますがご容赦下さい。
できれば店舗視察の様子などを載せられればいいなと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:17 PM |
September 13, 2010
[ベストバイ] キンドルの販売を開始
ベストバイがキンドルの販売を開始するそう。これで、バーンズ&ノーブルのヌックと、ソニーのリーダーと、現在アメリカで販売されている3種類すべてを取り扱う唯一の小売企業となります。
3つを比較できるようにまとめて陳列する売場を作るそうです。
ベストバイにとってのヌックは数ある電子書籍リーダーの一つに過ぎず、多の商品を並べて店頭で競合させるというわけなんですね。
バーンズ&ノーブルはベストバイ、アマゾンはターゲットとステープルズ、という流通競合の図式が存在するのかと思っていました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:14 PM |
September 9, 2010
[トイザラス] 今年のポップアップストアは600店舗
昨年末、トイザラスが年末だけ営業する臨時店舗をオープンさせました。
こちらがそのときのエントリー。
[トイザラス] 年末年始のみ営業するポップアップストアを開発
私の記事では80ヶ所となっていますが、実際は90ヶ所だったようです。
これを今年は600ヶ所まで増やすと言うことを今朝のWSJ紙が報じています。
一昨年の年末、第4四半期末の既存店成長率が3.4%減だったのに対して、昨年末が3.3%プラスで、数字が物語っているというわけです。
このポップアップストア自身が既存店の数値に影響を及ぼすと言うことはないのですが、シナジー効果があるということなんでしょうね。
モール側としては短期間であっても空きスペースを埋めることができるし、小売側としては新しいコンセプトを実験できるというわけで、双方ハッピー、そのためポップアップストアをトライする企業が増えていると記事は説明しています。
まあ、増えていると言っても、頻繁に利用している大手はターゲットぐらいなもので、あとは中小の新興小売企業だと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:43 PM | | トラックバック (1)
August 31, 2010
[ステープルズ] キンドルの店頭販売を開始
オフィス専門ディスカウントストアのステープルズがこの秋からキンドルの販売を開始します。
店舗数は1550店舗強、取り扱いSKUは3つ。
これでアマゾンは、ターゲット1,743店舗と合わせて3,000以上のリアル店舗でキンドルを販売することになるわけです。
バーンズ&ノーブルのヌックは自店とベストバイですので、1,357+923=2,280店舗。
アマゾンに抜かれました。
ステープルズの強みはバーンズ&ノーブルやベストバイよりも小型で商圏が小さいところにありますね。ただオフィス用品というフォーマットで電子ブックリーダーが売れるのかどうか。
両社の販売チャネル競争が激しくなってきました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:07 PM |
August 30, 2010
ウェルネスの定義とは?
今日はちょっと視点を変えてみます。
ウェルネスとな何なのか、という質問に対するシンクタンクによる調査結果を広告業界誌掲載していました。
病気ではない:67%
ストレスとつきあえる:67%
肉体的に調子がよい:73%
自分自身について気分良く感じる:74%
ウェルネスは、辞書で調べると"健康(であること)"となっていまして、ヘルスの"健康"と変わりがない。
でも英語の語感としては、両者は微妙に違うんですね。
だから、両方を並べる"ヘルス&ウェルネス"という表現が存在する。
でもどう違うのか。
調査結果を見る限り、どうもアメリカ人もはっきりとは定義付けできていないような気がするんですが、たぶんウェルネスは精神面や見た目とか、総合的に健康な状態を意味するんじゃないかなと思ってます。
上記の調査を見ても、調子がよいとか、気分がいいとか、そんな表現が出てきますし。
一方のヘルスはもっと医療に偏った言葉ですね。
なぜここで取り上げたのかというと、このヘルス&ウェルネスはヘルスケアに変わる言葉としてこれから注視した方がよいと思っているからです。
何かと使用する米小売企業が増えてきているんですね。
ウォルマートはヘルスケアという部門名をやめてヘルス&ウェルネスにしてしまいました。
興味のある方は注目してみると良いと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:44 PM |
August 26, 2010
[ベストバイ] チーフ・デザイン・オフィサーというタイトル
ベストバイが、上級副社長兼チーフ・デザイン・オフィサーにオーラ・オスラパスという女性を任命したというリリースがありました。別にどうということもない人事かもしれませんが、ふとおもしろいなと思ったのは、この職位の機能です。
ベストバイの、デザインおよびブランド・アイデンティティと担当する部署を率いる、となっている。
これはおそらくマーケティング分野なのですが、この人の過去のキャリアが商品デザインなので、プライベートブランドのデザイン担当なのだろうと思います。
加えてサービスも含まれているようで、つまり自社が提供する商品やサービスなどを包括的にデザインしブランディングする機能ということになります。
こんな部署持っている日本の家電のチェーンストアを寡聞にして聞かない。
GMSあたりにもあっておかしくない部門でしょう。
価格競争という泥沼から抜け出すには、こういうことをやらないとダメなんですけどね。
少なくとも店頭でお客の値下げ交渉を個別に受けている限りは、無理でしょうけど。
ベストバイは日本の小売企業とは別の世界にいるような気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:40 PM |
August 25, 2010
[コストコ] モールの核店舗としての出店
コストコがショッピングモールの核店舗として出店するプランを持っていることを、今朝のWSJ紙が報じています。3ヶ所が決まっていて、そのうちの2つがデパートメントストアが抜けたあと、もう1ヶ所についての記載はありません。
会長のジェフ・ブロットマンへのインタビューで出てきたプランのようなのですが、「モールに出るということはあまりしたくないのだが、首都圏では出店できるスペースに限りがあって、これからもモール出店による進出は続けたい」とコメントしているので、これからもこういうパターンが増えそうです。
デパートメントストアの集客力が落ちて、そして昔のレベルにまで回復することが今の段階ではしばらくはありえないという状況で、モールを所有する側にとっては何か別の手を打たなければならない。
そうすると選択肢として、ウォルマートやターゲットといったディスカウントストアが候補として上がってくるわけです。
大量買いのコストコはモール向きじゃないんですが、それでも誘致したいモールがあるということですね。
デパートメントストアという業態がモールの核店舗として存在するというモデルそのものが、陳腐化しはじめちゃってるんでしょうね。
最初からターゲットやベストバイといったディスカウントストアが入っているモールが増えてきてますから。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:05 PM |
August 24, 2010
[バーンズ&ノーブル] 第1四半期に6,252万ドルの赤字を計上
バーンズ&ノーブルが第1四半期に赤字を計上しました。売上高は21%増の13億9657万ドルだったものの、最終利益は6252万ドルの赤字、既存店成長率は0.9%減でした。
赤字決算そのものは想定通りだったようですね。
デジタルビジネスへの1億4000万ドルの投資をコミットしているからです。将来への布石を最優先している。
ただおもしろいのは、想定外の訴訟費用950万ドルが赤字幅を大きくしたと書いてある点です。
何回かエントリーしていますがこれはロン・バークルが起こした訴訟に対抗するためにかかった費用なんですね。赤字を膨らませるのも厭わず、抗戦するために異常なほどの訴訟費用を投じているわけで、リッジオの気分みたいなものを感じ取ることができるんじゃないでしょうか。
既存店はマイナス、デジタルビジネスへの投資が店舗にシナジー効果を与えるのはいつになるんでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:20 PM |
August 17, 2010
[ベストバイ] ロケーションベースサービスの実験を開始
ロケーションベースサービスとは、GPSなどから得られる位置情報を利用した携帯端末によるサービスのことです。
これを利用したソーシャルサービスで有名なのがfoursquare、iPhoneのアプリで使うことができます。
アンドロイドにもアプリあるのかな。
ベストバイはこれを利用してプロモーションプログラムを開始すると数ヶ月前に言っていたのですが、とうとう始めました。
今日の段階で187店舗、10月1日までに70店舗追加して257店舗に水平展開するそうです。
システムはというと、店頭でアプリを起動するとすぐに認識されてキックバックと呼ぶポイントが加算される。これを溜めて後日値引きか商品券に変えることができる。
また特定商品に対する値引や、商品のバーコードを端末でスキャンすると特典がつくといったプロモーションがあって、レジでは自分の電話番号を伝えることで値引き精算が完了する仕組みだそうです。
特徴はGPSを使っていないことでしょうね。
精度の問題のようです。
それとアプリを起動するとすぐに認識する点、foursquareは一度チェックインする必要があります。
各店舗にシグナルを発信するデバイスを設置しているようです。
まだ実験段階ですが、もし使えるということになったら、おそらくFSPにもつなげていくんでしょうね。
アプリはiPhoneではすでに公開済み、アンドロイドはまもなく公開するそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:20 PM |
August 13, 2010
[バーンズ&ノーブル] ユカイパとの和解案が不調に終わる
昨日バーンズ&ノーブルとロン・バークルが協議し和解で合意した模様という記事をWSJ紙が掲載したのですが、先走ってしまったようで、結局合意に至らなかったようです。
バーンズ&ノーブルが不調に終わったという短いリリースを出し、各メディアが一斉に報じています。
何回かエントリーしていますが、ロン・バークルは創業者レオナルド・リッジオに次ぐバーンズ&ノーブルの大株主で、株をさらに買いたい意向があるんですが、リッジオがポイズンピルを設置してこれを阻み、バークルが取締役会を糾弾して訴訟を起こした、というストーリーです。
和解案は、取締役の席を3つ増やしてバークルが選ぶ、その代わりに委任状争奪戦はせず、訴訟も取り下げる、現在の取締役を今年と来年の二年にわたって選任する、というものだったようです。
和解が不調に終わったことで、バークルはすでに委任状争奪戦の準備を始めたという情報もあるよう。
とすると、リッジオがバイアウトするという線も色濃くなってきます。
バーンズ&ノーブルは電子書籍をめぐる市場の争いだけではなく、資本をめぐる争いも徐々にヒートアップしてきました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:32 PM |
August 12, 2010
[アマゾン] バーンズ&ノーブルがバイアウトされるとしたら・・・
とある証券関連のサイトがアナリスト対象にアンケートを実施、バーンズ&ノーブルがバイアウトされるとしてどの企業が一番ふさわしいかという問いかけに、最も多い回答がアマゾンだったそうです。
電子書籍バトルに終止符を打ち、リアル店舗を手に入れることでネットとのシナジー効果を上げる可能性が広がる、というわけです。
実を言うと年商ベースでは、アマゾンはバーンズ&ノーブルの4倍近い売上でして、企業規模から言うとあり得るんですね。
まあ、バーンズ&ノーブル創業者のリッジオがそれを許容するとは少々思えないのと、アマゾンがリアルに進出するというのはリスクも多く、現実味はかなり低いんですが。
ただ証券アナリストの多くがそう考えているんだという話は興味深いところがあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:35 PM |
August 10, 2010
[サムズクラブ] 無料の無線LANサービスを全店舗で提供
ウォルマート傘下のメンバーシップホールセールクラブ、サムズクラブが無料の無線LANを店内で提供するサービスを11月までに実施すると発表しました。
いわゆる、ホットスポットですね。
ただ、サムズ会員限定の可能性があります。手元の資料では、完全オープンにするのかどうかは不明です。
目的は、ネット接続可能なテレビなどインターネットにつなげるデバイスを売りやすくすること、お客が価格を含む商品情報を検索しやすい環境を作りサービス向上につなげるため、などです。
またスマートフォン用のアプリケーションを投入、ゆくゆくはPOSスキャン機能を追加して、消費者が買いたい商品をスキャンして買い物リストを作れるようにしたいとしています。
私の知っている限り店舗で無料のホットスポットを提供しているのは、アップル、ベストバイ、バーンズ&ノーブル、一部のスーパーマーケット、外食ではスターバックス、マクドナルド、パネラブレッド、などなどです。
3G回線でアクセスできますから絶対に必要なものではないですが、でもスピードが速いですから無線LAN環境があるにこしたことはないですよね。
これからは、商品の価格比較やレーティングを参照するために店頭でネットにアクセする人や、ウェッブコミュニティやロケーションシェアサービスを使う人がどんどん増えることでしょう。
他社と価格比較してもらっては困る、という時代じゃもうない。
ホットスポット化するリテーラーは増えていくと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:15 PM |
August 4, 2010
[バーンズ&ノーブル] 資本売却の可能性を示唆
バーンズ&ノーブルが資本売却の可能性に言及しました。現在取締役会が複数の選択肢について検討中で、その中の一つに、創業者のレオナルド・リッジオを含む金融グループへの売却が含まれているとしています。
同社の株価は業績の悪化に比例して6月以来落ちていて、資本売却の理由は株主への価値を上げるためということになるのですが、ここでいきなりというのは、理由として今ひとつです。
あくまでも表向きの理由で、本当の理由は創業者のリッジオが会社を支配下においておきたいということなんだろうと考えています。
バイアウト企業が急接近、その意図は?
ここでエントリーしましたが、ロン・バークルが18%の株を買って、30%を所有するリッジオに次ぐ大株主になったのが昨年のことで、その後バークルが取締役の席を要求、リッジオがポイゾンピルを導入し、両者がバトルモードに入っているんですね。
確かバークルは訴訟を起こしていると思います。
バークルが何をしたいのかは分からない。
業界2位のボーダーズとくっつけることを考えているんじゃないかと思うんですが、この点についてバークルは当然のことながら語っていません。
ちなみにボーダーズの大株主はあのアックマンです。
ついでながら、日本のメディアは「バーンズ・アンド・ノーブルが身売り検討、電子書籍市場で苦戦」(ロイターズ)なんて言う書き方をしてるんですが、「身売り」ってのは変な表現ですよね。
上場して市場に出回っている株式を一つの機関が買いまとめるだけのことで、正確な表現は資本売却、でもほんとうは売却という表現もしっくり来ませんよね。資本という観点から見た場合、資本の所有者(つまり株主)が変わるだけですから。バイアウト、と英語表現するのが一番なんじゃないかな。
しかもこういう書き方をすると、売却を検討する理由が市場での苦戦のみと取られてしまう。英語のメディアの文章をよく読めば分かりますが、業績の悪化も書きつつ、リッジオとバークルの確執も書いて、バランスをちゃんと取ってる。
たぶん英語メディアが「up for sale」と表現しているのでそのまま身売りとしてるんでしょうけど、確かに業績は悪化してますが「身売り」と表現するほど悪いわけではありませんよね。
浅はかな記事だなと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:37 PM |
August 2, 2010
[バーンズ&ノーブル] 店内でヌックを拡販
バーンズ&ノーブルが電子書籍リーダーのヌックを店内で拡販します。すでに入り口近辺に売場を作っていたのですが、コーヒーショップのそばに移し、売場面積も30坪程度に拡大し、コーヒーを飲みながら試してみる、という環境を作ってプロモーションする戦略を開始するそうです。
アマゾンはターゲットでキンドルを販売しているのですが、バーンズ&ノーブルはベストバイで販売しており、加えて自店での販売を強化し、市場シェア拡大を目指すというわけです。
前回、キンドルの廉価版(139ドル)についてエントリーしましたが、ヌックも149ドルを出してまして、両社角突き合って競合しているんですね。
資料によると、キンドルは200万台強を売っているのに対して、ヌックは60万台強で、大きく水をあけられています。理由の一つは参入が遅かったこと、キンドルが2007年10月発売だったのに対してヌックは昨年の10月でした。
バーンズ&ノーブルとしてはこの差をどうしても埋めたい。
そのために、リアルな店舗網というアマゾンにはないアドバンテージを活用する必要があるというわけで、これが今回の拡販戦略につながった。
店舗をいかに生かすか、これがバーンズ&ノーブルの電子ブックリーダー戦略のカギというわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:51 PM |
July 12, 2010
[ボーダーズ] 電子書籍市場に遅すぎる参入
ボーダーズが電子書籍の販売に参入することを明らかにしました。同社はバーンズ&ノーブルに次ぐ書籍チェーン2位に位置する企業ですが、いままで電子書籍の販売はしてきませんでした。
投資をしているカナダのKoboという会社から技術提供を受けての販売開始です。
アマゾン、バーンズ&ノーブル、アップルのようにデバイス(ブックリーダー)は投入しません。
ネットで見る限り、iPhoneやiPad用のアプリで対応するようです。
この参入、遅すぎたんじゃないでしょうか。
「この市場はいままさに始まったばかりで、遅いと言うことはない」と同社は説明しているんですけどね。
昨年度の同社の決算は減収で赤字、赤字は3年連続、ボーダーズは競合に苦戦している会社です。いまこの時点で参入して、果たして利益に貢献できるようなビジネスに成長させることができるのかどうか。
バーンズ&ノーブルは来年、デジタルイニシアチブに1億4,000万ドルの投資を決めてます。
差は開く一方という気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:38 PM |
July 9, 2010
[バーンズ&ノーブル] デジタルイニシアチブへの投資額は1億4,000万ドル
2011年度のデジタルイニシアチブへの予定投資額です。日本円に換算するとおよそ140億円となります。
ゴールについての記載があるのですが、分かりやすい。
「ネット店舗の電子書籍数を最大化するために、リアル店舗、ネット、モバイルといった環境を通して、複数のプラットフォーム上に、すべてのフォームで供給することにある」。
ここで言う複数のプラットフォームとは、同社のヌックと、アップルのiPhoneやiPadを指していると思います。
またすべてのフォームとは、おそらくファイル形式のことを言っているのでしょう。
つまりあらゆる経路で、あらゆるデバイスへ、自社が取り扱っているコンテンツを提供したい、ということです。
書籍の電子化の波がどんどん高まってきているのを感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:45 PM |
July 1, 2010
[ステープルズ] ブランドマーケティング部門を新設
文具ディスカウントストアのステープルズが、グローバル・ブランド・マーケティングという部門を新設し、責任者としてスティーブン・ファンドという人を雇いました。ジレットで同じ名称の部門のディレクターだった人です。
グローバルベースでのブランドマーケティングを実施する部門ですね。
さて今日このニュースを取り上げたのは、アメリカの小売企業は店舗運営と商品に並んでマーケティングを重視しているということと、このマーケティング部門はおおむねメーカーでブランディングしていた人がマネッジすること多いということを指摘しておきたいからです。
マーケティング重視政策は、例えばウォルマートは店舗運営、商品、マーケティングを3つの主軸としてますし、セイフウェイにいたっては執行副社長3人の顔ぶれが、マーケティング、店舗運営、財務(CFO)で、商品部長が入っていないぐらいです。
それと私の知る限りにおいては、セイフウェイ、スーパーバリュ、ウォルマートのマーケティング部門の責任者がメーカー出身です。たぶんほとんどの企業のマーケティング担当はメーカー出身じゃないでしょうか。
日本の小売企業は店舗をブランディングし管理するという発想に乏しいのですが、マーケティングはメーカーのものでリテールには関係ないと考えている人がほとんどだからなんでしょうね。
ましてやここにメーカーから人を引っ張ってくるということもあまり聞きません。
唯一の例外と言えるのが西友じゃないかと思っているんですが、この話はまた別の機会に。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:22 PM |
June 1, 2010
[ターゲット] 家電売場のバージョンアップ
今日は家電について。
先月半ば、ターゲットが家電売場のバージョンアップを発表しています。
6月中までに全店舗の家電売り場のレイアウトを変更する予定で、ビデオゲームセクションの面積を30%増やしたり、テレビ、カメラ、ビデオカメラ売場の手直しや、サインの変更、デジタルサイネージの追加、等々が実施されます。
また現在104店舗で投入中のアマゾンのキンドルを6月6日までに全店舗展開させるとしています。
この発表と同じ頃、ウォルマートがGamecenterという名称でビデオゲーム専用のページを立ち上げてます。ゲームのプレビューとプロモーションが目的。
オープニング記念として3タイトルを予約購入した人に50ドルのギフトカードを提供中。
ウォルマートもターゲットも家電/エンターテイメントは最強化部門となってます。ウォルマートはもうかれこれ5年以上かけてずっと強化してるんじゃないでしょうか。プロジェクトインパクトでは当然ウィンカテゴリーです。
これ、ひょっとするとここでもう書いたかもしれませんが。
理由はだいたい以下の4つくらいでしょうかね。
【イノベーションがたくさん期待できる】
革新的な商品は利益を確保しやすいですね。アップルがいい例です。
【動きが激しく改廃が早い】
そのため来店頻度が高い
【イメージが良くなる】
とくに映画や音楽といったエンターテイメントはトレンディなイメージをお客に与える
【iPadに代表されるように耳目を集めている】
だからプロモーションの効果が高い
日本のGMSは、業態名はゼネラルマーチャンダイズながら、実は力を入れているのは食品と衣料だけなんですね。
アメリカのフルラインのディスカウントストアは偏りがない。
このあたりは、双方の本質的な相違点じゃないかなと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:11 AM |
May 28, 2010
[アマゾン] iPad向けのアプリケーションを投入
アマゾンがiPad用で本を読むためのアプリを導入しました。全世界で使用可能、キンドルストアで公開している書籍を買うことができます。特徴は、最後のページ、ブックマーク、ノート、ハイライトを、キンドル、キンドルDX、iPhone、タッチ、マック、iPadといったデバイスでシンクロナイズされるところにあります。
つまりどのデバイスを使ったとしても、読むのを中断した最後のページが出てくる、というわけですね。
実はバーンズ&ノーブルもiPad用にアプリを提供しているんですね。iPhoneやブラックベリーに加えて、来月中にはアンドロイド搭載のスマートフォン用のアプリも投入するそうです。
このニュース、少し気になりました。
というのも、アマゾンはキンドル、バーンズ&ノーブルはヌックで、囲い込みを狙っていたわけですよね。目論見としてはiTunesとiPodのようなインテグラルな仕組みを作り上げようとしていた。
でも開放しちゃったわけですよ。
iPadがそれだけ強かったということかな。
アマゾンもバーンズ&ノーブルも、アップルが構築した大きな輪の中に溶け込むことを選んだというわけです。
でも、iPadと、キンドルと、ヌックの三者が共存できるんでしょうか。
興味津々です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:16 PM |
April 23, 2010
[ベストバイ] ベストバイモバイルを1,000店舗まで拡大
ベストバイが展開する、日本的な表現で言うところの携帯ショップがベストバイモバイルですが、1,000店舗レベルまで拡大する予定であることをメディアが報じました。
このベストバイモバイルはイギリスのカーフォン・ウェアハウス社との合弁で2006年に実験を開始したもので、実験を終えて昨年から水平展開を開始しています。
これは一昨年の参考記事です。
英カーフォン・ウェハウス社と合弁で欧州進出
また店内にもベストバイモバイルという"店舗内店舗"を設置し、専門店と店舗内店舗の双方でシナジー効果を出す戦略を取っています。マグノリアやパシフィックセールスと同じ、ベストバイはこの二面戦略で成功してます。
実はこの急成長プランを背景として、ラジオシャックを買収するんじゃないかという憶測がウォール街に流れているんですね。この場合、ラジオシャックという会社を買うのではなく、ロケーションを買収することを意味しています。
ただ6,500店舗もありますからねえ。
買うのか、自力で増やすのか、興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:00 PM |
April 12, 2010
バーンズ&ノーブルが電子書籍リーダーの販路を拡大、アマゾンも追随か
アマゾンが作る電子書籍リーダーがキンドル、一方ライバルのバーンズ&ノーブルが出しているリーダーがヌックです。これにiPadが参入して電子書籍リーダーは三者三つどもえの戦いとなっています。
このうち、B&Nのヌックをベストバイが販売するというニュースが出ました。4月18日に店頭に並ぶそう。
一方アマゾンはキンドルの販売についてターゲットと交渉中でで、数ヶ月以内に販売が開始されるだろうと報じられています。
電子書籍リーダーのシェア争いが、リアルな店舗にまで戦線が拡大しはじめました。
いままさに市場が広がり始めようとしているときに、クリティカルマスを一気に取るために販路を広げるというわけです。
この市場、アメリカでは俄然おもしろくなってきたように思うのですが、日本はどうなるんでしょうね?
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:04 PM |
April 8, 2010
流通各社が環境テーマでプロモーション企画を続々投入中
今年のアースデーは4月22日、始まってから40周年目だそうです。
この日に合わせて、環境に関連する企画を各社が実施し始めました。
クローガーはマイバッグのデザインコンテスト、4月12日~5月21日までネットで一般からデザインを募って、1等になったデザインは実際にバッグに使用され、さらに1000ドル相当のギフトカードが提供されます。
ターゲットは全店舗にリサイクリンボックスの設置を発表しています。紙、ペットボトル、携帯電話、プリンターカートリッジ、などを投げ込めるボックスを店の前に据え付けます。
小売企業だけではなく、メーカーもプロモーションを企画しています。大きいのはP&Gのフューチャー・フレンドリー企画、すでに存在する商品の中からエコな商品を選別して、まとめてプロモーションするというアイディアです。
これについては先月エントリーしましたね。
[プロクター&ギャンブル] 環境テーマのプロモーションを全米展開
実はいまウォルマートのサステナビリティ・イニシアチブについてのレポートを作成中でして、先月ベントンビルに行ったのもこれが目的でした。
エコムーブメント、アメリカで波が確実にうねりはじめているのを感じます。
環境に疎いアメリカ人も少しずつ変わりつつあるようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:41 AM |
March 26, 2010
[ベストバイ] 二桁の増収増益で絶好調
ベストバイが第4四半期と通年の決算をリリースしたのですが、予想を超える業績でサプライズでした。
通年で売上高は10.4%増、最終利益高は31.3%増、既存店成長率の記載が見当たらないのですが、とりあえず第4四半期は7.0%増でした。
この時期に二桁の増収増益は凄いですね。
リリースには客単価のアップが好業績につながっていると書いてあるのですが、とりわけ第4四半期はノートブックコンピューターがよく売れて価格の下落を上回ったとしています。
ただし一昨年は特別損失(おそらく減損)を計上していて、これが最終利益の高い成長率につながっているのと、景気のせいで急激に業績が落ち込んでいたのでそれの反動というものもあるよう思います。
CEOのブライアン・ダンが投資家向けにコメントしてます。
「消費者が今やっていることをすべて店頭に反映できているとは思っていない。ここをリエンジニアするところに大きな機会があると信じている」。
この言葉を理解するカギがコネクト、ですね。
ダンが日頃言っているキーワードはユビキタス・コネクティビティ、機械同士、人同士が、いつでもどこでもつながる時代に、いかにつなげるのかを提案する機能が店頭に必要だとしている。
この機能とはすなわち、コンサルテーション、またはアドバイス、ですね。
そういう人を配置して、お客に提案し、売る。
現在このモデルを実験中で、どうやらイギリスにオープンする一号店にこの実験を反映させ、その結果をアメリカ国内のリモデルに活用するということを言ってます。
ディスカウントストアモデルからどんどんシフトしようとしているのがベストバイです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:07 PM |
March 19, 2010
[バーンズ&ノーブル] 突然の社長交代、後任はネット事業から
昨日に続いてバーンズ&ノーブルです。創業一族の二代目CEOが退いて、後任としてネット販売事業のトップが就任する人事が発表されました。突然のことだったようです。
新たに新CEOとなるウィリアム・リンチは昨年2月にネット事業の責任者として外部から来た人材。HNSというネット販売企業から移籍してきたのですが、それ以前もネット系の企業にいて、キャリアはリアルな小売業界ではありません。
これが意味していることは明白、書籍のデジタル化を見据えて新たな方向性を模索しようとしているのでしょう。
昨日エントリーしたプロモーションは、リアルな店舗と電子書籍でシナジーを上げてみようとする取り組みでしたが、この模索を如実に表すものでした。
詳しいことは流通eニュースに書こうと思ってます。
投資家のロン・バークルが買収に動いてますし、バーンズ&ノーブルはしばらく何かとニュースを賑わせそうですね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:01 PM |
March 18, 2010
[バーンズ&ノーブル] 電子ブックリーダーと店舗のシナジー効果を出す
アマゾンのキンドル、アップルのiPadと、電子書籍市場がにわかに賑やかになってきましたが、書籍チェーンストア最大手のバーンズ&ノーブルもnookというリーダーを昨年末に投入して市場に参入しています。
このリーダーを使って、店舗への来店動機を作るプロモーションを開始しました。名称はMore in Store。nookを持って来店したお客に対して、無線LANで店舗内だけでしか閲覧できないコンテンツを提供するというプログラムです。
コンテンツは書籍、毎週新しいタイトルを投入し、4週間サイクルで入れ替える。またインストアのみの値下げ販促や、無料コーヒーサービスなどもつけるようです。
バーンズ&ノーブルがアマゾンやアップルと唯一異なるのは店舗を持っている点です。このリアルな資源を活用してシナジー効果を上げようという試みということになります。
ただアマゾンと比べるとやっぱり出遅れ感はいかんともしがたいし、アップルと比べると機能やコンテンツの豊富さだけではなくブランドパワーなど総合力で勝てそうにない。
これからiPadが出てくると、市場は一気に二強状態へ流れて行ってしまうような気がします。
ただ少なくとも、店舗とブックリーダーを重ねて相乗効果を出そうとする取り組みはおもしろいんじゃないかと思い取り上げました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:47 PM |
March 4, 2010
[コストコ] 変わらず増収増益をキープ
コストコが第2四半期の業績を発表しました。この企業は8月期末のためいまがちょうど中間決算なのですが、2月14日が第2四半期末なので歳末を含んだ数字となります。
売上高は11%増、最終利益高25%増で増収増益。
既存店成長率は、アメリカが5%増、海外が26%増、ガソリンインフレと為替の影響を除いた既存店成長率は、アメリカが2%増、海外が10%増となっています。
また会員費は8.7%増、値上げしていませんので、会員がネットで増えていることを意味しています。
こちらは昨年同時期のエントリー。
相変わらず好調、最低価格でシェア拡大を目指す
同じようなタイトルなのですが、変えようがありません。
既存店成長率が落ちているのが少々気になるのですが、しかしこの企業は相変わらず強い。
我が家から最も近いコストコはウィークデーでも駐車スペースを探すのに苦労するほどで、驚くほど繁盛しています。
いつまでも成長し続けることは不可能なわけで、例えばウォルマートですらもいま業革のまっただ中にいるのですが、コストコに限って言うとスローダウンという言葉が無縁です。
この勢い、いつまで続くんでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:37 AM |
March 3, 2010
[フレッシュ&イージー] 店舗デザインのマイナーチェンジ
フレッシュ&イージーは昨年なかばから新しい売場の導入を始めています。冷食の業界誌でこの変更を公式にコメントしました。
一つ目はフリーザーを増やしての冷凍食品の強化ですね。
すでに120店舗をこのタイプに改装してます。
このフリーザー、アルディが入れいてる平台形式でアメリカでは珍しいタイプ、これをゴンドラに組み込んでます。
フレッシュ&イージーの平台型フリーザー
二つ目はパネルや売場サインを若干変更、60店舗をこのタイプに改装しているそうです。
昨日フェニックスで新店を見てきたのですが、このコメントを読んで、ああこれだったのかと気づきました。
さて冷食ですが、別の業界誌でダラーツリーも強化を打ち出してます。
昨年は197店舗に導入して全体のおよそ3分の1となり、今年はさらに225店舗に導入予定だそうです。
ダラーツリーの冷食売場
冷食は初期コストがかかりますが、店頭作業は加工食品とほぼ同じ、廃棄ロス管理も比較的容易なので、非食品メインのフォーマットでも導入が可能です。
導入目的は来店頻度のアップですね。
先月ターゲットのPフレッシュについてエントリーしましたが、ディスカウントストアにもかかわらず陳列線の長さはもともとスーパーマーケット並みだったりします。
フレッシュ&イージーが冷食を強化するのも、フォーマットの特性を考えると納得できるわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:24 PM |
February 8, 2010
[コストコ] COOにジェリネックが昇格、後継人事か?
先週、コストコが人事異動を発表しました。マーチャンダイジング担当バイスプレジデントだったクレイグ・ジェリネックが社長兼COOに昇格、ひょっとすると後継人事ではないかという憶測を呼んでいます。
ジム・シネガルの年齢は74歳、そろそろ引退が近いのですが、コストコ=シネガル、と言っていい会社で誰があとを引き継ぐのか誰もが興味を持っているんですね。
今まではほとんどそれらしき動きがなかっただけに、今回の人事は目立っています。
ただしシネガルはこの点についてまったくノーコメント。
今でも足繁く店舗を見て回っていて、「健康でハードワークを続けてるよ」なんてことを記者に答えてますから、まだしばらくはCEOとして実務を取るつもりのようです。
よくある老害とも無縁なのはおそらく現場に通っているからだと思うのですが、74歳で現役というのもよく考えると凄いことですね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:07 PM |
February 2, 2010
[バーンズ&ノーブル] バイアウト企業が急接近、その意図は?
小売業界のバイアウトで財を成したビリオネア、ロン・バークルの動きが目立ち始めました。違う業界(メディアなど)へと興味がシフトしていたのですが、小売業界に戻ってきたようです。
まず先週、バーニーズニューヨークの買収に動いているという記事がWSJ誌に載りました。バーニーズは現在アラブ首長国連邦のデュバイに本拠を置くIstithmar社が所有しています。
そして今日、バーンズ&ノーブルにもアプローチしていることを各紙が報じています。
もともとバークルはバーンズ&ノーブルへの投資を数年前から始めていて、昨年末の時点で比率が18%となっていたんですね。
これに対して37%を保有する創業一族が取締役会に働きかけてポイズンピルを設定、バークルはこのポイズンピルが不当だとして当局に書面でクレームを送った、というのがストーリーです。
この資本を巡るバトルがどうなるのかはここでは置いて、バークルがバーンズ&ノーブルのどこに価値を見いだしているのかに私は興味があります。彼は一言だけ、同社の株価は資産価値をきっちりと反映していない(つまり安すぎる)、としているだけで、それ以上のことは分かりません。
アマゾンのキンドルに対抗して同社が出した電子書籍用のデバイスがnook、アップルが参入を宣言してこの市場がにわかに注目を浴び始めていて、このあたりに興味があるのか。
それとも、競合のボーダーズが痛んでいて、今後両社をくっつけるといったM&Aへと動きたいのか。
アマゾンとアップルの陰に隠れちゃってますけど、800店舗近くを展開するバーンズ&ノーブルって実は大きなエクイティを持っているなということを再確認できるニュースです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:39 PM |
January 11, 2010
[トイザラス] 歳末の既存店成長率は4.6%、復調は確実か
トイザラスが歳末の業績を発表しました。12月の米国内の既存店成長率は4.6%増、大手チェーンストアの平均値が2.8~2.9%のプラスでしたから、平均を上回る業績を上げたことになります。
すでに昨年中に何回か取り上げてますが、トイザラスは歳末に向けて新しい試みに取り組みました。一つはモール内に一時的に開店するポップアップストア(ホリデーエキスプレス)、ベビーザラス内に設置する店舗内店舗、FOAシュワルツ売場の設置、などなどです。
これらが成果を出したということですね。
とくにモール内のホリデーエキスプレスはよかったようで、リース条件が非常に良いこともあって今月中に閉鎖する予定だったものを延長するそうです。
ポップアップストアについてのエントリーはこちら。
年末年始のみ営業するポップアップストアを開発
この数字を見る限り、トイザラスの最上場は近いでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:12 PM |
January 6, 2010
[ベストバイ] HD無線技術の企業への投資
ベストバイがSiBeam社という、HDのビデオやデータの信号を無線で送受信する技術を持ったプロバイダーに資本出資することを明らかにしました。出資額は不明。
HDの無線送受信技術によって、例えばTVとビデオの配線の必要がなくなるのだそうです。これから普及することが期待されていて、この技術を持っているのがSiBeam社ということになります。
家電のディスカウンターがこういう技術ベンチャーに投資するという点におもしろさがあります。たぶん目的は二つ、単なる物販からの変革を模索したいということと、エレクトロニクスの大企業としての使命を果たそうとしていること、でしょう。
前者については、PCや家電の取り付けなどサービスを強化しようとしていて、今回の投資はその延長線上にあると考えることができます。
後者については、デジタルメディアに特化したファンドを昨年立ち上げてまして、自社のビジネス強化とは別のスタンスで投資を活発化させている。
ベストバイという企業のユニークさを感じるニュースではないかと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:37 PM |
December 16, 2009
ソル・プライス逝去、享年93歳
ソル・プライスが月曜日に逝去されました。享年93歳。
プライスはメンバーシップホールセールクラブという業態の創始者です。
1976年にサンディエゴで創業、その後カリフォルニアを中心に店舗網を広げたのですが、自分の部下だったシネガルがスピンアウトしてシアトルで創業したコストコと1993年に合併、名称がプライスコストとなったのですが、1997年にはオリジナルのコストコに戻って、この時点でプライスという名称のついた店舗は消滅しました。
その後は息子と一緒にラテンアメリカにプライススマートという同じメンバーシップ制のホールセールクラブを創業し、再びけっこう大きな事業へと成長させてました。
プライスクラブがアメリカの流通業界に与えた影響ははかりしれません。
サムズはプライスクラブのコピーですが、サム・ウォルトンはこのビジネスモデルの影響を受けてEDLP/EDLC戦略に踏み切ったんじゃないかと、私は思ってるんですね。
またホームデポ、トイザラスといった、当時の錚々たるカテゴリーキラーのほとんどがプライスクラブの影響を受けてます。
つまり、アメリカの流通業を大きく変えたと言っても過言ではないんですね。
あまり大きなニュースになってませんけど、プライスの逝去は私にとってはとても大きなニュースです。一つの時代が終わったような気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:31 PM |
November 17, 2009
[コストコ] コカコーラ製品の販売を停止
コストコがコカコーラの販売を中止しました。理由は価格を巡っての対立。クラシックだけではなく、チェリーコーク、コークゼロといった全炭酸飲料に加えて、水のダサニや、ビタミンウォーターも含まれています。
こういう軋轢はまあよくあることなのですが、大手チェーンストアと大手メーカーなので、インパクトは強いですね。ただコストコは割と強気というか、訴訟も辞さないスタンスを持った企業なので、ニュースを聞いて驚くということはありませんでした。
だいたいこういう問題が起こるには、価格だけではなくていろんなことが背景にある場合が多いです。
そして、しばらくするとどちらかが歩み寄って解決します。
ただここ数年小売側にパワーがシフトしていること、原価が下がっているはずなのに売価が落ちないメーカーへの不信、などがありまして、こういうケースはあちこちで今後も出てくるのかもしれませんね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |
October 1, 2009
[トイザラス] 歳末商戦にむけて3万5000人を雇用
トイザラスが需要が増える歳末に向けて今年も3万5,000人を雇用する予定であることを発表しました。昨年、一昨年も同じ雇用数だったそう
この時期にあえて雇用数を発表する意味は、見込みは悪くないよということを示唆しようとしているのかもしれません。
さて先週の視察中、ダラスのミルズで歳末専用に開発したポップアップストアを発見しました。
先月記事をエントリーしています。
[トイザラス] 年末年始のみ営業するポップアップストアを開発
一時的に雇用される多くの人はこのエキスプレスで働くことになるのでしょう。
店内の造作は当然シンプルで、例えば壁面にオリジナルのデザインをペイントするというようなこともなく、床面に直接商品を置いて島陳列を作るなど手もあまりかけておらず、すぐに撤退することを前提にした店作りでした。
まだ時期ではないため店内はがらがら、店員が二人いたのですが、一人は入り口で玩具のデモンストレーションをしてお客にアピールしていました。
モール内に玩具専門店チェーンがいなくなってしまった今、このテンポラリーなポップアップストアはいい線行くのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:34 AM |
September 16, 2009
[トイザラス] 年末年始のみ営業するポップアップストアを開発
10月から1月中旬までの短い期間のみ、モール内とベビーザラスの中に臨時店舗をオープンさせる新戦略を発表しました。名称はトイザラス・ホリデーエキスプレス。
前者が80ヶ所、後者が250ヶ所で、トータル350ヶ所だそうです。
ポップアップストアというのはマーケティング用語で、宣伝目的で短期間に店舗を開店させるものです。
過去に何回か紹介しているので、ご存じの方も多いと思います。
JCペニーのポップアップストア
[ターゲット] ポップアップストアをマンハッタンにオープン
今回のトイザラスの取り組みは、宣伝用途よりも、本格的な営業用途である点が違っていますね。
なかなかおもしろいので、詳しいことは流通ニュースに書くつもりです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:10 AM |
August 17, 2009
[ベストバイ] 専門店型のベストバイモバイルの出店強化へ
ベストバイが3年前から実験していた携帯ショップ、実験を終えて多店舗展開フェーズに移ったようでです。ダラスの地元紙が報じたところによりますと、まず40店舗をオープンさせる予定で、ダラス商圏ですでに6店舗を開店し、まもなく7店舗目が開店し、さらに5~6店舗を追加する予定、次にボストン、ロサンゼルス、マイアミへと店舗網を広げていく予定とのこと。
実験していたのは路面店とモール内の両方でしたが、、多店舗展開するのはモール内店舗です。面積は1,000~1,200sqf(28~34坪)。写真はニュージャージーで実験中のモール内店舗です。
またネットで注文した商品をベストバイモバイル店舗で受け取ることができるインストア・ピックアップも実験するそうです。
昨年度末の時点で総店舗数は1,023、そのうちの950店舗の携帯売場がベストバイモバイルという名称がつけられてバージョンアップされています。今回の専門店戦略はこの店舗内店舗とのシナジー上げることも目的の一つで、ギークスクワッド、マグノリア、そしてパシフィックセールスといった戦略の延長線上にあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:47 PM |
July 22, 2009
[POSデータ] データシェアリング、大手リテーラーのほとんどは無料で提供
小売企業がPOSデータをメーカーに提供し営業計画や予測に役立ててもらうデータシェアリング、年商50億ドル(約4,700億円)を越えるスーパーマーケット企業のほとんどは無料で提供しているということが調査で分かりました。
調査の主体はGMA(グローサリー製造業協会)、レポート名はRetailer-Direct Data Reportです。
このレポートには30項目以上にのぼるデータシェアによるメリットが整理され掲載されています。
例えば欠品が減る、予測精度が上がる、サプライチェーン上の在庫が減る、といった内容です。
さてここで取り上げた理由は、データの提供が有料ではく無料だという点に注目したいからです。ウォルマートがリテールリンクでデータを提供していることは周知の事実ですが、もちろん無料です。これが大きな効果を上げることが分かって競合企業も取り入れるようになってきたのですが、有料にするケースが多いとする日本人がいて、これを参考にして日本の小売企業はほとんどが有料で提供しているように思います。
でも実際のところは、アメリカの大手はほとんど無料で提供しているんですね。
私は無料がいいと思ってます。
有料ならいらないとするメーカーが出てきますから。
双方にメリットのあることですしね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:31 PM |
July 20, 2009
[ベストバイ] 消費者意見を集約するクラウドソーシングの実験を開始
クラウドというのはいま流行の表現ですが、本来は群衆、ここでは不特定多数の消費者のことを指しています。またここでのソーシングとは知識の調達を意味しています。
つまりクラウドソーシングとは不特定多数の消費者からのいろいろなアイディアを集めるという意味となります。
ベストバイがこの実験を開始しました。
名称はIdeaX、サイトを見れば分かるように、アイディアを簡単にポストできるようになってます。また他人の良いアイディアに賛成票を投じたり、議論したり、ベストバイ側からのフィードバックを読んだりすることができる。
そして投票数によってランキングが生成されています。
例えば7/20現在トップランクにあるのは、「開けるのに一苦労する商品を梱包しているプラスチックのボックスをやめろ」となってます。
こういうシステムを始めるにあたっての反対意見はおおよそ、つまらない中傷が多くなるというものでしょう。でも投票によってつまらない書き込みは下位に押しやられていくことになる。
これがWisdom of Crowds、集合知形成に対するロジックの土台となります。
ベストバイは社内でこれをすでに使っています。プロジェクトベースでその成否について社員の意見を集める仕組みですね。
Twitterにカスタマーセンターを開設というエントリーを今月初頭に載せましたが、この領域のベストバイの取り組みは同じく動きの速いウォルマートに先駆けてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:11 PM |
July 7, 2009
[ベストバイ] Twitterにカスタマーセンターを開設
Twitterを消費者とのコミュニケーションツールにする小売企業は少しずつ増えているのですが、ベストバイが一歩踏み込むんだ戦略を導入します。商品に関する質問に対して答えるアカウントの開設で、名称はTwelpforce、投入する人員数は500人、7月19日から開始するとしています。
この500人がどう動くのかについてまだよく分からないのですが、begin searching Twitter posts to find customers with questions、とあるのでお客からの質問を受動的に待つのではなく、検索してお客を探す能動的な活動をするのかもしれません。
また、help answer their questions and steer them towards Best Buy、とあるので、質問に答えながらベストバイ店舗へと誘導する営業活動もするようです。
またこのTwelpforceについてTVコマーシャルを打ってプロモートする計画も持っています。
ウォルマートやアマゾンなどプロモーション商品をチラシ代わりに流す企業はすでに存在するのですが、個別に営業しようとするベストバイの考え方は新しい。利用人口が増えるに従ってTwitterを使う企業はこれからどんどん増えてくると思うのですが、使い方のバリエーションがこれから増えてくることでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:40 PM |
June 25, 2009
[TJマックス] データ漏洩事件で975万ドルの和解金
2007年にTJマックスがクレジットカード番号を含むデータ4,560万人分を漏洩させた事件がありました。
4,560万人のデータが漏洩したTJマックス
ハッカー11人はすでに見つかっていて昨年告訴されてます。
この件出、TJマックスは41州に対して和解金を支払うことで合意しました。
ここで言う和解金はペナルティと言ってもいいと思うのですが、そのうちの250万ドルはデータセキュリティ用の基金設立、550万ドルが和解金、175万ドルが州による捜査にかかった費用、という内訳となっています。
こういう場合、アメリカでは多額のペナルティを支払うことになります。相手は今回のように国の場合もあるし、訴訟の場合は個人または原告団の場合もある。
これが抑止力になるという考え方なのだと思います。
マクドナルドでコーヒーをこぼしてやけどをしたおばあちゃんが訴訟を起こして多額の慰謝料を勝ち取ったという有名な話がありますね。通常はアメリカの訴訟文化を揶揄するときに使われるのですが、本質的にはこれはペナルティなんです。
この結果マクドナルドはコーヒーの温度をさげて、こぼしてもやけどをしないよう気をつけるようになったし、他社にも同様の影響を与えることになった。
しかし、データの漏洩は怖いですよね。
どこかで書いたかもしれませんが、だから私は指紋認証なんてぜったいに受け入れたくないんです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:04 PM |
June 24, 2009
[ベストバイ] 中古ゲーム市場にキオスクで参入
米語のキオスクとは日本の自動販売機のことです。ゲームのCDを自動販売機に差し込むと、使用可能かどうかということと価格を機械がスキャンして判断し、ベストバイで使用できるバウチャーを発行するという仕組みです。
ベストバイはこれをダラスとオースティンの数店舗で実験する。また中古ビデオの販売も試すとのこと。
また自販機によってはゲームと映画のレントも可能となっています。つい最近アルバートソンズLLCが全店舗に展開を終えたのがReboxというレンタルキオスクで、これに中古ゲームの買い取りシステムも追加したものということのようです。
サプライヤーはe-Play、ウォルマートもこの機材を実験しています。
さてこの実験、インパクトを受ける可能性のあるのがゲームストップです。
増収増益で高い成長率をキープ
近年急成長している企業で、年商は約90億ドル、日本円にするともうすぐ1兆円レベルに達するレベルですから小さな会社ではありません。
ゲーム販売の専門店チェーンですが新品だけじゃなくて中古も扱うのですが、実は中古ゲーム市場の90%を占有しているドミナンスプレーヤーです。
このトライ、うまくいくのかどうか興味津々です。
中古のトレードインは人間の判断がかなり必要なように思えることと、ゲームストップの5,000店舗という利便性を打ち破れるのかどうか。
実験結果が楽しみです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:25 PM |
June 2, 2009
[トイザラス] FAOシュワルツを買収
先週の28日にトイザラスがFAOシュワルツの買収を発表しました。買収するのはマンハッタンのフラッグシップ店舗とラスベガスのシーザースパレスの店舗の2つ、加えてネットとカタログ販売です。買収金額などの詳細は未発表です。
FAOシュワルツが倒産したのは2003年のことで、当時は傘下のゼイニーブレイニーなども含めて200店舗以上を持つ中堅企業でした。倒産後縮小、現在は上記2店舗とネット、およびメイシーズの中でテナント営業をしているだけです。ちなみにテナントは260ヶ所もあるのですが今回のディールには含まれず、11月までに徹底することになっています。
さてこの買収、トイザラスにとってプラスになるのかどうか。FAOシュワルツのブランド認知度は確かに抜群なのですが、どう相乗効果を上げるかです。高級玩具ブランドのFAOと、ディスカウンターのトイザラスにどう接点を見いだすんでしょう。
それとも、FAOシュワルツを多店舗展開するんでしょうかね。
なかなかイメージが湧きづらいところではあります。
何か秘策でもあるのかな。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:24 PM |
May 21, 2009
[ウォルマート] サーキットシティ廃業後のシェア獲得を目指して家電売場のリモデルを実施
ウォルマートが今週いっぱいをかけて、スーパーセンター2600店舗を含む全3500店舗の家電売場を変えているようです。まだ実際には見てなくて、たぶんメジャーな改装ではないと思っているのでここに載せるかどうか迷ったのですが、記事が目立つのでエントリーしておきます。
これはウォルマートバイヤーによるブログです。
Introducing Walmart Wireless...
携帯電話の売場の変更について書いてます。
まず売場名をConnection CenterからWalmart Wirelessへと変更。
次にメーカー別に色分けするなどして分類を分かりやすくした。
最後に店内で選択できるプランの数を増やした。
それとアップルの売場をオーバーホールしてようで、これは今後商品ラインアップを増やすための下準備じゃないかという話が出ています。
アップルはイメージが合わないという理由で昔はウォルマートを敬遠していたのですが、数年前から少しずつ供給を始めている。今のところモバイルデバイスだけなんですが、マックの供給を考えているんじゃないかというんですね。
とまあこういう話はさておき、今回の家電強化の目的は、サーキットシティの廃業によって宙に浮いた売上を奪うためと言うのがもっぱらの評判です。こういう動きの早さがウォルマートの面目躍如です。ターゲットにはこういう話はまだ出ていませんから。
ちなみにウォルマートの家電強化は実は今に始まったことじゃありません。
ターゲットも家電には高いプライオリティをつけている。
だから、専門業態の中で弱体化していたサーキットシティが負けちゃったという図式がある。
では日本の総合業態企業が家電をめいっぱい強化しているかというと、そういう話はあまり聞かず、だから日本では専門業態が強いのだろうというのが僕の見立てです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:42 AM |
May 5, 2009
[トイザラス] コンビニエンステーマの店舗内店舗、"Rマーケット"を拡大
トイザラスが260店舗で展開していた店舗内店舗コンセプトのRマーケットを全585店舗に拡大することを先週明らかにしました。
Rマーケットの特徴は、おむつやミルクや紙製品といったもともとアソートしていた商品に加えて、スナックや飲料といった食品を加えてひとつの売場にまとめている点にあります。コンセプトはコンビニエンス、忙しいファミリーにキッズをテーマにして利便性を提供しようと言うものです。
アイテム数は1,300、売場はレジの近くに位置させています。
もともとトイザラスは菓子を中心として食品を若干そろえていましたが、Rマーケットはこれを拡大し、もともとあった非食品の消耗品と一緒にして、そして売場名を付けた、と理解すると分かりやすいです。
食品によって来店頻度を高めようと言うわけで、ここ数年食品を強化しているダラーゼネラルやファミリーダラーと動機は一緒です。よくあることではあるのですが、では果たしてこれがトイザラスの売上増にどのくらい貢献するのかというと、難しいところがあります。
当然のことながらスーパーマーケットがあり、そしてウォルマートやターゲットが存在する。こういったグローサリー系の日用必需品をトイザラスにわざわざ買いに行く買い物動機を、個人的にはなかなかイメージできないんです。
skuが細かいですから、作業コストも高くなります。チラシなど販促も細かくなります。
ただ変化は大切です。
トイザラスはバイアウトに資本買収されて細かいこと分からなくなってしまったのですが、業績は良くなってきていると聞いてまして、こういった新機軸が店舗を活性化しているのかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:18 PM |
April 28, 2009
[ベストバイ] プライベートブランドの強化で差別化
ベストバイのネタが続きます。同社のプライベートブランドの売上高が、昨年度で40%も成長しシェアを拡大していることをWSJ誌が報じています。
もしこのトレンドが続いてブランドを確立するとシアーズのレベルにまで行くかもしれない、というようなことまで書いてあります。
ケンモア、クラフツマン、ダイハード、がシアーズの主要ブランドですが、とりわけアプライアンスのケンモアはナショナルブランドを上回る評価を得ていて、これがあるからシアーズは生き残っていると言っても過言ではないんですね。
ベストバイのPBラインアップは、Insignia(テレビ)、Dynex(テレビ)、Rocketfish(ビデオケーブル)、GeekSquad(PC周辺機器)、Init(アクセサリー)となっています。
この中でも薄型テレビのInsigniaがよく売れているようで、12月のカテゴリーの売上高シェアが前年の2.3%から4.9%へと跳ね上がったことが書かれています。
家電もナショナルブランドが強い業界で、彼らとの取引問題もありますし、簡単ではないですよね。ただ、いま急に強化し始めたというわけでもなく2000年ごろから試行錯誤を繰り返してきており、景気が悪くなる前からそういう路線に舵を切っていたという点が評価できると思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:58 PM |
April 27, 2009
[ベストバイ] 来年春にはイギリスに進出
ベストバイは欧州企業カーフォン・ウェアハウスとのジョイントベンチャーでヨーロッパ進出を計画しているのですが、2010年の春をめどに5店舗をイギリスにオープンさせる予定でいることを明らかにしました。
ロケーションや日時などの詳しい情報は言及していないのですが、850〜1,400坪程度になるだろうと言うことと、景気の悪化で家賃が下がっていてアメリカ並みの家賃で契約しているということのみコメントしています。
予定では、2013年までにヨーロッパ全体で100店舗、そのうちの60〜70をイギリスにオープンさせることが目標です。
北米を除くとベストバイの海外店舗は中国だけなのですが、ヨーロッパでの店舗展開の準備が着々と進んでいるようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:46 PM |
April 7, 2009
[リネンズン・シングス] ネット販売でカムバック
リネンズン・シングスが廃業したのは去年の10月のことでした。
再建を断念して企業清算へ
ところがわずか半年後に、ネット販売上に復活していることが判明。
サイトはこちらです。
リネンズン・シングス
お見事としか言いようがないですね、これは。
サイト上に企業情報がまったくないので詳しいことは分かりませんが、上記のエントリーで少し書いている通り資産処分を請け負うリクイデーターがフィジカルな資産とともに知的財産も丸ごと買収してしまうことがあって、おそらく今回もそのケースだと思われます。
このリクィデーターが自身でこのサイトを運営しているか、またはライセンスを誰かに供与しているのでしょう。
サイトをよく見ると管理していると思われるのはTorreyCommerceというホームファッション専業のネット販売サイト管理企業です。
それとどうやら商品は一切在庫せずすべてドロップシップの模様。
とすると、リクィデーターが費用を支払って運営を委託しているだけ、という推測が成立します。
そういうやり方があったかと、思わず膝を打ってしまいましたよ。
いずれにしましても、消費者がいったんつぶれた企業名を支持するのかどうかがカギを握るのですが、どうでしょうね。
ひょっとするとサーキットシティあたりも同じように復活してくる可能性があるように感じます。
ちなみに昨年初頭に廃業したシャーパーイメージはライセンス商品としてすでに復活してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:46 PM |
April 2, 2009
[コストコ] ホームファニッシング専門フォーマットから撤退
コストコが実験していたホームファニッシング専門フォーマット、コストコホームの撤退を発表しました。1号店は本社があるワシントン州カークランドにたしか2002年頃にオープンさせ、2号店はアリゾナ州テンピに2004年頃、その後3店舗目をどこかにオープンさせると言いつつ話が立ち消えになっていたものです。
このフォーマット、あの倉庫風の建物の中で家具やデコアなどをショールーム形式で売るもので、例えばエキスポの売場を倉庫環境に置き換えてみると想像しやすいかなと思います。
やめた理由は端的に景気、ホーム系はどこも悪いですから。
2店舗ともに以前は利益を出していたようですが、景気の悪化で採算が悪化していたのでしょうね。
コストコは別業態をいくつか開発しています。ビジネス会員専用フォーマットの開発は90年代後半だったと記憶してますが、これは少しずつ店舗が増えてます。また食品に絞ったコストコフレッシュというフォーマットも数年前に本社近辺にオープンさせているのですが、今も営業しているんでしょうかね。
現行フォーマットはいつか飽和して新店オープンできなくなりますから、別のフォーマットがどうしても欲しいわけです。でも簡単ではないですね。ホームデポも別フォーマットはすべて失敗に帰してます。コストコもご多分に漏れず試行錯誤してるということです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:40 PM |
April 1, 2009
[ボーダーズ] 3年連続で赤字決算、険しい回復への道のり
書籍チェーンのボーダーズが決算を発表しましたが、儲けなければならない第4四半期が減益で、通年でも三年連続の赤字となることが分かりました。
第4四半期は売上高マイナス12%に最終利益高マイナス54.3%、通年では売上高マイナス7.8%、赤字は1億5,740万ドルから1億8,670万ドルへと悪化しています。
2007年に赤字を出した頃からリストラに着手してまして、人員や在庫の削減などできることは全てやったようで、引き続き経費のタイトなコントロールに努めるが主要な発表はもはやないと資料には書いてあります。
負債を39.3%減らし、キャッシュフローを改善し、設備投資を減らしと、財務内容の改善に努めてきて、とりあえず倒産するといった危機的状況にはないようです。
つまり、あとはいかに売上を回復するかということにかかっているわけですが、この景気環境と競合環境ではよほどのことがない限り難しいことでしょう。
バロンズというダウジョーンズが発行している経済誌があるのですが、アマゾンを'The World's Best Retailer'、つまり世界で最高の小売業として記事をちょうど掲載していて好対照となってます。
サーキットシティの敗退から分かることは、業態が成熟すると専門企業大手1社、ウォルマートのような総合企業大手1社、という図式になっていくと言うことなんですね。玩具業態はずいぶん前にそうなってしまったし、昨年はリネンズン・シングスの廃業でホームファッション業態もそうなりました。
書籍はウォルマートとバーンズ&ノーブルに加えてアマゾンが存在する。こうなるともう2位企業のポジションはかなり小さいものとならざるを得ません。
ボーダーズがこれから復活するためには、売上を下げ縮小均衡させながらどう専門性を高めるのかということにつきるような気がします。
ゲームストップのように中古を扱うなんてオプションがあるかもしれませんよね。
いっそのことブックオフみたいな業態に転換してしまうなんてアイディアは大胆すぎるかな。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:27 PM |
March 25, 2009
[ピア1インポーツ] 3年連続の赤字を計上
ピア1インポーツが08年度の決算短信を発表、売上高は前年比12.6%減の13億2,000万ドル、最終利益高は1億2,900万ドルの赤字となることがわかりました。これで3年連続の赤字の計上、また一昨年度から35%近く増えていて、減収減益の度合いが悪化してます。既存店成長率は第4四半期はマイナス9.7%、通年の数値の記載はありませんでした。
短信では80店舗近い閉鎖を示唆しています。ちなみに総店舗数は一昨年度末の時点で1,117店舗でした。
また資本増強のために、海外の関連企業による7,900万ドル分の転換社債購入プランがあることが記されています。
もうずいぶん長いこと数値が悪く、いつ破綻してもおかしくないと思っているんですが、この短信発表の数日後に証券アナリストによるポジティブなコメントがあったりして、株価は若干上昇しつつあります。資本増強プランを好感したということでしょう。ただし依然1ドルを割り込んでいて、上場廃止のリスクを抱えてはいるんですが。
期末のフリーキャッシュフローは400万ドルで、この4年ぐらい減り続けてます。また10億ドルを超える年商規模で400万ドルというキャッシュはかなり少ない。
資金繰りという観点では、カギを握っているのはベンダーでしょうね、たぶん。
またマーチャンダイジングが飽きられてしまったという根本的な課題を抱えていますから、これをどう変えていけるのかもこの企業の生き残りのカギです
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:00 PM |
March 5, 2009
[コストコ] 相変わらず好調、最低価格でシェア拡大を目指す
コストコが第2四半期の決算を発表しました。売上高は1%減、最終利益高は27%減の減収減益、既存店成長率は3%減だったのですが、ガソリンのデフレとドル高による為替の影響を強く受けてまして、この2つを除くと既存店成長率は5%増でした。
財務的にはマイナス決算ですが、小売的には絶好調です。ウォルマートやバリューDSなど一部の企業を除いてほとんどが落ち込んでいる中、この高い既存店成長率は特筆できます。
コストコについては同じことをずっと書いている気がしますが・・・。
バランスシートを見ると会員費収入が3.7%伸びています。半期にすると4.9%増。
MWCのビジネスモデルは荒利益率と販売管理費率をほぼ同じとし、会員費が利益となる、というものです。
ですからこの会員費が伸びていると言うことは、ビジネスは順調に伸びていると判断してほぼ間違いがない。
景気が悪いから会員になるという人が増えているのかもしれない。
リリースにこのあたりについての言及はないです。
動向としては、「食品とHBCは順調に推移していて、またPBもかなり良く売れているが、グローサリー以外は不振」、とあります。
日用必需品は売れてるが、それ以外はだめ、ということです。現在の市場の動きをそのまま反映してます。
また、「可能な限り市中の最低価格を維持し、短期的には荒利を圧迫しても長期的な顧客ロイヤルティの獲得に努力したい」とこれからの展望をコメントしてます。
ちょうど業界3位の胃BJ'sの決算発表もありました。双方の文面を読むに、"大変な時期だけどしかし好機でもある"という認識で共通してていて、この業態、不況を追い風にしています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:03 PM |
January 19, 2009
[サーキットシティ] 経営再建を断念し廃業へ
昨年11月に倒産して破産法管理下にあったサーキットシティが再建を断念し、廃業することになりました。07年度の売上高は117億ドル、日本円に換算すると約1兆円企業が消えてなくなることになります。
倒産後、自主再建は不可能とみて資本を売却することによって延命を図ろうとしていたようです。話し合いの席に着いていた企業は2社、1社は中南米で大きな事業を展開しているメキシコの富豪プリエドで倒産直後に株を買い増して筆頭株主となっていました。
もう1社はバイアウト企業でした。
買収交渉が不調に終わった理由は、サプライヤーが支援を放棄したことにある模様。サプライヤーがもうダメだと判断して、デューデリジェンスの時間を与えなかったそうです。
大きな小売企業もサプライヤーから支援を受けられなければ息の根が止まるという、とても興味深い事例となりました。
07年度末の総資産額は約37億ドル。
過去の資料を調べてみたのですが、この資産レベルでの企業精算という意味においては97年のモンゴメリー・ウォード(約49億ドル)に次ぐ規模の破綻ということになると思います。
昨年倒産した時点で社員数4万人。大変な数の人たちが雇用を失います。
ただなんとなく感じるのですが、廃業の規模の割にはメディアの扱いがどうもあまり大きくないのですよね。
こういうニュースにみんな慣れちゃった、ということなんでしょうか。
1兆円規模の企業ですから、日本なら大変なことになっていることでしょう。
廃業が決まった翌日の土曜日から在庫一掃セールが始まってます。
右の写真のようにすごく混んでました。
ごった返す店内で、もうまもなく職を失う店員が一生懸命対応しているのが印象的でした。
"みんなハイエナのようだなあ、もっと早く来てあげればよかったじゃないか"、なんて思ったりしたのですが、でも自分も同類なので人のことは言えませんね(笑)
在庫一掃セールについてはちょっとだけおもしろいネタがあるのですが、これはR2リンクで。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:53 PM |
December 11, 2008
[オフィスデポ] 不採算店舗112をクローズ
オフィスデポが今後3ヶ月間に不採算な112店舗を閉鎖することを明らかにしました。撤退後の北米総店舗数は1,163となります。
また来年の新規開店数を40から20へと下方修正し、設備投資額を2億7500万ドルから2億ドルへと減額することも合わせて発表、配送センター33ヶ所のうち6ヵ所を閉鎖する可能性があることも示唆しました。
オフィス用品ディスカウントストアは業界1位のステープルズも業績があまりよくありません。理由の一つは景気の悪化で法人需要が減っていることにあります。
財務体質の弱いオフィスデポからダウンサイジングが始まったというわけで、ステープルズも同様の修正をかけてくるのかどうか注目したいと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:41 PM |
November 10, 2008
[サーキットシティ] 連邦破産法11条の適用を申請し倒産
先週115店舗の閉鎖と7,300人の解雇を発表したサーキットシティが、連邦破産法11条の適用を申請して倒産しました。負債の総額は23億2,000万ドル、運転資金として11億ドルのDIPファイナンスの調達が決まっており、今後は破産法管理下の下で再建の道を模索することになります。
倒産を選択したのはベンダーの意図のようです。在庫を積み増さなければならないこの歳末商戦という重要な時期に、小売企業がどうなるか分からない不透明な状況では商品を卸せない。HPやサムスンなどの大手メーカーが倒産を迫ったというのが背景にあるようです。
リネンズン・シングスの倒産もベンダーがカギを握ってましたが、倒産という最終局面におけるベンダーが持つ影響力というものを感じますね。
さて復活の可能性ですが、私は低い方に賭けます。まあこれも、支払い条件を緩和するといった、ベンダーの意図がカギを握っていると思いますけどね。
サーキットシティ、ブロックバスターに資本を売っておけば良かった。
後悔先に立たず。
こういう経営判断のミスが積み重ねって、企業って立ちゆかなくなるものなんですよねえ。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:56 PM |
November 4, 2008
[サーキットシティ] 155店舗の閉鎖と7,300人の解雇
業績悪化で苦闘しているサーキットシティが155店舗の閉鎖と7,300人の解雇を発表しました。
国内721店舗の約20%、従業員数4万人の約18%にあたります。
資料を読むに、倒産して店舗を閉鎖する方が有利なはずだがしないのは、連邦破産法11条の管理下で運営するだけの資金調達ができないからだろう、とコメントするアナリストがいました。
DIPファイナンスのことでしょうかね。
サーキットシティの新プロトタイプ
ここで書いたように、家電は倒産すると売れなくなるという問題もあるようです。
資金調達が厳しいので、年末に必要な商品が仕入れられないんじゃないかという指摘もありました。こうなってくると、ベンダーも取引条件を厳しくしてくるでしょうし。
そこまで逼迫しているということですね。
倒産もできず、商品も仕入れられないとすると、あとは精算しかない、ということになりますが・・・。
今日は家電業界でもう一つニュースがありました。昨年6月に倒産したトゥィーターが企業精算するそうです。現在の店舗数は94、倒産時点で154店舗でした。
トゥィーターの倒産
アメリカの家電業界、勢力図が大きく変わりつつあります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:14 PM |
October 24, 2008
[アメリカ小売視察] ベストバイモバイルがモール内で拡大戦略
先週の半ば、ベストバイが携帯ショップのベストバイモバイルを拡大するという戦略を発表したのですが、すでにモール内に店舗をオープンさせているということを知りました。
写真の店舗は、ニュージャージーにあるガーデン・ステート・プラザというモールで、今日訪問して偶然見つけたものです。戦略発表と店舗のオープニングがほぼ同時ということだったようですね。
ベストバイはこの独立型の携帯ショップをマンハッタンで路面店として何ヶ所か運営しつつ、店舗内に同名の売場を展開するという作戦を取ってきました。独立して展開している店舗の名称を売場にもつける戦略で、マグノリアと同じ線上に存在する手法です。
またこの携帯ショップは、英カーフォン・ウェアハウス社との合弁で運営しているということは、以前エントリーしました。
英カーフォン・ウェハウス社と合弁で欧州進出
アメリカにはキャリアによる直営店舗はチェーンストアとして存在しますが、セレクト型のチェーンストアは私の記憶ではないように思うので、ひょっとするとニッチなのかな、なんてことを思ってます。
ちなみにこのベストバイモバイル、ベストバイ本体と同様、iPhone 3Gも売ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:21 PM |
October 22, 2008
[米国小売視察] サーキットシティの新プロトタイプ
実はダラスで偶然、業績悪化で苦しんでいるサーキットシティの新プロトタイプを見る機会がありました。かなりドラマチックな店内環境を作っていて、これならベストバイに対抗できるかもしれない、業績回復も可能なんじゃないかと感じる店でした。
ところがこのサーキットシティ、ニュースによると150店舗を閉鎖する可能性があることをほのめかしたようです。資金繰りが苦しく、しかし借り入れも現在の経済環境では難しく、かなり厳しい状態
にあるようです。
できれば倒産せずに歳末商戦は乗り切りたい、ここで倒産すると商品保証を心配する消費者が買わなくなってしまい、せっかくのかきいれ時に売りないという状況に陥ってしまう、というところまでいっているようです。
時すでに遅し。
あと5年早くこのプロトを開発していたら状況は違っていたのかもしれないと、店を見ながら思ったのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:02 PM |
October 15, 2008
[リネンズン・シングス] 再建を断念して企業清算へ
5月2日に連邦破産法11条を申請し裁判所の管轄下にあったリネンズン・シングスが再建を断念し、清算に入ることが明らかとなりました。
明日15日からクリアランスセールを実施し、1月1日までに企業清算を終わらせるそうです。
再建を断念した理由は、金融クランチのおかげで買収に必要な資金調達が困難となっていているからで、今の時期でなければ買い手が見つかるに十分な企業だというのが、業界関係者のコメントでした。
裁判所がオークションにかけて高く買収する企業を探そうとしたが、入札したのが清算専門企業だけで、営業を継続させることを目的として入札する会社が存在せず、オークションを断念したといういきさつがあったようです。
この清算専門企業とは、傾いた企業から在庫を安値で仕入れて転売するブローカーで、ついでにブランドライセンスも手に入れて、これをオーバーホールしてライセンス販売するということもやっている、ユニークなビジネスモデルを持ってます。
さて今回は、5月の倒産ですから4ヶ月とちょっとという猛スピードでの清算決定となったわけです。破産法にかかわる法律改正が倒産後のスピードを上げているのですが、これについてはメルマガに書こうと思ってます。
参考までに過去のエントリーです。
[リネンズン・シングス] 連邦破産法11条を申請して事実上の倒産
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:22 PM |
October 14, 2008
[コストコ] "戦うことなしに値上げすることはしない"というMD哲学
先週末のビジネスウィークがコストコを記事にしていました。原価の上昇をそのまま価格に反映せず、知恵を絞って売価上昇を抑える姿が書かれていて興味深いものがありました。
タイトルは、Costco's Artful Discount = コストコの巧みなディスカウント。
ついでにインタビューが動画になっていたので、紹介します。
商品パッケージを丸型から四角に変えることでパレット上に乗る個数が増え、つまり積載効率が上げることで2万4000個のパレット分、トラックにすると600台分を節約した、ということが前半で、後半に出てくるのが創業CEOのジム・シネガルです。
シネガルはいま72歳、そろそろ引退が近く、こうやって出てくることも少なくなっていくことでしょう。また今まであまりメディアに出ることがなかったのですが、ここ数年露出することが多く、これもおそらく自分の年齢を考えてのことなのだろうなと思ってます。
さて記事でおもしろかったポイントが二つありました。
1つ目はアソートメントにウォーターフォードやハーマンミラーなどのラグジュアリーブランドが増えていて、あるファッションブランド企業の幹部をして、「いまにサックスみたいになってしまうだろう」と冗談交じりに言わしめている点。
コストコの強さのカギの一つは、コモディティディスカウント(ニーズ)と、シーズナルやスポットによる宝探しと(ウォンツ)とが巧妙に混在しているところにあります。ラグジュアリーアイテムは後者の典型的な商品カテゴリーですが、その範囲がどんどん広がっている。
コストコのイメージがただの安売り屋じゃなくなっていることと、当然販売力と、2つがブランドメーカーに訴求しているんでしょうね。
2つ目は"簡単には値上げしないよ"というシネガルのコメント。
「最大の懸念は、10セント、1ドル、100ドルと値上げすることが何でもないことだと考え始めて、我々の道を見失うことにある。そういう規律なしでは、我々の存在価値はなくなる」
戦うことなしに値上げすることはしない、と言う。
その一環として、上記のパッケージングの見直しがあるわけです。
これ、小売業(だけじゃなくて一般的にも)のイロハのイのようなものですが、見失いがちなMD哲学です。創業CEOがいまでも率先してやっていることに価値がありますね。
コストコ好調の要因を垣間見れる記事でした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:43 PM |
October 8, 2008
[米イケア] 大手小売企業としてはじめてレジ袋を有料化
米イケアが先週からレジ袋に5セントをチャージしているそうです。ヨーロッパの潮流をアメリカに持ち込む、使用量を半分に減らす、といったことが報じられている。
ふと頭をめぐらせてみたのですが、レジ袋を有料とする小売企業ってアメリカで初なのではないでしょうか。他で有料としている企業って記憶にないのですよ。
とすると、これは快挙なのかもしれません。
ちなみにマーケットサイド同様、このニュースも業界メディアではほとんど書かれていない。
この数日、アメリカの業界誌との興味のズレをすごく感じてます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:29 PM |
September 23, 2008
[サーキットシティ] CEOのシューノバー辞任
再建の期待を担って、2004年にベストバイのバイスプレジデントからサーキットシティのCEOとなったシューノバーが辞任しました。就任以来業績が上向かず悪化しており、責任を取って辞任、または紙面によっては解雇と報じられています。
後任は大株主のマーク・ワトルの肝いりで取締役として入閣していたジェームズ・マーカムという人物で、暫定政権として後任を探すことになるようです。
ちなみにワトルはたしかレンタルビデオチェーンを創業し成長させ売却して富を築いた人で、投資家として活躍していて、ブロックバスターによるサーキットシティ買収提案時にも裏側で動いていたはずです。
就任早々だったと記憶しますが、シューノバーは賃金の高い熟練ワーカーを解雇するということをやりました。結果としてこれがいっそうの業績悪化を招いたと言われているのですが、いまでもずっと尾を引いているようで、証券アナリストの批判的な文章が紙面に掲載されていました。
再建するためにやってきた経営者がまず経費削減に着手するのは王道ではあります。短期間に利益を出し株主を安心させる必要がありますから。ただシューノバーは熟練労働者の解雇にのみ焦点を当ててしまったことに失敗があったようです。
通常は、サプライチェーンの効率化とか、バイイングの見直しとか、トータルでのコスト削減を実施するものです。
通常の企業マネジメントと、再建は、やることが根本的に異なる。
だから、優良企業の優秀な経営幹部のスキルと、再建に必要なスキルは、必ずしも同じではない。
このことは、ギャップのプレクスラー、ホームデポのボブ・ナーデリなど、参考例が一杯あります。
ちなみに今回の辞任は投資家のプレッシャーによるものです。再建は時間がかかるから長期的に見て欲しいというシューノバーのスタンスに対して、一向に業績が上向かない状況に投資家がしびれをきらした、という図式です。
オペレーションサイドの判断でCEOが辞任したわけではないところが、いかにも株主資本主義体制のアメリカらしいところじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:22 PM |
September 16, 2008
[ベストバイ] ナップスターを買収、リアルとネットのシナジー効果に期待
ナップスターはネットでの音楽配信サービスを提供する上場企業です。予定買収総額は1億2100万ドル、現行株価に100%近いプレミアムがついた現金ディールです。
ナップスターはもともとネット上での無料音楽ファイル共有サービスでした。著作権などの問題で頓挫し、これをRoxioというソフトウェア企業が買収して、いまは定額制の音楽配信サービスとなってます。資料によると赤字、同業のほとんども苦戦していて、大きな理由はアップルの一人勝ちにあるようです。
iPodはMP3プレーヤー市場の73%を占めていて、iPhoneの年間販売ボリュームもウォルマートを抜いて1位となる公算が出ていて、圧倒的ですよね。
ベストバイの目論見ですが、店頭とネットのシナジー効果にあります。モノとサービスを包括的に売る。これはギークスクワッド買収以来続いている同社の基本戦略ですね。またムービーのネット配信やSNSなど、すべてのネットサービスをナップスターに集約することを考えているようでもあります。
ナップスターは上場してますが、赤字で株価が安く、手持ち現金が15億ドルもあるベストバイにとっては小さなディールです。これもギークスクワッド以来の同社の手法で、小さいうちに安く買収し、店頭とのシナジーを上げながら大きく育てる、ということをします。
本件、流通eニュースに書こうと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:38 AM |
September 12, 2008
[ベストバイ] カード会員向けメールブロードキャストのミステーク
先週のこと。ベストバイからメールが届きました。リワードゾーンというカード会員向けのニュースレターなのですが、プレミアブラックというエリートレベルへ招待しますという。
リワードゾーンというのはロイヤルティマーケティングによるカードプログラムでして、航空会社によるマイレージやスーパーマーケットによる会員カードと同じです。そしてエリートレベルというのは普通一定のマイル(または買い物ポイント)を超えている人向けの特典ステータスです。私はベストバイでそれほど買っていないので、「あれ?」っと思いつつ、後で確認してみようとメールを保存しておきました。
数時間後、業界ニュースを見ていたら、「ベストバイがブラックレベル招待のメールを誤送信した」というニュースが目に入り、「おっ!」っと思って、保存しておいたメールを見たら、誤送信に対する謝罪文がすでに載っていて、何をクリックしてもジャンプしなくなっていました。
どうやらブラックレベルを導入するにあたって送信メールのテンプレートを作り、これをベンダーが登録会員全員に間違って送ってしまったようです。
私も送信先を間違えて送ってしまって冷や汗をかいた経験があるのですが、今回のは規模が桁違いに大きい。担当者は真っ青だったことでしょう。
カード会員にステータスレベルを導入するということは、ベストバイのロイヤルティマーケティングは明らかに進化してます。日本の家電小売企業の単なるポイントカードとは大違いじゃないでしょう。誤送信がなければ分からなかった、おもしろい発見でした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:48 PM |
September 8, 2008
[マービンズ] バイアウト企業とターゲットを提訴
7月に連邦破産法11条を申請して倒産したマービンズが、自社を所有するサーベラス・キャピタル・マネジメントとサン・キャピタル・パートナーズ、および元の親会社であるターゲットを提訴しました。
理由は、バイアウト企業が設定したスキームが倒産の遠因になったというもので、売却したターゲットもひとまとめにして提訴されてます。
バイアウト企業二社は買収後、マービンズをリテールと不動産の2つに分離し、マービンズが不動産会社に家賃を支払うという形式にしました。この家賃を二倍に高騰させ、また不動産会社とバイアウト企業の了承なしに立ち退くこともできなくしてしまいました。さらに不動産会社へ特別な配当の支払いを義務付けました。
これが倒産の遠因になったとマービンズは主張しています。
この手の訴訟は債権者によって起こされるのが常で、企業が主体となって提訴するというのは珍しいのだそうです。またバイアウト傘下企業の倒産が結構多く、今後同じような訴訟が増えるだろうと見られています。
バイアウトはレバレッジをかけますので、買収後は負債の比率が高くなります。これをいかに早く減らすかが勝負で、早く減らすためのネタを最初から見込んで買収する必要がある。なんとなくですが、マービンズの場合、これがなかったような気がしますね。
だから事業体を二つに分けて、家賃を上げるということをした。
最悪の場合、マービンズがつぶれても、不動産事業体が生き残れば良い、ということを想定していたような気がする。
このあたりが、日本でハゲタカなんて呼ばれてしまう所以です。マービンズからおいしいところをチューチュー吸い上げて、最後は倒産して全部チャラで終わりです。
まあしかし、そういうもんだという冷めた認識が必要なんですよね。
例えばすかいらーくのMBOも、金融グループが本来的に持っているこういうロジックを、経営陣が冷めた目できっちりと理解していなかったような気がしています。
ついでながら、アメリカではMBOという言葉をほとんど目にしません。専門的な世界ではどうだか知りませんが。LBOという短縮語もほとんど目にしません。バイアウトという表現だけで済ますことがほとんどです。MBOってのはLBOの一形態なのですが、これが日本では珍しく注目を浴びているからあえて使われているんでしょうね。
アメリカでは誰が買おうと、ひとくくりでバイアウトです。
もひとつちなみにここでは分かりやすくバイアウト企業と表現してますが、正式にはPE(Private Equity)ファンドと表現されます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:55 PM |
September 2, 2008
[ウォルマート] 店舗選択と支持政党の関連性
ウォルマート、コールズ、JCペニーの顧客はジョン・マケインを支持する傾向が強いのに対して、ターゲットとメイシーズの顧客はバラク・オバマを支持する傾向が強いという調査結果を見つけました。
7,800人を対象とした経済全般に対する調査で、複数の質問の中からそういう傾向を抽出したもののようです。
ウォルマート、コールズ、JCペニー顧客のマケイン支持率の平均は42.6%、オバマ支持率は32.2%。
ターゲットとメイシーズ顧客のオバマ支持率は44.35%、マケイン支持率は33.4%。
分析では、ウォルマートの倹約イメージが保守的なマケイン支持者と重なり、ターゲットのファッションなイメージが革新的なオバマ支持者と重なっているとしてます。
これはおもしろいですよねえ。
まず同じディスカウントストア業態に属するウォルマートとターゲットの顧客が、政治支持の傾向と重なってしまうほど差別化されていることに驚きを感じるとともに、両社の違いを見るにつけ納得せざるも得ない
またこれと同じことを日本で当てはめられるかというと、まずありえない。ジャスコファンとヨーカ堂ファンを比較して、支持政党(または支持する政治家)がここまで異なってくるとはとうてい思えない。
ウォルマートとターゲットのポジションがまったく異なっていることと同じように、オバマとマケインのポジションも完全に差別化されていることも意味しているようで、これも日本の政党政治の世界ではちょっと考えられない。
日本との違いというものをまざまざと感じる調査結果なのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:51 PM |
August 18, 2008
[ベストバイ] iPhoneの販売を開始
ベストバイが全店舗でiPnone 3Gを9月7日から販売を開始します。970店舗ですから、一気に販売チャネルが増えるわけです。今まではアップルストアとAT&Tの直営ショップだけでした。
現在iPhoneは供給が追いついていません。アップルは問題ないと判断したようですが、アドバルーンをぶち上げたはいいけど、店に行ったら商品がないということにならないといいですね。
ベストバイはこれで、薄型TVに変わる金脈を手にしたのかもしれません。欠品さえしなければ、年末商戦への追い風となる可能性は高いでしょう。
ここ数年携帯ショップを強化してまして、全店舗に"ベストバイモバイル"という売場の設置を終わったばかり、iPhoneのアソートはこの売場の強化にもつながります。
最近は楽器を置きはじめたり、とにかくいろんなことにトライし変わり続ける、これがベストバイのおもしろさであり、強さででもあります。
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追記:ボーダーズ買収を検討していたバーンズ&ノーブルが買収を断念しました。金融クランチで買い入れが難しくなっていることと、一部のボーダーズ店舗のリース期間に懸念を持っていることの、2つが理由だそうです。とすると、バイアウトか倒産が妥当な落としどころとなりますが、ダークホースはアマゾンです・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:43 AM |
August 4, 2008
[オフィスデポ] 業績悪化で格付けジャンクレベルに
ムーディーズがオフィスデポの格付けをジャンクレベルへと格下げしました。ジャンクレベルとはつまり、投資に適さないレベルということですね。
オフィスデポは先週、200万ドルの赤字決算(第2四半期)を発表したばかり。今回の格下げはこの業績悪化の結果によるものです。減収減益で、既存店成長率はマイナス10%でした。
理由は、個人と中小企業の需要の冷え込みです。
その数日前にはオフィスマックスも赤字を計上してます。
アメリカのオフィス用品業界、市場がかなり冷え込んできています。
ただし全滅というわけではないですよ。ステープルズは絶好調です。
ご参考までに。
[ステープルズ] コーポレート・エクスプレスの買収成立
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:19 PM |
July 24, 2008
[コストコ] 第4四半期の業績悪化の見込み
8月31日期末の第4四半期の業績予測が、アナリストの予測数値を下回るであろうことを示唆しました。証券アナリスト向けの数値ですので、シンプルな収益ではなく、一株あたり利益の予測です。
理由は、商品原価とガソリン仕入れ値の上昇で粗利益が圧迫されていること、とくにここ数週間の上昇が激しく、一方売価にこれを反映することを遅らせているため、利益が圧迫されている、と説明しています。
コストコはほとんど一人勝ちと言っていいほど業績を落とさずにいる、ということは何回かエントリーしてます。これが悪化するかもしれないということが何を意味しているのか。
インパクトは小さくないかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:44 PM |
July 21, 2008
[ウォルマート] デルと共同で取り付け修理サービスを実験
名称は"Solutions Centers by Dell"、大型テレビやコンピューターなどを自宅で取り付けたり修理するサービスを有料で提供するプログラムで、ダラス地域の15店舗で実験をすでに開始しています。
たとえばコンピューターにメモリーを増設するサービスは29〜99ドル、一方ベストバイのギークスクワッドによる同等のサービスは39〜139ドルとなっていて、若干安めに価格が設定されています。
この分野、ベストバイのギークスクワッドとサーキットシティのファイヤードッグが知られています。双方ともに成長分野として注目されているのですが、サーキットシティの業績が悪く今度どうなるか予断を許さないという状況の中、隙間を埋めようとするようなウォルマートの着眼点はなかなかすばらしい。
デルにとっても、儲け云々よりもデルという名称の露出が増えることに大きな価値がありそうな気がします。
また競争が激しくなってくることは消費者にとっても良いことで、そう考えるとこの取り組み、悪くないように感じます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:40 PM |
July 15, 2008
[ベストバイ] 今後5年間で売上高を2倍に
投資家向けのカンファレンスで明らかにしたものです。5年間で年商を800億ドル、日本円にすると9〜10兆円近い。
現在、全米小売業界売上高2位のホームデポが773億ドルですから、これを超えるというわけです。まあ、全体が上がって行くわけなのでいきなり上位に顔を出すというわけではないですが。
この成長を支える要因が5つ。
1、家電市場そのものの拡大、ベストバイは年率6%の成長を見込む。
2、アプライアンスや携帯電話など、現状では限定的なシェアしか取っていないカテゴリーの拡大。
3、楽器などの新カテゴリーへの進出。
4、パシフィックセールスのような、まったく新しいビジネスモデル、またはフォーマットの開発や買収。
ベストバイがパシフィックセールスを買収
http://retailweb.net/2005/12/post_47.html
5、海外事業の強化。
ベストバイはいまもっとも調子の良いディスカウントストア企業だと思ってますが、これは成長分野にいるというような偶然の産物ではなく、この企業の革新に対する熱意というか、企業文化というか、そういうものが大きい。血を見るような企業文化の革新など、この企業がやってきたことは賞賛に値します。
いかなる日本の小売企業もベンチマークすべきでしょう。
参考までに。
家電&エンターテイメントって、いま最もおもしろい分野です。ウォルマートやターゲットといった総合業態もずいぶん前から強化していて、だからベストバイのような専門業態が一人勝ちするという状況は生まれてません。一方日本の総合業態は相変わらずの食品強化に忙しくて、こういうおもしろい分野をなんとかするという意識が欠落していますよね。
だから、日本ではこと家電分野では専門業態が強いのだ、というのが私の持論であります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:13 PM |
July 3, 2008
[ブロックバスター] サーキットシティ買収プランを白紙に
家電ディスカウンターのサーキットシティに対して買収提案をしていたブロックバスターですが、デューデリジェンスの結果、買収を白紙撤回することを明らかにしました。
[ブロックバスター] サーキットシティに買収提案
ブロックバスターのCEOはステートメントで、ビデオレンタルフォーマットと小売フォーマットのカップリングに依然可能性はあると見ており、今後は既存店でこの可能性に挑戦したい、とコメントしてます。
この買収プランに対してはそもそも懐疑的な見方が多くて、反対する株主も多く、デューデリジェンスうんぬんの前に、ハードルの多いプランではありました。サーキットシティ側も抵抗してましたし。
サーキットシティの業績悪化がこれで良くなるわけではなく、今後もいろいろなニュースが巷をにぎわすことでしょう。またブロックバスターも、先行き不透明なビデオレンタルというフォーマットをどう変革して行くのか興味深いところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:01 AM |
June 23, 2008
[サーキットシティ] 予測以上の赤字を計上、今後の見通しも悪化
第1四半期の業績が当初の予測を超える赤字決算となりました。赤字高は1億6480万ドル、昨年の同時期は5460万ドルの赤字でした。売上高は7%減、既存店成長率は11.3%減で、この既存店の悪化が赤字幅の増大に響いたようです。
先週早々、ベストバイも7%の減益決算を発表したのですが、既存店は3.7%伸びていて、好対照といえます。ちなみに、営業利益高は4%増、売上高は13%増、減益の理由は株の買い戻しへの投資によるもので営業によるものではありません。現在は投資活動をいったん中止しています。
さてサーキットシティですが、今後の見通しも下方修正しており、どんどん悪化している印象です。ブロックバスターによる買収提案も、提案された株価が今後下がる可能性が指摘されてます。つまり、企業価値がますます低下している。運転資金もどんどん低下している模様。
歳末商戦まで持ちこたえるのかどうか、という状況となっているように思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:39 AM |
June 16, 2008
「ボーダーズを買収するのはアマゾンか?」Vol.12,No.25
アメリカ流通eニュース
昨年初頭、書籍ディスカウンターのボーダーズの赤字決算について書いたことがある。ネット販売をアマゾンに委託してしまい、そのアマゾンにシェアをどんどん奪われてしまって危機に陥っている、というストーリーであった。そのときの経営者は、'これで店舗戦略に集中できる'と喜んでいたのだという。書籍市場の変化を読み取れない経営者の悲劇である。
その後同社の業績は上向いておらず、昨年度も二年連続で赤字を計上した。資金繰りが逼迫し、金融機関から新たな金融調達をして息をつくなど相変わらず厳しい状態が続き、資本の売却も含めた再建策を検討していることも明らかになっている。
この資本の売却先には、業界1位のバーンズ&ノーブルの名前があがっている。デューデリジェンスに入ったという話もあるのだが、仮に両社が合意してもFTC(公正取引委員会)が許可するのかどうかは微妙である。
さてこの売却先として、アマゾンに売ってしまえ、と意見する投資家が出てきているのである。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:22 PM |
June 12, 2008
[ステープルズ] コーポレート・エクスプレスの買収成立
コーポレート・エクスプレスはオランダに本社を置く法人向けのオフィス用品サプライヤーです。ヨーロッパを中心にビジネスを展開しているのですが、アメリカでも大きな市場を持っています。
この会社に対してステープルズは2月に買収提案をしたのですが拒否され、買収株価を上げて再提案して再び拒絶されていたのですが、もう一度株価を上げて三回目の提案をし、コーポレートエキスプレスが受け入れたことが発表されました。
買収額は31億ユーロ、約27億ドルという大きなディールです。
この結果、ステープルズ/コーポレート・エクスプレスの売上高は270億ドル超となり、業界二位のオフィスデポと三位のオフィスマックスと合算した246億ドルを上回ることになります。
また現在は消費者向けのリテールが全体の6割を占めているのが、買収によって法人向けが6割となって、ステープルズのビジネスモデルが大きく変化することになります。
この買収、ホームデポがプロ向けビジネスを強化していたときのことをほうふつとさせますが、異なるのはホームデポの場合本体の調子が悪くなってきていたことに対して、ステープルズの業績は非常に良い点にあります。本業がおろそかになるということはなさそうで、とするとこの買収はうまくいくのかもしれません。
買収額が高いのか低いのかは、よく分かりませんが。アナリストによると、予想額範囲の一番高いあたり、だそうです。
オフィス用品市場に巨大なグローバル小売資本が誕生、ということになるわけですねえ。
参考までに、新プロトタイプの動画をこちらにエントリーしてあります。
ステープルズ ボリングブルック店
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:28 PM |
June 10, 2008
[グッディズ・ファミリー・クロージング] 連邦破産法11条を申請し倒産
グッディズはフロリダやジョージアといった米国南東部を商勢圏とするアパレルチェーンストアです。店舗数は355店舗、非上場なので年商は不明、売上高上位100社に入っていないので、たぶん10億ドルレベルじゃないかなと推測します。
すでに103店舗の閉鎖を決めていて、また2億1000万ドルのDIPファイナスも調達しているので、不採算店舗を閉鎖し営業しながら再建に向けて頑張るようです。
フォーマットは、コミュニティ型のショッピングセンターに出る中価格帯の衣料リテーラー、といったところなのですが、この市場、けっこう競合が多いのですね。ターゲットやウォルマートといったディスカウンター勢、ジュニアデパートメントのコールズ、そしてチャーミングショップやケイトーといった同業態、がひしめいてます。
そして、景気が悪化して、倒産というわけです。
グッディズは3年前にバイアウトされてますので、資本は投資企業が持っています。
リネンズン・シングスと同じですね。
投資企業にとっては、痛い損失でしょう。
倒産ニュースはまだまだ続きそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:58 PM |
June 3, 2008
[ベストバイ] 無料の家電リサイクリングプログラムのテストを開始
すでに店頭で、インクジェットカートリッジや携帯電話用のボックスを設置してリサイクルを実施してきたベストバイですが、無料プログラムの拡大に向けて117店舗でテストをすることを発表しました。
対象カテゴリーは、テレビ、32インチ以下のモニター、コンピューター、カメラ、その他のデバイスや周辺機器、となってます。無料の条件は一世帯あたり一日2アイテムまでで、ただしコンソール型テレビ、32インチを超えるモニターやテレビ、エアコン、電子レンジ、アプライアンス、は無料サービスに含みません。
この無料リサイクルに含まれない冷蔵庫などのアプライアンスについては、ベストバイで新商品を購入しデリバリーを選択した場合無料で引き取るプログラムを実施し、また購入せずに引き取りだけの場合は100ドルとする有料サービスも用意します。
また各店舗、リサイクル企業、メーカーと共同で結果を評価し、全店舗に拡大するかどうかを検討するとしています。
日本では家電のリサイクルはすでに法制化されてますから、環境意識の低いアメリカでもようやく動き出したという印象ですね。両者を見比べると、官による法律で秩序を作る日本と、秩序の形成を民間による競争に委ねるアメリカ、という図式がよく見て取れると思います。
こういう取り組みで先駆けるのはいかにも優良企業ベストバイらしいんじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:33 PM |
May 23, 2008
[米アルディ] テキサスに配送センターを建設
テキサス州のデントンで自社配送センターの建設を近日中に開始し、1年から1年半で稼動させると報じました。南西部でのセンター開発は初、設備投資額は4000万ドル、面積は4万6500㎡。
2月にフロリダに配送センターをオープンさせたばかりですから、版図の拡大がスピードアップしてきた印象があります。
ちなみに今年の新店数は100店舗。
現在某社の研修コーディネートの真っ最中で、アルディを数店舗見てきました。新店だったようで、カラースキームやサインが変わり、若干明るくきれいになったように思います。
写真はこちらにアップしてあります。
シカゴからダラスへ
昨年の数値によると、北アルディ傘下のトレーダージョーズと、南アルディ傘下の米アルディの売上高を足すと、米スーパーマーケットランキングで9位となります。アルディ、静かにじわじわアメリカでシェアを拡大してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:10 AM |
May 16, 2008
[メナード] 店舗周辺の住宅を自ら開発
メナードはウィスコンシン州に本拠を置くリージョナルのホームセンターチェーンです。売上高77億5000万ドルで209店舗、ホームデポとロウズという二大チェーンに次ぐのですが、売上高の差は非常に大きく、アメリカのホームセンター業界は完全に二極化しています。
このメナードが、店舗周辺の住宅を自分の手で開発しているとローカル紙が報じました。他に例を見ない、過去にもほとんど例がない、非常にユニークなプロジェクトです。
目的は当然、開発するときの資材ニーズを店舗が請け負うわけです。建築を請け負う工務店にメナードで購入することを義務付ける。
また開発することで住民が増えれば、DIYニーズもおのずと増える。仮に賃貸住宅でも作って自身で所有し、価値が上がったら売却して儲けることも可能かもしれない。
今のところ2ヵ所ですでに開発が終わり、現在3つ目を計画中で、他にも案件を探しているとしてます。
アメリカでは、例えばウォルマートが良くやりますが大きな土地を自分で買って、スーパーセンターを作り、価値を上げて、余った土地を売って儲けを出すというようなことはよくあります。まあ、小売の規模が大きいですから、こういった利益は雑収入となって損益計算書などには細かく出てきません。
でも基本的に役割分担が出来上がっていて、不動産開発業と小売業は完全に分かれていて、自らの手で開発するということはあまりしない。当然住宅を開発するなんて、ありえないでしょう。
日本では、小売企業がショッピングセンターを開発するというのはよくあることですね。でも、住宅を自ら開発して、言ってみれば周辺市場を自分で作るということは、あまり聞かないですよね。
メナードは一見するとスマートな店作りではなかったりするのですが、アソートメントがけっこう細かくローカライズされていて、けっこう支持されている企業です。
おもしろい話なので、紹介させていただきました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:11 PM |
May 12, 2008
「ヨーロッパに進出するベストバイ」Vol.12,No.20
アメリカ流通eニュース
ベストバイがヨーロッパへ進出する。イギリスに本社を置く携帯ショップチェーン、カーフォン・ウェアハウス社と合弁を設立し、ジョイントベンチャー形式で店舗開発を開始する。また、イギリスのDSGやKESA買収に動いているというニュースが出たのだが、CEOのアンダーソンは否定せず、買収による拡大もありそうだ。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:11 PM |
[トイザラス] 最終利益が40%アップ、復活は近い?
バイアウトされたため細かい業績がわからなくなってしまったトイザラスですが、最近入手した情報によるとかなり回復しているようです。
2007年度の売上高は138億ドルで5.3%増、最終利益高は1億5300万ドルで40.4%増、利益の前年比アップがすごいですね。既存店成長率とか、荒利益率とか、細かい数値が分からず確実なことは言えないのですが、とりあえず良い数値なのではないかと思います。
CEOのジェラルド・ストーチに対する業界の評価がけっこういいです。
もともとターゲットにいた人で、1月に後任に決まったステインファフェルとともにウルリッチの後継と目されていた人です。2005年10月にやめて、2006年2月にトイザラスのCEOとなりました。
[ターゲット] CEOウルリッチが引退
ウルリッチの後継決定プロセスは、ストーチがやめた2005年くらいから動きがあったのかもしれませんね。
業績が戻ってくると、再上場ということもあるかもしれません。ストーチは50歳と若いですし、そのままトイザラスを長期に引っ張っていけるかもしれない。
元祖カテゴリーキラーの復活は喜ばしいことじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:55 AM |
May 8, 2008
[ベストバイ] 英カーフォン・ウェハウス社と合弁で欧州進出
ベストバイがヨーロッパに進出します。
英カーフォン・ウェアハウス社はヨーロッパに携帯ショップを2400店舗持つ大手リテーラーです。ベストバイは昨年この企業に出資、3%を所有して資本関係を結んでいるのですが、4年前から共同事業について話し合いを持ってきたようです。
知らなかったのですが、路面店としてのベストバイモバイルはカーフォンとベストバイのジョイントベンチャーが運営していて、またこのJVはヨーロッパではベストバイのギークスクワッドのサービスを販売しているそうで、両社はすでに共同で事業を行っているんですね。
今回ベストバイが投資するのはこのJVのようです。21億ドルを投じ、両社50:50の共同事業とする。増資するということでしょうかね。
このJVがベストバイのヨーロッパ事業を運営して行くことになります。どこにいつ出すのかといった今後のプランは現時点では言明を避けてます。
ベストバイの海外事業は、カナダ、中国に次いで、3カ国目となります。
日本にも興味はあるんでしょうねえ。日本の家電小売企業がベストバイのPBを売ってますので、商品ではすでに日本に入っている。家電業界は二極化し始めてますから、下位企業がてこ入れするためにベストバイと組むなんてことがあってもおかしくないんじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:53 PM |
May 6, 2008
[ウォルマート] 薬剤の値下げプログラムを拡大
ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げしたのは06年9月のことでした。
ウォルマートがジェネリック処方薬を値下げ
これはかなり大きな影響を及ぼし、直後にターゲットがマッチングさせただけではなく、多くのスーパーマーケットが同様の値下げに踏み切りました。私が住んでいるエリアのスーパーマーケット、調剤に決して力を入れているわけではないラルフスですらいまや4ドルをうたい文句にしているくらいです。
そのウォルマートがプログラムの拡大を発表しました。
300アイテムにつき、90日分の処方を10ドルとする。また乳がんや更年期障害など女性に特有の病気に対するジェネリックの30日分処方を9ドルとする。さらに、1000アイテム以上のOTCを4ドルとする。
この値下げプログラム、他社への影響を見れば分かるように一定の効果を上げています。売上も伸びているのですが、少なくともヘルスケア分野でもプライスリーダーなのだという印象を消費者に与えることには成功している。
今回は時期が良いですよね。インフレが進行し食品の値上げが続いているいま、薬を下げますというメッセージがネガティブに受け取られるわけがない。
それと、今回はOTCを値下げしていますが、これがどう影響するのか、興味がわきます。健康保険に加入している場合いずれにしても患者負担金が発生するためジェネリックの値下げは保険加入者にはメリットが少なく、だからドラッグストア企業のほとんどが追随しなかったのですが、OTCは財布を直撃します。ドラッグストアがどう動くか、動かないのか、興味津々です。
そしておもしろいのは、直後にターゲットがマッチングを発表したことです。
ターゲットはファッション性の高いディスカウンターですが、こういうニーズ商品についてはアグレッシブにウォルマートと価格勝負します。ここに、ターゲットの強さの本質があるのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:42 PM |
May 5, 2008
[リネンズン・シングス] 連邦破産法11条を申請して事実上の倒産
リネンズン・シングスが先週2日に連邦破産法11条を申請して事実上倒産、裁判所の管轄下に入りました。営業は継続、今後120店舗を閉鎖して復活をはかるとのことです。
GEキャピタルから7億ドルのDIPファイナンスを獲得してので、当座の資金繰りに問題はないようです。リストラの専門家をCEOとして雇い入れ、現CEOは会長となって一線から引きます。
破産法11条を申請した直接的な原因は、ベンダー1000社のうちの100社近くがCODを超えて前払い(CBD=Cash before delivery)を要求し始めたからです。リネンズ・シングスの支払いが悪化したのが理由。これによって同社の運転資金がショートし始めて、やむなく倒産、ということです。
このリネンズ・シングス、06年に13億ドルでアポロマネジメントにバイアウトされました。なので昨年の詳細が分からなかったのですが、赤字が2億4910万ドルで、一昨年の1億5440万ドルから膨れ上がってます。既存店成長率は3.4%減、営業成績が非常に悪かった。
業績悪化の理由は、住宅市況の悪化、消費者がファッションアイテムにお金を使わなくなってきた、の2つです。ただこの企業の店舗レベルは直接競合してしているベッド・バス&ビヨンドに比べるとかなり低くて、店舗に魅力がないというのが最も大きな理由でしょうね。
バイアウトされた企業が連邦破産法11条を申請するというのは、過去ちょっと記憶にないんですよね。しかも13億ドルですからけっこう規模が大きい。記録的、かもしれません。
ただこれでアポロの投資が失敗したとするのは早計ですよね。倒産して負債負担がかなり減るる可能性がある。また120店舗の閉鎖でなんらかの利益を獲得する可能性もある。計算ずくの倒産、でしょうねえ。だとすると、破産法管理下から抜け出るのも結構早いかもしれないです。
また発行済みのギフトカードが指摘されてました。4200万ドル分が凍結され40万人が影響を被る可能性がある。まあこれは、企業を清算してしまうなら問題ないのでしょうが、営業を続けるならば倫理的に許されることではないと思うのですが。
ただ少なくとも法的には可能です。
今年に入って、一番最初の大手企業の倒産となりました。
まだあるだろうというのが、業界の見方です。
※ちなみに、同社の英語表記はLinens 'n Things(リネンとその他の商品)なのですが、英語発音に忠実にリネンズン・シングスを私は使っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM |
「リネンズン・シングス倒産、今後に続くプロローグ?」Vol.12,No.19
アメリカ流通eニュース
リネンズン・シングスが連邦破産法11条の適用を申請し事実上倒産した。非上場企業なので負債総額など詳細は不明、裁判所管理下における運転資金の調達手法であるDIPファイナンスで7億ドルをGEキャピタルから調達しており、営業は継続する。
景気の悪化懸念で消費意欲が減退、今年は小売企業にとって大きな試練の年となりそうで、かなりの数の店舗閉鎖や倒産が年初から予測され、シャーパーイメージなど中レベルの小売企業にすでに倒産企業が出てきているのだが、大企業としては初のケースとなった。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:09 PM |
April 25, 2008
[デル] ラジオシャック買収の噂
デルがラジオシャック買収に興味を示しているという噂が立ち、ラジオシャック銘柄のオプション取引が異常に増えているそうです。
ラジオシャックというのは小商圏型の家電チェーンストアです。スーパーマーケットが入るネイバーフッド型ショッピングセンターや、ときに大型のリージョナル型ショッピングセンターに入居している場合もある。店舗面積は30坪程度でしょうか。06年度の年商は47億78万万ドル、4467店舗という大きな店舗ネットワークを持っています。
私はよくボタン電池を買いに行きます。ドラッグストアで買うことが多いのですが、特殊なヤツはラジオシャックへ、という感じです。
業績はここ数年不振。商品構成に魅力がありません。家電買うならベストバイやフライズ、またはウォルマートやターゲットに行ってしまいますから。
ただ小商圏の家電ニーズって、修理といったサービスも含めて必ずあるはずで、惜しい企業だなあと思っています。
一方のデルは現在ビジネスモデルの転換を模索中ですね。リアルな店舗に商品を置き始めてます。
さて仮にデルがラジオシャックを買ったらどうなるのか。
アップルみたいなモデルを模索するんでしょうかね。デルストア、ですか。
または、ラジオシャックはそのままで、デルを店頭に並べるのか。
少なくともブロックバスター+サーキットシティよりは相性が良さそうに思うのですが、どうでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:47 PM |
April 24, 2008
メンバーシップホールセールクラブがお米の販売制限
大手二社ともに、お米の販売制限を実施していることが報じられました。
一回の買い物あたり4袋(1袋あたり20ポンド入り=約9キロ)までとしているのがサムズ、コストコは一部の店舗に限られているようで何をどう制限しているのかは書かれていません。対象となっているのは、ジャスミン米、バスマティ米、長粒白米の三種類です。
サムズの広報は制限し始めた理由を、「最近の需要と供給のトレンド」としてます。
またウォルマートフォーマットでは制限する予定はないということです。
リテーラーが食品販売に制限を加えるというのはおだやかではないのですが、記事を読むに、米が広範囲に不足しているということでもないようで、とりあえず大騒ぎするような問題ではなさそうです。
ベトナムとインドが、米の価格の高騰と不作で輸出制限を加えていることが背景にある。伝統的にほとんどのお米は産地から100キロ圏内で消費されるものなのだが、上記の3つを食する人たちが海外に散らばり、彼らが他の品種に浮気することがないため、この3種類のみアメリカで不足気味だ、ということだそうです。
こんな文章もありました。
「米国産の米に対する需要は増えている、アメリカは全世界の米消費の1.5〜2%を占めているに過ぎないが、タイ、ベトナム、インドに次ぐ世界で4番目の米輸出国である、今年の輸出量は20%程度の成長が見込まれている」
つまり、アメリカにおいて米が不足するわけがない、ということを言いたいわけですね。
ただ、ナショナルチェーンが食料品の販売を制限をするという事態がとうとう発生したということに、ちょっとした衝撃を受けています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:31 PM |
April 21, 2008
「ブロックバスターがサーキットシティに買収提案」Vol.12,No.17
アメリカ流通eニュース
ブロックバスターというビデオのレンタルチェーンがある。年商55億ドル、1ドル100円換算で5500億円、店舗数は5,000を超える。参考までに日本の同業態のカルチュア・コンビニエンス・クラブが連結で2100億円なので、日本の最大手の2倍ほどの大きさである。
この企業が、家電ディスカウンター2位のサーキットシティに買収を提案していることが明らかとなった。サーキットシティの年商は124億なので、売上高で2倍以上、株の市場総額もサーキットシティの方が圧倒的に大きい。レンタルビデオチェーンによる家電チェーンストアの買収提案という奇抜さとあわせて、大きな議論を巻き起こしている。
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投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:03 PM |
April 16, 2008
[ブロックバスター] サーキットシティに買収提案
DVDレンタル最大手のチェーンストア、ブロックバスターが家電チェーンストアのサーキットシティに買収提案を持ちかけていることが公表されました。水面下で提案してきたがサーキットシティが動かないのでブロックバスター側が公開に踏み切ったということだそうです。
売上高でも市場総額でもブロックバスターの方が小さくて、小が大に対して買収をしかけているようなものです。しかもブロックバスターは業績が決して良くなくて、買収資金に対する懸念もあるし、買収した後の資金繰りに対する懸念もある。
買収提案の後ろ側には、ブロックバスターの大株主、有名すぎるほど有名な投資家カール・アイカーンの存在があるようです。ブロックバスター買収資金の調達もアイカーンが保証しているみたいですね。
投資家が絡んでいるとなると、サーキットシティの不動産価値に着目している可能性が高い。仮に相乗効果が出なくても、不採算店舗を整理すれば負債は清算できる、ぐらいのことは考えているでしょう。
アメリカの周囲の論調はほぼ否定的です。
買収効果が少々見えづらいですね。
レンタルというビジネスモデル自体に将来性が失われつつあり、ここ数年ブロックバスターは変革を模索し続けてきているんですが、なかなかうまくいっていない。こういう企業が、変革を怠ってベストバイやウォルマートに負け続けている家電リテーラーを買収して、どういう効果を出すのか。
なかなか辛らつなコメントもありました。
「これは、DVDレンタルビジネスがほとんど死んでる、または死ぬプロセスにあることを明確に示唆している」
ブロックバスターとは言ってみれば日本のTSUTAYAみたいな会社です。ですから、TSUTAYAがコジマやヨドバシカメラに買収提案するようなものでして、なかなかインパクトの強い話ではあります。
現在日本の中堅家電チェーンストアの研修コーディネートの真っ最中で、なおさらいろいろ考えてしまってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:47 AM |
April 10, 2008
[サーキットシティ] 第4四半期の黒字計上でサプライズ
第4四半期に485万ドルの黒字を計上したのですが、証券アナリストは赤字を予測していたようでサプライズな利益計上となりました。一昨年の同時期に425万ドルの赤字を計上し、その後の黒字は第二四半期だけという業績でしたので、歳末商戦の黒字は意外だったようです。
通年では、売上高8%減、最終利益は3億1990万ドルの赤字、既存店成長率10.4%減でした。
同社は現在資本売却を機関投資家に迫られているだけではなく、CEOの解雇も要求されてます。とりあえず黒字を出しましたが、今年度の上半期の業績見通しも良くなくて、一波乱ありそうな雲行きとなっています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:57 PM |
March 24, 2008
[コストコ] クロックスをグレー市場から仕入れて販売
先日コストコでサンダルのクロックスを発見、なかなかおしゃれなものをコストコ売ってるなと驚いたのですが、どうやら正規の取引ルートで仕入れているわけではないという情報を得ました。
クロックスの広報は、「コストコに販売したことはないし、コストコに卸して良いと認めたこともない」と言明してます。
またコストコも二次市場から仕入れていることを認めてます。さらにクロックスだけではなく、Janzen、Hurley、Lucky、OshKosh、など他にも、非正規ルートから仕入れている商品があると言明してます。
実はコストコは二次市場から仕入れるということをよくやっていて、訴訟にもなったりしているのですが、すべて勝訴してるんです。
コストコらしいエピソードじゃないかと思い、紹介しました。
この企業のコンセプトは、7割以上を占めるステープルアイテム(ニーズ)の激安価格でお客を誘い、3割弱の宝探し的商品(ウォンツ)で買い物の楽しさを作り買い上げ点数を増やす、というものなのですが、このウォンツがすごくおもしろく、私自身も思わず買ってしまうことがよくあります。
「またコストコの罠にはまったな・・・」と苦笑してしまうこと、しばしばです。
クロックすのような商材は、このウォンツにぴったりマッチするということになるわけです。
それと、これだけの大企業になってもブランドメーカーと仕入れで戦っているという点に、興味を惹かれました。コラボレーションだけじゃないということですね。
売れるものは、メーカーがなんと言っても、なんとしても仕入れてきて、訴訟もいとわず売ってしまうという姿勢には、異論もあると思いますが、少々しびれました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:21 PM |
March 23, 2008
[ベストバイ] HD-DVD購入客にギフトカードを提供
2月23日以前にHD-DVDを購入したお客に対して、50ドルのギフトカードを提供すると発表しました。リワードゾーンというロイヤルティカード、またはネットで買った人に対しては5月1日までにギフトカードを郵送、その他の購入者は領収書を持ってくればOKとなってます。
ギフトカードの総額は1000万ドル、およそ10億円に達するそう。
こういう話を聞くと、この予算を誰が負担するのか、考えてしまいます。
たぶん東芝でしょうね。
でも小売企業は、メーカーのファンドで処理します、ということは普通一切言いません。
しかし、1000万ドルというのは、お安くないコストですね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:39 PM |
February 27, 2008
業績悪化が目立つ決算数値
昨日から今日にかけて、大手小売企業が数社、第4四半期と07年度の決算数値を発表しました。
ちょっと数値が並んでしまいますが、以下のとおりまとめてみます。
ノードストロム、
Q4:売上高 -4.4%、最終利益高 -8.6%、既存店成長率 -0.7%
通年:売上高 3.1%、最終利益高 5.5%、既存店成長率 3.9%
ターゲット
Q4:売上高 0.8%、最終利益 -8.1%、既存店成長率 0.2%
通年:売上高 6.5%、最終利益高 2.2%、既存店成長率 3.0%
ホームデポ
Q4:売上高 1.5%、最終利益 -27.5%、既存店成長率 -8.3%
通年:売上高 -2.1%、最終利益高 -23.7%、既存店成長率 -6.7%
ロウズ
Q4:売上高 -0.3%、最終利益高 -3.4%、既存店成長率 -7.6%
通年:売上高 2.9%、最終利益高 -9.5%、既存店成長率 -5.1%
オフィスデポ
Q4:売上高 1.0%、最終利益 -85.2%、既存店成長率 -7.0%
通年:売上高 3.3%、最終利益高 -31.3%、既存店成長率 不明
まず目立つのがホームデポでして、通年での売上減は初めてなのだそうです。減収減益で既存店成長率もマイナスですから、かなり悪いです。競合のロウズと比較しても、悪さが目立ちます。住宅不況という外部要因と、マネジメントのつまづきという内部要因と、ダブルパンチを食ってるわけで、苦戦はしばらく継続することでしょう。
次にノードストロム、通年ではすべてプラスですが、第4四半期にガタっときている。
[ウォルマート] 強い低価格イメージが意味するところ
ここでも書きましたが、昨年半ばぐらいから中所得層以上に影響が出始めたんじゃないかという仮説にマッチします。
同じことがターゲットにも言えます。ウォルマートよりも対象とする所得層が高く、そのため第4四半期に影響が出たと見ることが可能じゃないかと思います。
また戦略戦術の失敗もいくつか指摘されてもいるのですが、詳細は省きます。
ここでウォルマートを業績を記してみます。ターゲットと比較して下さい。
Q4:売上高 8.3%、最終利益4.0%、既存店成長率 1.4%
07年度:売上高 8.6%、最終利益 12.8%、既存店成長率 1.6%
ターゲットは通年での既存店成長率が上回っているだけで、あとはすべてウォルマートの後塵を拝しています。
少なくとも、ウォルマートにはマイナス成長という数値が存在しません。ここ数年ターゲットは絶好調でずっとウォルマートを凌駕してきましたが、ようやく逆転したという印象じゃないでしょうか。
おととい書いたエントリーのように、ウォルマートの業績は決して悪くはないんです。
景気の不透明感が増してきている中、強い企業と弱い企業の差がこれからどんどん出てくるような気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:42 PM |
February 15, 2008
[ウォルマート] ブルーレイ支持を表明
ウォルマートがブルーレイ支持を決めました。今後数ヶ月をかけてHD DVDアイテムを店頭から引き上げてゆくとのこと。
先週はベストバイが同様の発表をしてます。世界最大のリテーラーと、全米最大の家電リテーラーが相次いで決めたことで、HD DVDの敗退は決定的となったのではないでしょうか。
ちなみにNetflixというDVDのネットレンタル最大手企業もブルーレイ支持を先週発表してます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:23 PM |
February 12, 2008
[ステープルズ] 環境問題を理由に海外メーカーとの取引中止
オフィス用品DS最大手のステープルズが、シンガポールに本拠を置く大手製紙メーカーAsia Pulp & Paper社との取引を中止することを明らかにしました。APP社は熱帯雨林の破壊で非難を浴びているそうで、ヨーロッパーの小売企業や米国でも競合のオフィスデポなどが取引をやめていました。
そういう環境の中でステープルズも、遅ればせながらAPP社との取引中止に踏み切ったというわけです。米国最大手で取引量は少なくないですから、与える影響は大きいことでしょう。
ちなみにAPP社はステープルズに対してプライベートブランドのコピー用紙などを供給してきたそうです。
米国企業は市場の大きさから規模が大きいですね。
ですから、こういうやり方でも影響を与えることができる。
環境意識があまり高くないアメリカですが、国家ではなくウォルマートを筆頭とするリテーラーがが牽引し変えていこうとするということは、良いことだと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:09 PM |
February 4, 2008
[コストコ] ビールにプライベートブランド導入
商標登録を申請したそうです。名称はカークランドシグネチャーで、種類はヘフェヴァイツェン、アンバー、エールの三種類、コードン・ビアシュという地ビール企業が製造を請け負います(英語ではCraft Beer)。
実は1月30日に、コストコはワシントン州を相手取っての酒類に関する訴訟で敗訴しています。アメリカでは禁酒法時代の規制の名残がまだ残っていて、酒類流通は規制で完全に保護されています。赤字での販売は不可能ですし、卸を絶対に使わなければなりません。また小売業者は卸にCODで払わなければならないという規則まであります。
これにコストコが挑戦、06年に地裁で勝訴したのですが、控訴審で敗訴したというわけです。最高裁まで行くのか、または行ける類の訴因なのか、このあたりは今のところ分かりません。
これが偶然なのかどうか。
ぼくは意図的だろうと思ってます。
大手チェーンストアによる販売量はビール市場の40%、ワイン市場の38%を占めているそうです。この中で、コストコの占める比率はかなり高い。ワインを最も売っている小売企業だそうですし。
コストコによるPBビールが持つ影響力は小さくないでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:40 PM |
「保守的な酒流通に挑戦したコストコの敗訴」Vol.12,No.06
アメリカ流通eニュース
アメリカの酒流通は非常に保守的で、ウォルマートのような大企業であってもメーカーと直接取引ができず、必ず問屋を通さなければならない。この硬直した流通システムの風穴を開けようとしたのがコストコで、本社のあるワシントンで州を相手に提訴、06年に地裁で勝利したのだがしかし州が控訴、そして控訴審で逆転敗訴という結果が出たのが先月末のことである。
ここで酒類流通について少し書いておこうと思う。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:04 PM |
January 10, 2008
[ターゲット] CEOウルリッチが引退
ターゲットのCEOロバート・ウルリッチが引退し、後任に現プレジデントのグレッグ・スタインハフェルが昇格することが発表されました。ターゲットは65歳を役員の引退年齢と既定しているようで、ウルリッチは65歳となる直後の5月1日に退任、その後は来年の1月末まで取締役会会長として残るとしています。
ターゲットはもともとデイトンハドソンというデパートメントストアが開発した別フォーマットですが、ウルリッチはデイトンに67年に入社、その後ターゲットに移り、14年間にわたって会長兼CEOの職にありました。ディスカウントストアというフォーマットでありながらウォルマートとはまったく異なるポジショニングで成功を収めるという現在のフォーマットの構築に、大きな貢献をしたのがこのウルリッチという人でした。
後任のスタインハフェルもデイトンハドソンから出発した人なのですが、ずっとウルリッチの片腕として働いてきた人です。当然ウルリッチ経営のかなりの部分をこのステンハフェルが補佐してきたわけでして、言わばウルリッチ路線の後継であるわけです。
ですから、経営者は変わりますが、戦略戦術の本質的な部分は何も変わらないでしょう。
大手で例を上げると、ウォルマート、ウォルグリーン、ロウズ、ベストバイ、といったところでしょうか。何事も起こらなかったかのように、社風を体現する生え抜きがスムーズに昇格して新たな経営に当たる。次期リーダーの育成を怠らず、人材のパイプが太く、いつまでも車輪が回り続ける、これがエクセレントカンパニーです。
逆に失敗した例がホームデポでしょうね。
ターゲットもいましばらくは安泰という気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:08 PM |
December 21, 2007
[サーキットシティ] 第3四半期に大幅赤字決算
サーキットシティが第3四半期(11月30日期末)に、赤字2億730万ドルを計上したことが明らかとなりました。売上高は3%減で、減収減益、既存店成長率は5.6%減でした。
「コスト削減イニシアチブが売上に与える影響を軽く見すぎていた、我々が現在注力しているのは売る社風の再構築である」(CEOフィリップ・シューノバー)
今年初頭にこういうエントリーがあります。
明暗分けた二大家電ディスカウントストア
コメントにあるコスト削減イニシアチブが人員削減を直接的に意味しているわけではないのですが、そのあとの'社風の構築'という文言を見るに、'人を削ってモラルが落ちて売れなくなった、売る社風を作らねば・・・'ということを言おうとしているのだと私は読みました。
3,400人を解雇して、そのツケがまわってきたということです。
アナリストからは'タオルを投げろ'、つまり資本売却(または倒産)したほうがいいのではという質問が出てまして、そろそろそういう話が出るような状況となってきているようです。歳末の予測もあまり芳しくない模様。昨年も赤字、今年も赤字の公算が高いようです。株価は在4ドル台、10ドル切ると、おおよそ投資家からはそういう話が出てきます。
人を切るということは、こういうことです。
話は大きく飛びますが、ウォルマートがドイツで失敗した理由の一つに、インタースパー買収後にウォーコーフから優秀な人材が一気に抜けちゃったから、というのがありましたよね。
人材って大切ですが、小売業ではとくに店長レベルの人材がとくに大切だと僕は考えてます。
西友のカレジッスキー、ずいぶん解雇したけど、モチベーションを上げる施策はなにか打っているんでしょうかね。サニーからも随分人が流出したようだし、今回の希望退職でも店長が随分辞めたそうです。人材って、何物にも替え難いと僕は思うんですが・・・。
>>来週の25日はクリスマス、アメリカはクリスマス休暇に入ります。ニュースも減ってきてますので、Retailwebもお休みを頂きます。1/02に営業開始しますので、よろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎え下さい。Happy Holidays !!
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:13 PM |
December 19, 2007
[コストコ] CEOの報酬は最低レベル
コストコのCEOジム・シネガルの06年度の報酬が、ストックオプションも含めたトータルで320万ドルだったことが報じられました。コストコの期末は8月末で、こういった書類の提出がちょうど今ぐらいの時期だから情報として出てきたものです。
大手企業の報酬の中間値は830万ドルなので、320万ドルというのはかなり低いという論旨。またS&P500社においても最低ランクになるだろうとのこと。
基本給は35万ドルで前年と変わらず。
この基本給は、コストコという企業のサイズからすると異常に低いのですが、シネガルが店長の給料の2倍以上は取らないというタガを自分ではめているということは有名な話であります。取りすぎると社員のモチベーションが下がるからですね。
取締役会としてはもうちょっと取って欲しいのだが、これ以上もらってもモチベーションやパフォーマンスが高まるとは思えない、というシネガルの意思を尊重している、と書いてありました。
シネガルは創業者として、現在の株価で1億6500万ドルという自社株を大量に保有していて、まあいわば資産家であるわけで、そういう意味では100万ドルや200万ドル多くもらったところで、モチベーションにはつながらないのだろうとは思います。ただ米国大手企業の経営者が報酬を取りすぎていることが矢面になっている今、やっぱり彼のスタンスは尊重したい。
こういう経営者の下、社員のモチベーションが下がることはないでしょう、たぶん。
ちなみにウォルマートのリー・スコットの基本給は130万ドル、報酬総額は1570万ドル。
ターゲットのロバート・ウルリッチの基本給は170万ドル、報酬総額は1820万ドル。
話はすっ飛びますが、西友の外人CEOおよび外部から来たCOOとCFOの報酬と、店員の給与の差を知りたいところです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:36 PM |
December 13, 2007
[オフィスデポ] 第4四半期の業績悪化を予測
オフィデポが第4四半期の業績悪化を予測していることを発表しました。直訳すると、雇用の鈍化、住宅市場の弱さ、クレジット市場の不安定感(サブプライムローン問題)が、スモールビジネスの支出を抑え始めている、ということが理由だそうです。
競合ステープルズが同様の理由をもとに下方修正をしていないため、会社固有の問題ではないかというアナリストの指摘もあるのですが、住宅問題がオフィス用品ディスカウンターに影響を及ぼすというのは、新鮮な発見でした。
直接影響を受けるホームデポ、間接的に影響を受けるベッドバス&ビヨンドぐらいまでは容易に想像がつきますが、スモールビジネスにも影響が出るからオフィス用品が売れなくなるというのは、当然のことながら起こることです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」、サブプライム問題が及ぼす影響の裾野はけっこう広いようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:41 PM |
December 10, 2007
[コンプUSA] 業績回復せず清算へ
コンピューター専門のディスカウントストアチェーン、コンプUSAが歳末商戦終了後に全店舗を閉鎖し、企業を清算する予定であるというニュースが流れています。正式にリリースされたものではないので100%とは言えないものの、WSJなど確実なソースが流してますからほぼ間違いないようです。
同社は84年創業、PCブームに乗って急成長しましたが90年代後半に業績不振に陥り、99年にメキシコのビリオネア、カルロス・スリムが買収、03年にはグッドガイズを買収しててこ入れをはかったのですが結局上向くことがありませんでした。今年の初頭に全店舗の半分を売却、その後の戦略転換(コンプUSAの戦略転換)、そして今月初頭にゴードン・ブラザーズというリストラ専業企業に売却され、今後の行方に注目が集まっていた矢先のことでした。
現在店舗数は103、推定年商はは15億ドルだそうです。
不採算店舗を売却したけれど、売却すらできない赤字店舗をいまだに抱えているということなんでしょうかね。黒字化をはかるということをせず、一気に清算してしまうという点に、アメリカ流の割り切り感やスピード感といったものを感じます。
コンプUSAについては10年以上前にメルマガで、たぶん将来は明るくない、という文章を書いたことがありました。コンピューターが特殊な商材であるうちは専門店業態として成立しますが、一般に普及して家電化したらたぶん無理だろうというのが私の論旨でした。テレビ屋とかステレオ屋といったフォーマットがないのと一緒、業種は業態へと進化して行くのです。
ふと気づいたのは、コンプが出たあとに、フレッシュ&イージーのような企業が入って行くんだろうなということ。たぶん水面下では交渉が始まっていることでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:19 PM |
November 19, 2007
グローバルマーケターズ100社、06年度も1位はP&G
今年で21年目となるAdvertising Age社によるグローバルマーケターズ100社が発表されました。最低3カ国で営業している企業に限定したグローバルランキングです。
昨年のエントリーはこちら。
グローバルマーケターズ100社、1位はP&G
昨年のトップ100社による総支出は978億ドルで前年比1.1%増、その前の5.1%増から大きく落ち込んでいます。大手米国企業、具体的にはゼネラルモーターズやジョンソン&ジョンソンらによる支出カットが影響しているのだそう。
1位はP&Gが断トツで85億2000万ドル(前年比4.1%増)、6年連続の1位で、2位のユニリーバを大きく引き離しています。1位と2位の差が非常に大きく、大きなM&Aが2位以下の企業にない限りおそらくここしばらくは1位を維持することになりそうな勢いです。
小売業界では、シアーズホールディング31位、ウォルマート46位、アルディ81位、カルフール87位、イケア91位、がランクインしてます。このアルディ、広告とは無縁に見える企業なのでけっこう意外です。
日本市場だけに限ると当然自動車と家電メーカーが上位を占めるのですが、昨年いなかったセブン&I7位、イオン9位と、小売企業2社が顔を出しているのが印象的でした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:10 PM |
November 12, 2007
「ロイヤルティ顧客だけを招待するベストバイのプライベートイベント」Vol.11,No.46
アメリカ流通eニュース
ガソリン価格の高騰、サブプライム問題、株価の下落など、今年のアメリカの歳末商戦は消費意欲を減退させるような要因に事欠かない。とくに高価格帯リテーラーに影響が大きそうで、すでにノードストロムやコーチなど業績の鈍化を予測する企業も出始めている。
商品的にも魅力感に乏しいようだ。玩具やアパレルなどこれといって大ヒットが見込まれる商品が今のところないのである。現時点でもっとも期待されている唯一のカテゴリーがエレクトロニクスで、相変わらず売れている薄型TVやiPodなどに期待が集まっている。
このエレクトロニクス販売の中核となる家電業界のナンバーワンチェーン、ベストバイが一風変わった販促イベントを実施した。ウォルマートが他社に先駆けて今月初頭に歳末商戦開始を宣言し、5品目を大幅値下げして目玉としたことはご存知のことと思うが、ベストバイはロイヤルカスタマーのみを招待しての特別イベントという、ディスカウントストアとは思えないやり方で対抗しているのである。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:04 AM |
November 9, 2007
[ターゲット] 年末商戦に期間限定プロモーション
ターゲットが歳末商戦用に期間を限定した価格プロモーションを実施するそうです。期間は感謝祭の翌週、商品は20アイテム、爆発的に売れたエルモの新バージョンといった玩具や、ソニーのビデオプレーヤーといったエレクトロニクスが含まれています。
ウォルマートが二度にわたるロールバックと5品目のみの大幅値下げ販売を実施したことは記事としました。ターゲットも対抗してきたというわけです。
この他にも、限定的なプロモーションを実施する企業としては、ベストバイがあげられます。今週末の日曜日の夜に、優良カード会員だけを招待する特別プロモーションを実施する予定。
ウォルマートのEDLPが喧伝されてますから、日本の業界人には「アメリカ人は日本人のようにハイローが好きではない、だからEDLPが普及している」と考えている人が少なくありません。知識人にも非常に多い。
でもそんなことはありえないことが、この一連のプロモーションを見れば分かるでしょう。だいたい、クーポンを一生懸命切り取って、わざわざ店にもって行って、数十セント安くしてもらって喜んでいる人たちなんですから。
EDLPとは売り方(買い方)のオプションであって、好きとか嫌いとか、民族性とか、そういうこととは関係ない次元の話です。
これからそういうことを言う人がいたら、間違ってますよと、そ〜っと教えてあげましょう。
話は変わりますが、本日のロサンゼルスタイムズが、フレッシュ&イージーをトレーダージョーズとラルフスのブレンド、と表現してました。新聞記者にこういう発想があるとは思えないので、たぶん業界関係者から聞いたのでしょう。
昨日の記事で書いたとおり、理解するポイントは、店舗運営やMDの設計思想はアルディやトレーダージョーズと一緒だが、客層は絞っていない(つまり普通のスーパーマーケット・・・ラルフス等)という、2点にあると私は見ました。
紙面を読み、私と同じ見方をしている人がいるということに、ちょっと驚いたのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM |
November 7, 2007
[ベストバイ] ロイヤル顧客を特別イベントに招待
11月5日、ベストバイよりプロモーションメールが届きました。
「プライベートに開催されるショッピングイベントに招待します」
ベストバイはリワードゾーンと呼ぶロイヤルティマーケティングを03年から実施しているのですが、一定ボリュームを買っているカード顧客を特別なイベントに招待するというプログラムを今年は歳末商戦用に用意したということのようです。日時は11月11日の夜8時半から10時半、店内ではいろいろな販促が用意されている模様です。
いつもはベストバイでたくさん買っているというわけでもないのですが、今年はアプライアンスを一つ買っているので、これが効いたのかもしれません。
でも、ロサンゼルス近郊では8店舗のみの開催で、我が家のそばの店舗ではなく、遠いので面倒なので残念ながら行きません。行って見たかったんですけどね。今度は近所の店舗でやって欲しいなあ。
どうやらベストバイは、ロイヤルなお客には、他にもいろいろ特別な販促を提供しているようです。
これ、ヤマダ電機が招待イベントを開催するようなものです。
我が国の家電小売企業、ポイント還元はやってるけど、ロイヤルティデータを分析して、その結果をこういうユニークな販促プログラムに生かしているという話は聞いたことないですよね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:48 PM |
October 31, 2007
【ステープルズ】 UPSと共同で中国に進出
オフィス用品ディスカウンターのステープルズが、Fedexと並ぶ大手宅配企業であるUPSと共同で中国に進出したそうです。
名称はステープルズUPSエキスプレス、オフィス用品販売と海外宅配のコンビネーションフォーマットを開発、2店舗を北京にオープンさせました。年末までにあと2店舗をオープンさせる予定。
オフィス用品にはDocument Processing Serviceを含むというのでたぶん書類を印刷して綴じて文書化するというようなサービスも提供し、海外宅配にはPackagingを含むので段ボールなどの包装も販売するのでしょう。
こういうアライアンスがあり得るんですね。海外に出るときは単独ではなくシナジーを出せるどこかと組むという手もあるというわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:17 PM |
September 20, 2007
コストコがモールの核店舗に
LAタイムズが報じたところによると、ロサンゼルス郊外のロングビーチのショッピングモール(Lakewood Center)にコストコが入ることが決まったそうです。
現在メイシーズ(2店舗)、ターゲット、マービンズ、JCペニーが核店舗で、メイシーズの1店舗が抜けた後に入る模様。開店は来年秋の予定。
メイシーズが抜ける理由はM&Aのようですね。買収によって同じモールに核店舗として入っていた他の店舗がメイシーズに変わってしまい、2つになってしまった。だから一つ抜ける。
モールの核店舗としてディスカウントストアが入るというパターンは少しずつ増えていて、今後も増えることでしょう。デパートメントストア企業の数が減ってしまったこと、デパート自体の集客力が落ちてしまったこと、そしてディスカウントストアの出店可能立地が減ってきていること、が考えられます。
モールを管理しているマネジメント側も死活問題ですから、ディスカウントストア向けにリースを安く提供することもある。また活性化プランに乗れれば、行政がコストの一部を負担してくれることもある。モールの高リースがマッチしないディスカウントストアモデルも、そういうディールがあれば出店可能というわけです。
ターゲットはけっこうモール出店をしてます。商圏がもともと大きなフォーマットですから、整合性があるんですね。ウォルマートは数ヶ所。
紙面によるとコストコも何箇所かモール内店舗を持っているようなこと書いてありますが・・・マッチするんでしょうかね。コストコではあのアメリカでも大きなサイズのカートに一杯買い物をする人が大半で、買った大量の商品を車に積みに行って、またモールに戻って買い物するのかどうか。
逆はあるかもしれませんね。モールをぶらぶらして、それからコストコで買い物して帰る・・・。
ちなみに二層を一層に改装するようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:17 PM |
September 19, 2007
拡大するマーサ・スチュワートの商品ライン
来週Kマートが、商品を切り替えた新マーサ・スチュワートラインを投入するそうです。ご存知の通り、名称はマーサ・スチュワート・エブリデイ、カテゴリーはホームファニッシング。Kマートに初めて導入されたのが97年のことなのですが、それ以来商品を大きく刷新したことはなかったそうです。
倒産でイメージが落ちたこともあって、マーサ・スチュワートはKマートでの販売をやめたかったようですね。しかしKマートにとってはドル箱ブランドであるため、引き続き売りたい。契約内容についていろいろ駆け引きがあったようで、両社の確執が報じられたりしました。
両社の契約は09年に切れるそうで、確執についてはまだ決着がついていません。
マーサ・スチュワートはメイシーズと組んで、'マーサ・スチュワート・コレクション'というホームファッションラインを導入しています。価格帯はプレミアムとなるので、Kマートラインの上位に位置する商品ラインですね。
コストコと組んで食品にも参入する。
ワインを作るというニュースも流れたばかりです。
刑務所入りというネガティブイメージをはね返し、マーサ・スチュワートの小売業界での存在感は増すばかりです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:30 PM |
August 30, 2007
ターゲットのポップアップストア、英国版
ポップアップストアというのはマーケティング用途でして、短期間だけオープンさせる期間限定店舗のことを言います。
バイラル(またはバズ、日本語ではクチコミ)を意図的に作るために使用しますが、リテーラーでこれを使っているのはターゲットとJCペニーのみです。とくにターゲットはマンハッタンでこれをよく使いますね。
とりわけターゲットはバイラルを作ることが非常に上手な企業として知られていて、その手法の一つとしてポップアップストアを使っている。
そう言えば、ウォルマートがアナリストカンファレンスに合わせて、環境テーマのポップアップストアをマンハッタンにオープンさせたことがあったような気がします。
ただウォルマートがこれを定期的に使うなんてことは、ありえない。
ターゲットがこれを、イギリスの高級デパートメントストア、Selfridgesの中に短期間オープンさせるというニュースが流れました。伊勢丹や高島屋の中に、ターゲットの売場を短期間だけ作るというような感じでしょうか。
日本でポップアップストアをマーケティング戦略の一環として使っている大手リテーラーはいないですよね。原宿や銀座に1ヶ月だけ限定的に店を出す、というようなやりかたは、あってもいいと思うんですけどね。
さてターゲットです。
その意図がみえてきません。
単なるバイラル用途なのか、英国進出を考えているのか。
海外進出は随分言われてきているのですが、いまは国内成長に力点を置くとして同社は正式に否定しています。
英国のセルフリッジスはカナダのグレン・ウェストンという人が持っていて、この人はカナダのロブロウとホルト・レンフルー(デパートメントストア)のオーナーでもある。とすると、カナダとの接点が見えてきたりもする。
とまあ、こんなことを書く人がたぶんアメリカにも一杯いて、それ自体がバイラルでして、ターゲットはすでに目的の一部は達成しているような気もするんですけどね(^.^)
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:09 PM |
August 13, 2007
リストラ
本日は人員解雇ネタを二つ。
【マイヤー】
マイヤーが店舗の部門長(デパートメントマネジャー)500人を解雇すると発表しました。過去数ヶ月間、179店舗の4200人と面接した結果だそうです。店頭のパートタイマーと、本社人員は含まれていません。
マイヤーは、ウォルマートとターゲットの間に挟まって苦戦中。両社ともにマイヤーが本拠とする中西部に店舗を増やしていますので、決定的な何かを見出さない限り、この企業はまだしばらくは苦戦し続けることと思います。
【ギャップ】
ギャップが月例の業績報告で、今年に入って1500人の解雇を実施しているとコメントしているようです。400人が解雇され、1100人にこの第2四半期に通告が渡されたとのこと。これには、撤退フォーマットのフォース&タウンがらみの2000人の解雇は含まれていません。
ギャップの縮小均衡モードは、なかなか止まりません。最近も、近所のモールからバナナリパブリックが消えてました。新CEOが来ましたが、仮にポジティブだとしてもすぐには結果は出ませんしね。
こちらもいまだ苦戦中です
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:18 PM |
July 31, 2007
ベストバイ、マグノリアを拡大
ベストバイがマグノリアというローカルチェーンを買収したのは2000年のことでした。ハイエンド・オーディオ&ビデオと呼ばれますが、高価格帯のテレビとオーディオに特化したスペシャリティストアフォーマットで、当時はシアトルに13店舗展開する企業でした。
当時の年商が1億ドル、買収総額は8700万ドルですから、ベストバイにとってはわずかな金額だったことでしょう。
この当時私はメルマガにこのM&Aを書いているのですが、読み返してみると、その真意というか、ベストバイがやろうとしていたことを完全には理解していませんでした。
大型フォーマットがいずれ飽和するから、傘下に新たなフォーマットを増やそうとしている、程度しか見ていなかった。
しかしベストバイがまずやったことは、店舗内店舗化でした。テレビとオーディオの売場に「マグノリア」という名称をつけ、ファザードにも「マグノリア」名を明記する。
サブブランド化です。
たぶんこのサブブランド化の取り組みがおおよそ終ったのでしょう、メインブランドとして全面に押し出す、つまり専門店そのものを拡大するプランを発表しました。ただし80坪程度ですから、フォーマットは小さい。また店舗はベストバイ本体の横に出すとしているので、まあ、コバンザメのような感じですね。
このやり方、つまり店舗内のサブブランド化と、店舗外展開という戦略は、参考になるでしょう。'マグノリア'だけではなく、大型耐久家電の'パシフィックセールス'、モバイルの'ベストバイモバイル'など。
シナジーを効かせるというわけです。
買収してから7年目というのも、いいですよね。買って急いで
拡大するのではなく、まずは店内サブブランドとし、じっくりと検討してどう拡大するのがベストかをじっくり考える。
ベッド・バス&ビヨンドも似た戦略を取ってます。スペシャリティディスカウンターが多角化をはかる場合、この手法はひとつのベンチマーク対象になるでしょう。
トイザラスもこういうやり方をとっていたら、不調に陥ることもなかったでしょうねえ、たぶん。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:50 PM |
July 12, 2007
実は巨大な成長企業アルディ
先週末にテキサス州での拡大プランを明らかにしました。ダラス/フォートワースエリアに09年秋までに25〜50店舗と配送センターをオープンさせる。この配送センターは最終的には50〜100店舗をサポートする。
つまりこの商勢圏において最大で100店舗くらいの展開を考えているということですね。
一方、今週早々には、オーストラリアでこの2ヶ月以内に150店舗目をオープンさせ、今後年間に30〜40店舗ペースで増やしてゆくことを発表してます。まだ進出6年目だそう。
アルディはマスコミに出ないことを企業ポリシーとしてますので、何をしているのか一切分かりません。アメリカでも実はけっこうな規模なのですが、その大きさを一般の人たちはほとんど実感していないことでしょう。
アメリカに進出してきているのは南アルディでして、昨年度の年商は32億8484万ドルでスーパーマーケット業界27位。北アルディ傘下にあるトレーダージョーズの昨年度の年商は43億2250万ドルで同業界19位。
両方足すと76億ドルを超え、アルディグループという視点で見るとマイヤーを抜いて同業界10位となってしまうのです。
これ、日本ではほとんど知られてないんじゃないでしょうかねえ。
ほとんど知られず、静かに静かに、しかし着実に成長している優秀な企業がこのアルディなのです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:55 PM |
July 11, 2007
ステープルズの新ライン、『トランプオフィス』
オフィス用品ディスカウンターのステープルズが、ドナルド・トランプをキャラクターとした椅子のオリジナルコレクションを導入しました。その名も、トランプオフィス。
ドナルド・トランプは不動産で富を築いた有名な人物ですが、最近はテレビへの出演も増え、一般人への知名度もかなり高く、これを利用してステープルズが「トランプブランド」を開発したということでしょう。
森ビルのオーナーが、アクスルでモリブランドを作るようなものでしょうか。または、ライブドアの堀江貴文がホリエモンブランドを作ったようなものかな。
比喩としてはあまり良くないですが(笑)
トランプという人も、たいした人ですね。脱帽です。
ただ、売れるかどうかは、別の問題はありますが。359.99ドル〜549.99ドルですから、ジョークで買うには安くはないです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:41 PM |
June 29, 2007
ベストバイの強気な成長プラン
ベストバイが株主総会を前にして新たなプランをリリースしたのですが、非常に強気な姿勢で好調ぶりをデモンストレーションしました。
カナダも含めた北米の目標店舗数を、1,400店舗から1,800店舗へとおよそ40%近くかさ上げするとしています。この1,800店舗のうち国内が1,400店舗としているので、現在の852店舗から500店舗以上も増やす計画を立てているわけです。
またパシフィックセールスの目標店舗数を200としてます。このフォーマットをそろそろ増やすということはアナウンスしていたのですが、具体的な数値が出たのは今回が初めてじゃないでしょうか。
株主満足のための、55億ドルにのぼる株の買い戻しと配当の30%増額、というプランも合わせて発表しました。
ベストバイ絶好調です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:34 PM |
June 18, 2007
トゥィーターの倒産
トゥィーターという家電専門チェーンが6月11日に倒産しました。連邦破産法11条を申請して更正手続きを開始、負債の総額は示されていないのですが、6億ドルの債権企業向け融資が決まっており、これをベースとして今後清算するのか再建するのか検討されることになります。
この企業、売上高7753万ドル、店舗数153で、中堅リテーラーといったところでしょうか。専門店チェーンとしてはベストバイ、サーキットシティ、ラジオシャック、がいて、この下あたりに位置する企業でしょう。フルラインチェーンとしてのウォルマートとターゲットの部門としての売上高よりも小さい規模の企業かもしれません。
倒産の直接的な理由は薄型テレビの急速な値崩れにあるようで、この値崩れの引き金を引いた張本人がウォルマートと言われてます。昨年の歳末商戦での、NBの500ドル近い値下げが、他社へ一気に波及し、これで利益を出さなければならなかった企業を直撃したというわけです。
サーキットシティは70店舗の閉鎖と3400人の解雇を発表してますが、この中堅企業の場合は倒産となってしまった。
ただ薄型テレビの値崩れは直接的な理由に過ぎず、本質的な問題は他にありそうです。決算数値を見ると、98年の上場後3年間の黒字を経て、以来ずっと赤字決算なのです。
ネットで社史を眺めたところ、上場以来10店舗程度の小規模チェーンの買収を繰り返していて、これが足を引っ張った可能性が高そうかなと。小さな買収を繰り返して小さく拡大するだけでは、巨大なチェーンストアに対抗することは不可能。それよりも、フォーマットの革新に力を注ぐべきだったのかもしれません。
エンターテイメント+家電市場は急速に変化しています。これほど動いている市場は他にないんじゃないでしょうか。チャンスも大きいけど、ふるい落とされていく可能性も高くなる。トゥィーターはふるい落とされた典型例という気がします。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:10 PM |
June 11, 2007
ベッド・バス&ビヨンドによる低業績予想
6月6日に第1四半期の業績予測を出したのですが、ウォール街の予想を下回り、株価が下がりました。理由の大半は住宅関連需要の減退にあるようで、これはホームデポやウィリアムズソノマといった企業の業績悪化と基本は一緒です。ちなみに決算の公式発表は6月27日です。
BBBは非常に堅固な財務内容を持ってますし、派手なパフォーマンスはないけど手堅いビジネスで有名な企業です。また市場という避けることのできない外部要因によるものが大きいようなので、いますぐどうのというレベルではありません。
ただふと思ったのは、この企業が持つあの有名なプロトタイプって、導入からどのくらいたっているんだろうと。買いやすく、衝動買いしやすいフォーマットだし、プレゼンテーションも素晴らしいし、基本的に言うことはないのですが、そろそろ飽きられてきてはいないかという懸念をちょっと持ちました。
なにかこう、もっとドラマチックな変更を加えたプロトタイプをそろそろ導入してもいいんじゃないかとも思うわけですね。業績が悪くないいま何かをやらないと、もっと業績が落ちてしまってからでは手遅れとなってしまうかもしれない。
杞憂なんでしょうけどねえ...。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:17 PM |
May 31, 2007
ホーム関連企業が軒並み業績悪化
昨日、ボンベイカンパニーという企業が第1四半期に赤字を計上、既存店成長率マイナス10.2%となったことを発表しました。
ホームファニシングをモール内専門店フォーマットで展開する企業ですが、ここ数年業績が悪い状態が続いています。もともと18〜19世紀のレプリカファニシングを販売していたものが、クラシックでトラディショナルなファニシングをモデレートプライスで売るフォーマットへと進化して成長しました。
今日はウィリアムズソノマが第1四半期の増収減益を発表しました。
ピア1インポーツも業績が悪い。
ホームデポとロウズも増収減益。
ホーム関連企業が軒並み業績を落としてまして、住宅関連市場は明らかに冷え込んでいることがわかります。
ただしボンベイとピア1インポーツは以前から業績が悪く、とするとこの市場そのものの冷え込みが与えるダメージはかなり大きいものと推測できます。
とくにピア1ですね。
7四半期連続赤字、正念場のピア1インポーツ
昨年度の第4四半期も減収減益、通年でも減収で赤字でした。市場は向かい風ですし、けっこう厳しい状況にあるんじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:35 PM |
May 23, 2007
コンプUSAの戦略転換
ベストバイ、サーキットシティ、ウォルマート、そしてネット、といった競合に負け、この2月に全店舗の半分に当たる126店舗を閉鎖することを発表したコンプUSAが、新しい戦略を発表しました。
No longer try everything to everyone、つまりマス向けに何でも置くという戦略をやめて、ガジェット好きなコアなお客と、中小の法人ユーザーに的を絞るとしています。
例えば大型レーザープリンターやPOSレジなどをアソートしたり、中小企業オーナー向けにフリーセミナーを開催したりしたりする、といったことを考えているそうです。
コンプUSAの生き残り策としてはこれしかないんじゃないだろうかという転換だとは思うのですが、果たしてガジェット好きなオタクを満足させられる品揃えをチェーンストアが実現できるのかどうか。
法人ユーザーにしても、簡単に取り込める相手ではないでしょう。
PC市場は、かなりの部分がネットに持っていかれています。このネット販売とリアルをなんらかの手法でからめていければ、突破口が見出せるような気がしないでもないですけどね。
コンプUSAは現在メキシコのビリオネア、カルロス・スリム・ヘルに所有されています。うまくいってもいかなくても、丸ごと売却なんて言うシナリオも十分ありえると思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:45 PM |
May 1, 2007
赤字決算と高額報酬
サーキットシティが第1四半期で赤字を計上しました。税引き前で8000〜9000万ドルの赤字となる模様。4月の薄型テレビの売上が予想以上に悪かったからと理由を説明しています。
さて、同じ日にCEOフィリップ・シュノーバーの昨年の報酬額が、1,710万ドルであったことをAP電が報じました。日本円にすると20億円ぐらい・・・。基本給は90万ドル程度で、あとはボーナスなどのエクストラです。
これは偶然なのか、またはAP電のライターの意図なのか。
サーキットシティは業績悪化のため3,400人のレイオフを実施したばかりですから、この高給は社員にとっては受け入れがたいことでしょう。シュノーバーは04年にベストバイからヘッドハントされ、CEOになったばかりですから業績悪化の責任を負う必要はないんですが・・・。
CEOになってすぐに1,710万ドルももらっておけば、このまま業績を上げずに解雇、なんてことになってもあとは遊んで暮らしていけます。宝くじにあたったようなもんです。
米国企業のトップの報酬、やはりどこかおかしいです。
関連記事:「幹部報酬を監視する」
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:28 PM |
April 5, 2007
明暗分けた二大家電ディスカウントストア
ベストバイとサーキットシティがそろって06年度の業績を発表したのですが、両社の状況をくっきりと反映する対照的な結果でした。
ベストバイは売上高16.5%増、純利益21.1%増の増収増益でしたが、サーキットシティは8%の増収だったものの利益は1180万ドルの赤字に転落しました。
ちなみに既存店成長率は前者が5.9%増、後者がフラットでした。
サーキットシティの赤字の直接的な原因は海外事業の減損処理やリストラコストの計上といった特別損失でして、営業利益はとりあえず黒字を出してはいます。
サーキットシティはこの業績発表に先立って人員整理を行っています。高給を取っているベテラン店員を含む3,400人を解雇し、希望する人は低賃金で採用しなおすという荒療治です。
このレイオフ、証券アナリストには評価がよいのですね。しかしながら小売業界人には受けが悪い。当然のことながら店頭サービスの低下が予測できるわけです。短期で評価する証券アナリストと、長期で評価する業界人、という図式を非常に感じました。
薄型テレビの値崩れが激しく、これが家電リテーラーに影響を及ぼしているそうですが、まあ、これだけというわけでもないでしょう。サーキットシティの苦戦はいまに始まったことではないですから。
家電に関して言うと、強いのがウォルマート、コストコ、ベストバイ、そしてネット。これらに苦戦しているのがサーキットシティ、コンプUSA、ラジオシャック、という図式ができあがってしまってます。
話は飛びますが、ベストバイはSecond LifeにGeek Squad Islandという名称で土地を買って出店するようです。キャラクターが常駐してテクニカルサポートを提供するそう。一歩先を行くベストバイを感じるニュースじゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:29 PM |
March 30, 2007
4,560万人のデータが漏洩したTJマックス
今年初頭に「TJマックスによるカードデータ漏洩ケースで思うこと」でメルマガにしましたが、TJマックスがSECに提出した書類によって、約4,560万件のクレジットカード、またはデビットカードのデータが流出したことが判明しました。当初は4,000万人分と言われていましたので、500万人ほど増えたことになります。
これは05年に発生したカードシステムソリューションという会社による漏洩数、4000万件を超えて史上最大となるそうです。
また同社はレシートなしで商品を返品に来た人に運転免許証の提示を求めているのですが、提出書類によるとこのデータも45万5000人分が漏れたたとのこと。
同社によると、カードデータの3分の2は流出した時点で期限が切れていたか、磁気ストライプに含まれているセキュリティコードがなかったそうなので、実質的に影響を被る可能性があるのは3分の1だとしてます。
先週にはこのデータを利用して100万ドル近い買い物をしていたグループ10人が逮捕されてます。またTJマックスに対する訴訟も起きてます。
盗まれた手口等現在捜査中なのですが、非常に巧妙のようです。
「どれだけ漏れたのか分からないところがあって捜査が困難を極めている」というTJマックス広報のコメントもあります。つまりトランザクションデータは一定期間を置いて削除されるものであり、漏洩している時点から企業が気づいた時点までのデータが削除されていて、この期間のデータが盗まれたのかどうなのか分からないといわけなんですね。
さてこの話で思うことは、100%安全なセキュリティシステムなど存在しないのではないかということなんです。
例えばロイヤルティカードと指紋認証をくっつけるシステムがすでに登場してますが、情報が漏れることは絶対無いと言い切れるわけがないんですよね。TJマックスは例外です、なんてことはありえない。
指紋データと一緒にクリティカルな情報が漏れたら・・・。
おそらく近所のSMが導入したとしても利用することはないだろうな、なんてことを思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:54 PM |
March 28, 2007
際立つベストバイの買収戦略
ベストバイがスピークイージーという中小企業を買収しました。年商8000万ドル、社員数約300人、買収額は9700万ドルだそうです。ベストバイの規模からすると、手持ちの現金でさっとまかなえる金額です。
この企業、リリースによると、「ブロードバンドによる電話やデータといったITサービスを提供する」というビジネスを運営していて、独立系企業としては全米最大級、となっている。買収後は100%子会社の別企業として営業し、Best Buy for Bisinessユニットを通してサービスを提供して行くのだそうです。
このベストバイのやり方、いかにもこの企業らしい。
例えばマグノリアというシアトルの小さなチェーンストアを買って、これを店舗内店舗の名称として拡大し、相乗効果を上げていることはご存知の通り。Geek Squadという出前ITサービスも同じ、小さな会社を買って、同様に育てました。
今年に入ってからは、数年前に買収したパシフィックセールスを、マグノリアと同じように、店舗を増やしながら店舗内店舗のブランドとする、両面戦略を取るということを経緯幹部が発言してます。
ちなみに自社開発した他フォーマットはほぼすべて失敗に帰していて、やはり小さな会社を買って大きく育てるというやり方にこの企業はノウハウがあるようです。
昨日記事にしたホームデポと比べると余計に、その戦略性とノウハウが際立ってくるのではないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:53 PM |
March 23, 2007
書籍の専門店チェーン、ボーダーズが赤字決算
アメリカにはバーンズ&ノーブルとボーダーズという二大書籍チェーンが存在しますが、このうちの二番目にあたるボーダーズが第4四半期に赤字を計上、06年度の通年でも赤字となることが分かりました。
営業利益は出しているものの、資産を減損処理したため赤字となったんですね。減損したのは国内の店舗に関する有形固定資産と、イギリスは有形と固定の双方の固定資産を減損しています。
既存店成長率は、ボーダーズ2.2%減、グループのワルデンブックスが7.5%減、海外が0.4%減で、すべてマイナスでした。
原因はおおよそ2つ、活字離れと競合が指摘されてます。なかでも競合が大きそう。同業他社のバーンズ&ノーブルに加えてウォルマートやコストコといった他業態が本を結構売っている。
またやはりネットの影響がある。ボーダーズは自社開発をやめてアマゾンと組んでいて、ネット発注の本をボーダーズでピックアップできるというサービスを提供しているのですが、当のアマゾンにシェアを奪われてしまっている。
さらに書籍以外の取り扱いカテゴリーである音楽CDは、ダウンロードの時代となってしまった。
ワルデンブックスも調子が悪い。このフォーマットはRSC出店タイプなのですが、いまどきRSC内の書籍専門店に本を買いに足を伸ばす人がいなくなってしまったわけですね。
ワルデンブックス564店舗を300店舗に減らし、アマゾンとの契約をやめて自社オリジナルを作る、大型店舗の改装する、など再建策を決算と同時に発表しているのですが・・・
実はバーンズ&ノーブルも07年度の見通しを下方修正したりして、アメリカの書籍リテールは大きな曲がり角に来ているような印象なのです。両社の合併、またはバイアウト、といったオプションが現実味を帯びてきました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:43 PM |
February 12, 2007
コールズによる新ライン、'Elle'
アパレルチェーンのコールズが、'Elle'というブランドを開発し独占販売する計画を発表しました。
昨年同社はヴェラ・ワングというウェディングドレスで有名なデザイナーズブランドの独占販売を実現、同じ戦略の中でElleを作るということのようです。
さてポイントは2つ。
1つ目はElleが雑誌のタイトルである点ですね。つまり日本で言えば、アンアンやノンノで独占ラインを作るということを意味してます。おもしろいです。コールズと言うフォーマットのポジショニングを考えると、ヨーカ堂やイオンが'アンアン'というアパレルラインを作るようなものです。
2つ目はとりわけヴェラ・ワングに当てはまりますが、他ですでに存在するブランドを、自社で独占的にPBのようなポジショニングで売るブランドをキャプティブブランドと呼び、ターゲットがこれを随分強化してきている点です。
コールズは若干成長が鈍化してきていて、このブランドイニシアチブはマーチャンダイジングのてこ入れの一環ということになります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:48 PM |
February 9, 2007
サーキットシティ、69店舗閉鎖へ
国内7店舗、カナダ62店舗、だそうです。
また経営陣のリストラも開始するそう。
歳末商戦の結果に従い、年初に店舗閉鎖や倒産という話が多いのがアメリカなのですが、今年は今のところほとんどない状況にあります。
理由は良く分かりません。昨年末の結果が決して悪くはなかった、ちょうどいまキャッシュが枯渇している企業が偶然ない、などなど・・・。
そのような中でのサーキットシティの縮小計画は目を引きます。
好調ベストバイとウォルマートとの競合に苦戦していて、第3四半期には赤字を計上しています。
気づかなかったのですが、この企業は国内643店舗に対して、カナダ800店舗で、カナダのほうが店舗数が多いんですね。ただしカナダはどうやら店舗のサイズが小さいようです。
カナダ事業は撤退したほうがいいんじゃないかという論調もあり、採算割れしている模様。
サーキットシティの不調の原因と、ベストバイの好調の原因を比較すると、小売企業にとって何が必要なのかということが良く分かると思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:40 PM |
February 6, 2007
ベストバイがインド進出か
ベストバイがインド進出に向けて、現地企業との交渉に入った模様です。ローカル誌が報じました。
RPGエンタープライゼズという企業とジョイントベンチャーについての可能性について交渉しているのだそうです。RPGは、まだ正式な提案がベストバイから来たわけではない、とコメントしてますので、少なくとも話し合いは持っていることは確実のようです。
ベストバイは中国にもう出ましたから、次のアジア圏としてインドを狙っているということになります。
ウォルマート、テスコ、ベストバイ・・・欧米流通企業のインド進出が続きます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:44 PM |
February 5, 2007
「実験フォーマットの撤退とベストバイの企業文化」Vol.11,No.06
アメリカ流通eニュース
ベストバイが実験フォーマットのエスケープの撤退を決めた。04年末のオープンなのでおよそ2年間の実験であった。今後は得た結果を生かしつつ、ベストバイ店舗内に店舗内店舗(Store within a Store、以降SWS)を作る予定としている。
ほぼ同じ時期に同社はeqLife、エスケープ、スタジオDと3つの実験店をあけているのだが、スタジオDは昨年中にクローズし、eqLifeは社員ベンチャーとしてスピンオフしたため、自らの手で多店舗展開できるフォーマットにすることができたのは一つもなく終ったことになる。
これをもってしてベストバイを揶揄することはできないと私は考えている。絶えず新たな挑戦を続ける同社の姿勢に、現在の好調の要因を見るのである。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:12 PM |
February 2, 2007
コストコ、絶好調をアピール
コストコが株主総会を開催したのですが、以下のような好調さをアピールしています。
一店舗あたりの平均売上高1億2900万ドル。
2億ドルを超えた店舗は41店舗。
会員数は4850万人。
昨年11月に500店舗目を開店、今後米国だけで341店舗、グローバルで521店舗を増やす予定。
2億ドルは220〜300億円くらいの価値があります。およそ3000坪がプロトタイプですから、猛烈な繁盛店をかなり持っていることが分かります。
また今後521店舗増やすという点には、個人的には少々驚いてます。
コストコ、絶好調です。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:12 PM |
January 24, 2007
ベストバイの労働環境の革新
ベストバイについてはあまり日本では話題になることが無いんじゃないかと思うんですが、たぶんいまはウォルマートやターゲット以上にベンチマークしてもいいくらい、おもしろい企業だと思ってます。
この会社が本部スタッフの労働環境を大きく変えようとしています。'出勤時間と出勤場所'という概念をなくしてしまおうとしている。Result-Only Work Emvironment、略称ROWE、と呼ぶ取り組みです。
*****R2Link用コンテンツ*****
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:06 PM |
January 12, 2007
コストコが女性差別で訴えられる
女性の昇進が不当に差別されているという理由で、副店長を含む元店員3人がコストコを相手取り団体訴訟を起こす許可を求めていたのですが、連邦地裁が認可しました。
02年1月から上級管理職として働いていた、または働いている全女性が対象となります。
小売企業を対象とした訴訟ではウォルマートだけがスポットライト浴びてますが、アメリカにおいてこの手の訴訟は日常茶飯事で、珍しいことではないということを、コストコの事例でご理解いただければと思います。
'企業ゆすり'などとも揶揄されますが、企業相手の訴訟を専門としている弁護士がいることも事実で、こういうことが多発することは決して誇れたことではないでしょう。
一方、市場原理主義を経済運営の基本理念としているアメリカでは、政府が企業活動に介入することが日本に比較すると少なくて、企業活動をけん制するシステムとして訴訟が機能しているという面も見過ごせません。
さて今回のような場合、企業側はイメージダウンを恐れて和解に応じるケースが多く、団体訴訟が認められた現時点ですでに原告有利という状況なんです。コストコがどう応じるか・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:13 PM |
January 8, 2007
歳末好調に終った家電ディスカウンター
ベストバイとサーキットシティが揃って歳末が好調に終ったことが明らかになりました。5日に発表された12月の決算によると、既存店成長率が、ベストバイは7%増、サーキットシティは4.2%増、でした。
売上の伸びを引っ張ったのは、フラットパネルTV、ノートブックPC、iPod等の携帯プレイヤー、そしてテレビゲームとのこと。
歳末開始早々ウォルマートと値下げ競争でデッドヒートし、業績が危ぶまれたのですが、ふたを開ければウォルマートよりも数値は良かったわけですね。
ちなみにウォルマートもターゲットも、家電カテゴリーはかなり強かったようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:12 PM |
January 1, 2007
「ロバート・ナーデリが辞任、ホームデポの行方は?」Vol.11,No.01
アメリカ流通eニュース
ホームデポのCEO、ロバート・ナーデリが1月3日に突然辞任した。なにかと批判の多いリーダーではあったが、昨年メディアに対して辞めることは絶対無いと言い切っていたので、唐突と言う印象が強い。本人は一切ノーコメント、同社も口をつぐんでおり、周囲の状況から何が起こったのかを推測してみようと思う。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:00 PM |
December 11, 2006
「イージーボタンが業革のシンボル、ステープルズ」Vol.10,No.50
アメリカ流通eニュース
オフィスサプライのスペシャリティディスカウンター、ステープルズの調子が良い。第3四半期の決算では、売上高12%増の48億ドル、純利益高は29%増の2億9000万ドルと、大幅の増収増益であった。既存店成長率は4%増、オフィス用品のDS市場は絶えず飽和すると言われ続けている業界なのだが、そういうなかでこの業績は光っている。
ちなみにこの1年間の既存店成長率は第1四半期が1%増、第2四半期4%増だった。一方競合のオフィスデポはと言うと、第1四半期から順に、3%、1%、3%で、わずかながら後塵を拝してはいるものの、こちらも決して悪くはない。
実は両社ともにここ数年成長の踊り場を抜け出すための変革に取り組んでおり、成果が出始めているようだ。カギは旧来のDS型ビジネスモデルからの脱却である。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:51 PM |
November 20, 2006
「コストコの強さを考える」Vol.10,No.47
アメリカ流通eニュース
コストコは昨年度(年度末は8月末)、フラットパネルTVの売上高が10億ドルを超えたのだという。昨年対比で60%の伸びである。
私はいつもコストコを使うことにしているのだが、先週末に久しぶりにサムズに行き、入り口近辺の家電売場にずらりと並ぶ価格の高いフラットパネルTVに少々驚いた。
コストコの一店舗あたりの売上高はサムズの1.5倍以上なのだが、理由はマーチャンダイジングの巧妙さにある。これをサムズは何度もコピーしようとしては失敗し、最近は基本に立ち返れということで、コストコのコピーはやめて法人客に特化しようとしていたのだが、再び一般会員向けMDを強化し始めている印象がある。
このようにサムズには戦略のぶれがあるのに対して、コストコは実に一貫した戦略で、優良企業としていまだに成長企業である。そのカギは何なのか。
Fortune誌が創業CEOのジム・シネガルを取り上げているのだが、記事を土台としてまとめておこうと思う。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:47 PM |
October 13, 2006
依然絶好調のコストコ
コストコは期末が8月末でして、年度の決算が10月初旬に出ます。8月を期末にしている企業は他にウォルグリーンやファミリーダラーがあります。おおかたは年初なのですが、8月期末も何社か存在する・・・暇なニッパチに決算するわけですね。
さてこのコストコの06年度の決算が出たのですが、絶好調です。
売上高は601億5,123億ドルで前年比13.6%増、純利益高は11億322億ドルで3.8%増でした。純利益の伸びが低いのは四半期末に税金関連で今期のみの支払いが発生したからで、これなしだと14%程度の成長だとしています。
既存店成長率は8%増でした。
昨年度末の時点でウォルマート、ホームデポ、クローガーに次いで売上高4位。クローガーを抜いて3位となる日はそう遠くはないでしょう。
日本のコストコが好調のようで、アメリカのほうはどうなの?という質問を最近よく受けるのですが、「止まらない」というくらいに成長が続いています。私が行く店舗も、土日は車をとめる場所を探すのに一苦労、こんな繁昌店作れたら商売人としては本望だろうな、と思わず感嘆をもらしてしまうくらいです。
その秘訣はというと・・・これは私が最近好んで使うフレーズなのですが、「ニーズ」と「ウォンツ」の巧妙な使い分けにあると考えています。
何を言いたいのかということについては・・・セミナーではちょくちょく話してますので、機会があればぜひご参加下さい。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:46 PM |
September 17, 2006
消えるレイアウェイ
ウォルマートがレイアウェイ(Layaway)を年内に終了するそうです。
レイアウェイはアメリカ独特のシステムです。頭金の支払いで商品をお取りおきするもので、所得の低い層を対象としてかなり昔から存在してきました。一般的には30日間商品をキープするそうです。
現代はクレジットカードなど様々な支払手段がありますが、昔はなかったので、こういうやり方があったわけです。
手持ちの現金が十分になくて、'頭金置いていくから、今度来るまで取っといて'的なもののチェーンストア版です。日本でもたぶんかなり昔にはあったのでしょうし、顔見知りのご近所の小さなお店では今でも通用しそうな気がしますが、一般的にはとうの昔に消えてなくなってますし、チェーンストアには存在しません。
大手リテーラーだと、ウォルマートとKマートがこのシステムを今まで維持してきました。しかしニーズが減ってきて、人員を置くことのコストがかさばってきたため、とうとうやめることを決めたというわけです。
Kマートは続けるそうです。
アンチウォルマート陣営は、'サム・ウォルトンの伝統が消えた、これが田舎の小さな企業ではなくなってしまった証拠だ'、などと発言してます。でも、こういうシステムを今までチェーンストアが持ってきたこと自体、私には驚きでして、やめるのは当然かなと思います。
ちなみにウォルマートの場合、通常レイアウェイのために1店舗あたり3人を配置するそうで、3,256店舗ですから、1万人近い人がこのために働いている計算になります。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:48 PM |
August 31, 2006
トイザラスが負けている理由?
娘が友達のバースデーパーティで、おみやげとして子供用の小さなタコをもらってきました。タコというよりも、カイト、と言ったほうがいいでしょうね。
糸もそれほど長くなくて、カイト自身も小さくて、低学年用に作られたものでした。とても簡単にセットアップできて、久しぶりに上げてみたら結構楽しくて、上の子用にも大き目のを買って遊んでみようかなと思いたちました。
そこでトイザラスに行きました。時間がもったいないのでサービスブースで聞いたら、'シーズナル売場にある'と言うので、行ったらない。戻ったらその女性がいなくて、違う人に聞いたら'あそこにないなら、ない'とのこと。
欠品か、と、がっくりでした。
でもあきらめず、ターゲットに行ってみました。売場にいた女性は一言、'カイトは2月と3月にしか置かないよ'でした。
なるほど、アメリカにもタコを上げる時期があるのかと、はじめて知りました。
しかし、トイザラスではそういうことは教えてくれなかった。
年初のシーズナル商品ならば、現在のシーズナル売場にあるわけないじゃないですか。あそこにあるよ、なんて、なんて無責任な。
トイザラスが負け続けている理由がこれです。店員のモチベーションや知識レベルが低くて、腹の立つことが多い。こんなことやってるから、DSにお客を奪われていくんです。
ちなみにターゲットの玩具売場を必要に迫られて真剣に見たのですが、品揃えが結構いい。これもトイザラスが負けている理由の一つでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:52 PM |
July 18, 2006
ペットコが16億8000万ドルでバイアウト
ペット専門ディスカウントストア業界2位のペットコが、バイアウト企業に資本買収されることになりました。総額は16億8000万ドル。つい最近クラフト専門ディスカウントストアのマイケルズが同じくバイアウトされたばかりで、小売業界では立て続けということになります。
なぜ小売企業がバイアウトされやすいのかというと、不動産を持ちかつキャッシュフローが潤沢だからなのですが、その理由はさておき、今回のペットコのケースのおもしろさは、00年にバイアウトされ02年に再上場したばかりという点にあります。
このときバイアウトした企業が、今回も買った。
これは何を意味しているのでしょうか?
ペットコの業績は悪くありません。
しかし株価は思わしくなく、05年の1月から半値まで落としている。理由はガソリンの高騰がペットへの支出を抑えるだろうと市場が見ているから、だそうです。
おそらく、一度再上場して利益をゲインしたが、その後株価が落ちたため、再び買って、再々上場を目指す、ということなんですね。
要は、このバイアウト企業は、株の一部を買って値上がりを待つというかわりに、丸ごと買って丸ごと売って利益を得ようとしているわけで、普通の株式投資と本質は同じということいなるわけです。
ただ同じとは言え、我々日本人から見ると、実に大胆というか(笑)
資本が変わるということに対してなぜかアレルギーを起こす日本人にとってはちょっと難しいディールだと思いますが、株主資本主義体制においては、理論的にはこんなこともあるんだよといういい参考例だと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:42 PM |
June 5, 2006
ターゲットカード、全米トップ10位入り
ターゲットが発行するクレジットカードの発行枚数が、全米トップ10にランキングされたそうです。小売企業としては27位にノードストロムがいるだけなので、かなりの規模と言う事ができます。
シアーズやJCペニーなどアメリカの大手リテーラーの多くは自社信販事業を売却していて、アウトソースすることがトレンドです。ターゲットも自社クレジットをはじめたときは、かなり懐疑的に見られたし、今でも慎重論が多い。
さてではどうしてターゲットだけ成功しているのか。
これは少々書けそうなネタので、流通eニュースにまとめてみようと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:27 PM |
May 15, 2006
ついにベストバイがアジアに進出
ベストバイが買収で中国に進出することを発表しました。買収する企業名はJiangsu Five Star Appliance Co(Jiangsuは漢字で江蘚となるようです)、年商はドルベースで7億ドル(業界4位)、店舗数は136店舗、とのこと。
買収総額は1億8000万ドルで、これには1億2200万ドルの追加出資が含まれているようなので、自己資本自体は6000万ドル程度ということでしょうか。
中国当局の認可待ちです。
とうとうベストバイがアジアに来たか、という感じですね。
ウォルマートのリー・スコットは、将来アメリカ並みの流通市場に成長するポテンシャルを持っている国は中国しかないと言い切ってますし、ホームデポも進出を視野に入れてオフィスをすでにオープンしてますが、次はベストバイでしたか。
考えてみると、家電という分野はもっともグローバルな特性を持っているような気がします。もちろん流行の温度差はあるけれど、グローバルスタンダードにのっとって流通する非常に普遍的な分野です。家電メーカーのグローバライゼーションなんて当たり前の世界ですから、小売のグローバライゼーションも進まないほうがおかしい。
ベストバイは今まで数度の業績悪化を乗り越えた優良企業で、強い企業文化とバラスシートを持ってますから、とくにアジア市場ではこれから存在感がどんどん高まってくるかもしれません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:03 PM |
April 28, 2006
イケアとユニクロ
イケアが日本でオープンしたようですね。
唐突ですが、イケアのビジネスモデルは'ユニクロ'だと私は思っています。
イケアはエンターテイメント性が非常に高い店作りを完成させています。そのご利益は、一歩足を踏み入れたとたんアドレナリンが上昇し、陳列商品すべてが素晴らしく見えて、さらに価格も安いため、思わず買ってしまう、と言う点にあります。
しかしながら、商品自体は価格なりでして、決して長持ちするものではありません。
私の経験から言うと、本棚で5年、タンスで8年、といったところでしょうか。
実際のところ、買ってすぐに壊れたものもあります。
先週日本で、とある方と面談中ユニクロの話が出たのですが、'ユニクロの商品は洗ってはいけない'と。
洗うと一気に痛むため、できる限り洗わずに長持ちさせなければならないという冗談です(^^)
例えばブレザーをシーズン前にいくつか買い、1〜2年で痛んだら捨てて、次を買って・・・という短いサイクルを繰り返しているそうです。
使い捨て感覚で着る、そういう商品なわけですね。
イケアもそうだと私は思います。
価格が安くて驚きますが、長持ちはしません。価格なり、という表現がピッタリです。
ネガティブな意図で書いているわけではありません。
そういう市場も少なからずあるということです。
住宅を所持せずアパートを転々としている人たちとか、新婚などの家具初心者とか、そういうライフスタイルの人たちに大きく支持されています。
ちなみにイケアの革新性とは、組み立て家具をショールームで売るモデルを確立したことにあります。
後にも先にもイケアしか存在しません。
ところできわめて個人的な価値観ではありますが。
いい家具は100年単位で持つため、高価であっても安い家具を買うよりもお得だと思ってます。
傷ついたら表面を研磨したりして生まれ変わらせることもできますが、廉価版はできません。本当にいい家具は、子供たちへと代々受け継いで行かせることもできます。
長い長いスパンで見ると、高級家具のほうが安く上がると私は思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:23 PM |
April 17, 2006
「増えるインストアクリニック、その背景は・・・」Vol.10,No.16
アメリカ流通eニュース
店舗内に簡易クリニックを設置し、簡単な医療行為を提供するインストアクリニックを実験する企業が増えてきている。現時点で発表されているだけでも、ウォルマート、ターゲット、マイヤー、クローガー、パブリックス、ハイビー、ブルーノズ/バイロー、CVS、ライトエイド、ロングス、と、枚挙にいとまが無い。
各社ともに実験段階で今後どうなるかは不透明だが、取り組み企業は確実に増えている。ウォルマートの事例をとりあげながら、背景を簡単にまとめておく。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:22 PM |
April 10, 2006
「本社人員300人を解雇する好調企業ベストバイ」Vol.10,No.15
アメリカ流通eニュース
ホームページに記事を掲載したが、ビジネスウィークが選ぶ優良企業50社の19位にランクされたのがベストバイである。11位のロウズが上にいるだけで、44位ステープルズ、50位ホームデポと他はランクが低いし、この4社しかディスカウントストア業態からランクインした企業はいないことからも、その好調ぶりが分かるというものだ。
この好調企業が4月3日に、本社社員300人の解雇を発表した。店舗も含めた全社員12万人強のわずか0.25%の人員削減をあえて実施し、あえて発表する意図を考えてみたい。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:17 PM |
April 5, 2006
ベストバイによる300人のレイオフ
ベストバイが本社社員300人のレイオフを明らかにしました。
先月末に発表された決算は絶好調で、ここで全社員12万人のわずか0.25%の解雇をする、またはあえて発表する理由は何なのでしょうか。
詳細はアメリカ流通eニュースに書きますが、私はベストバイ絶好調の理由の一つをこのあたりに見出しています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:08 AM |
February 27, 2006
「業績悪化と学歴詐称スキャンダル、苦難が続くラジオシャック」Vol.10,No.09
アメリカ流通eニュース
このレポートで取り上げるのはひょっとしたら初めてかもしれないが、今回はラジオシャックを俎上に上げる。
17日に、第4四半期の大幅な減益と、最大で700店舗のクローズと言う大型リストラプランを発表したのだが、今この企業に耳目が集まっているのは、昨年CEOとなった人物の学歴詐称問題である。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:25 PM |
January 19, 2006
ベイン・キャピタルがバーリントン・コートファクトリーを買収
バーリントン・コートファクトリーは、TJマックスやロスといったチェーンストアと同じオフプライスストア業態、店舗名の通り、上着(コート)を核として伸びた公開企業です。
これを、バイアウト大手のベイン・キャピタルが20億6000万ドルで買収すると発表しました。
ミルステインという創業一族が62%を所有していて、創業CEOが79歳で、売却後は引退する。
これは典型的なバイアウトパターンです。
つまり、業績が悪化している、創業者が有能な後継を育てることができていない、会社には含み資産が一杯あり、一方これを有効に処理するノウハウは持っていない。
しかし、そろそろ限界で、引退したい。でも会社は長く存続させたい。
バイアウト企業はこういう会社を買い、不良資産を上手に売却し、バランスシートをきれいにし、一方有能な人を見つけてきて経営者に据え、ころあいを見計らって、売却するか、再上場する。
創業者はある程度のお金を手にして退ける。
会社は残る。
バイアウト企業は売却益を得る。
これが最も良いシナリオです。
もちろんいつもうまくいくわけではなく、バイアウト企業が損をする場合もありますが。
ハゲタカファンドという表現は間違ってます。
で、このバイアウト企業の出番が流通業界に増えてきているのが現状なのです。
理由は、また別の機会に。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:28 AM |
January 16, 2006
「ホームデポが32億ドルを投じて大型買収」Vol.10,No.03
アメリカ流通eニュース
ホームデポが11日にヒューズサプライという企業の買収を発表した。買収総額は31億9000万ドルでホームデポの社史で最高額、1ドル120円換算で3720億円という大型買収である。
ホームデポはここ数年企業買収を立て続けに繰り返していて、買収総額を発表していないディールもあるのだが、このわずか2年程度でトータルすると50億ドル近くを買収に投入していると見積もられている。
その背景や目的を整理しておく。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:40 PM |
January 2, 2006
「ベストバイがローカルチェーンを買収」Vol.10,No.01
アメリカ流通eニュース
昨年末の12月23日、ベストバイがロサンゼルスのローカルチェーン、パシフィックセールスを買収することを発表した。地元の住民と業界人以外にはほとんど知られていない企業で、当の地元住民である私にとっては少々驚きのディールである。マスリテールのベストバイトと、ハイエンドのアプライアンスをメインとするパシフィックセールスをくっつけるなど、想像もできなかったからである。
ベストバイはここ数年別フォーマットの開発に取り組み始めているのだが、買収で手に入れた小型高級テレビ&オーディオ専門のチェーンストアであるマグノリアを(買収は00年)、本体の売り場に'Store Within a Store(店舗内店舗)'として導入する取り組みを開始し成功している。
この多フォーマット戦略と、Store Within a Store戦略を鑑みると、今回の小型チェーンの買収の理由が見えてくる。
<これ以降の内容に興味のある方は、アメリカ流通eニュース(有料)をご購読下さい。>
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:52 AM |
December 14, 2005
ベストバイが減益、その理由は・・・
ベストバイが第3四半期の業績を発表しました。
売上高は10.4%増の73億3500万ドルでしたが、純利益高は6.8%減の1億3800万ドルで、増収減益でした。
ちなみに営業利益高は18.9%減でした。
理由はコストアップ、具体的には同社が昨年来取り組んでいるカスタマー・セントリシティというプログラムが経費増に大きく貢献してしまったということです。
CEOのブラッド・アンダーソンは「変革活動に投資し過ぎた」とコメント、しばらくスローダウンして利益が出せるモデルになるよう調整するとしています。
このカスタマーセントリシティについては、販売革新(商業界)7月号に書いたり、流通eニュースで書いたりしているのでここでは詳細は書きませんが、簡単に言えば対象顧客を絞り込み、商圏顧客のプロフィールにアソートを合わせ、ロイヤルカスタマーには良いサービスを提供し、そうでないカスタマーにはサービスを限定するという戦略です。
SM業界のロイヤルティマーケティングとはアプローチが少々異なっていて、非常におもしろいのですが、コストアップ要因があり、懸念されていました。
同社は売り上げ増がコストアップを相殺するとしていたのですが、今回の決算でバランスが悪くなってしまったことが分かってしまったわけです。
非常にユニークでおもしろいプログラムではあり、壁を乗り越えてワンステップ先に進めるよう頑張ってほしいなと思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:34 AM |
November 17, 2005
ますます早まる米国の歳末商戦

米国の歳末商戦は、サンクスギビングデー(感謝祭、11月最終木曜日)翌日の金曜日から始まり、12月のクリスマスで終了します。
お中元がない米国の場合、この歳末にギフト需要が集中するため、この1ヶ月間の売り上げに対する比重は半端ではないものとなるわけです。
そして、商戦が始まる11月最終金曜日はブラックフライデーと呼ばれ、この日から日曜日までの3日間の出足が、歳末の行方を占う試金石となるわけです。
さて、家電DSのベストバイは数年前よりロイヤルティマーケティングを導入し、カード所有者に限定したプロモーションを実施しています。
業界と異なる点は、カード取得に年会費がかかるところにあります。かなり排他的なカードプログラムと言うことができるでしょう。
私も会員なのですが、1週間ほど前にダイレクトメールが届きました。
明日18日(金)から21日(月)までの4日間のみ、会員限定の値下げプログラムです。
これが何を意味しているのかと言うと、たぶん、歳末商戦が始まる一週間前に、勝負をつけてしまおうとしているのでしょう。
つまり、ベストバイは、歳末商戦を前倒ししようとしているわけですね。
これを知った各社は、来年さらに早めるかもしれません(笑)
さて、どこまで早まるのやら・・・。
ちなみにターゲットは、28日は朝6時から開店するのですが、オンラインで登録した人に対してモーニングコールをかけるサービスを提供しています。開店が早いから、電話でおこしてあげますよと(笑)
熾烈な戦いの幕が、まもなく切って落とされます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:59 AM |
November 15, 2005
イケアのアンチビューロクラシーウィーク
イケアはスェーデンに本拠を置く、世界中に226店舗を展開する家具チェーンです。日本にも再進出したので知っている方も多いことでしょう。
この企業の本質は、'組み立て家具をショールーム形式で売る'という販売方法を確立した点にあります。組み立て家具をショールームとして売るリテーラーは、たぶん世界中にいまだにイケアだけではないでしょうか。唯一の企業なんです。
個々の家具の品質は価格なりで決して良いものではないのですが、ショールームとすることでものすごく良く見せてしまう。ここがミソでしょう。
例えば本棚は、5年くらいで棚板が本の重さで歪んできます(笑)
我が家のたんすは10年ほど前にイケアで買ったものですが、開けるのに力が必要となってきましたし、取っ手がはずれかかってきてます。
子供用に小さな椅子を買ったのですが、粗悪品で、半月ほどで捨ててしまいました(爆)
こういう低価格品を必要とする層が、世界中にはたくさんいるというわけです。
でもねえ、品質にうるさい日本人が、これを支持するかどうかは・・・。
さてこの企業、毎年アンチビューロクラシーウィークなる週を設けているそうです。
この週は、本社の幹部は全員店に行って、フロアかレジに立たなければならない。
例外はなくて、CEOも売り場に立つのだそうです。
売上高177億ドル、日本円で2兆円を超える売り上げを上げている企業の社長が、年に一回は売り場に立つ。
日本での成否は別として、これはものすごく大切なことではないかと。
経営者が現場主義であること、これが良い企業の条件である、これが私の持論です。
我が国の大手といわれている小売企業の、いったい何社の社長が、年に一回売り場に立っているでしょうね・・・。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:54 AM |






